偉いけど困る!“自分でやる期”の着替えがうまくいく5つのコツ

子どもの「なんで?」がわかる場所

いやいや期まっただ中の子どもたち。
「じぶんでやるの!」と張り切って服を脱ごうとしたのに、
途中で引っかかって泣き出す…。

そんな姿、よく見ませんか?

実はこれ、やる気が足りないからではなく、身体の発達の準備がまだ整っていないだけなんです。


👕着替えがうまくいかないのは“5つの力”が育ち途中だから

No発達要素よくあるつまずき必要な力
姿勢保持体がふにゃっとしてバランスが取れない体幹・バランス
ボディイメージ袖が見つからない・手足が合わない自分の体を把握する力
協調運動手足の動きがちぐはぐ左右・上下を連携させる力
順序立てどの服から着るか分からない行動を整理して考える力
空間認知前後・裏表が分からない向き・位置を感じる力

🧩つまり、

「できない」のではなく、
「できる準備が整っていない」だけ。

でも安心してください。
この5つの力は、遊びながら自然に育てることができるんです。


① 姿勢保持が育っていない

✏️原因

・体幹が弱く、重力に負けやすい
・座っていてもすぐに姿勢が崩れる
・バランスを取る力が未発達

🚫その結果どうなる?

・着替え中にグラグラして倒れる
・ズボンを履く時にフラフラしてバランスを崩す
・立ったまま服を脱ぐのが難しい
・座って靴下を履く時にすぐ後ろへ倒れる

🪄対策:重力にあらがう&バランスあそび

  • 段差をのぼる
  • 斜面マットを登る
  • 階段の上り下り
  • ジャングルジムやロッククライミング
  • 平均台やタイヤ渡り

▶️ 体をギュッと使って動く遊びがポイント。
これで「服を着替えるときに体を支える力」が育ちます。


② ボディイメージが育っていない

ボディーイメージについて詳しく知りたい方はこちら

✏️原因

・手足の方向が合わない
・自分の体の位置が分からない
・体操や真似っこ遊びが苦手

🚫その結果どうなる?

・袖に手がうまく通らない
・ズボンの片足だけ履けてもう一方がわからない
・上着の裏表を間違える
・体操やお手本の動きを真似できない

🪄対策:自分の体を感じるあそび

  • トンネルくぐりや段ボールくぐり
  • 布の中に入ってモゾモゾ動く
  • 「〇〇の手どーこだ?」などの指差しあそび
  • 鏡あそび(動きをまねっこ)

▶️ 体の「地図」を作ることで、袖やズボンに手足を通す感覚が育ちます。


③ 協調運動が育っていない

✏️原因

・体の各部がバラバラに動く
・動きがぎこちない
・片手で押さえながらもう片方で操作ができない

🚫その結果どうなる?

・片手で服を持ちながらもう片方で引っ張る動きができない
・ボタンを留めたり、ファスナーを上げたりが苦手
・靴を履く時に片手で押さえる動きができず、かかとが潰れる
・ごはんの時、片手でお茶碗を持つのが難しい

🪄対策:左右交互のあそび

  • ロープやはしごを登る
  • ボールを両手でキャッチする
  • 手繰り寄せ遊び(ロープやタオルを手繰る)
  • 魚釣りごっこ

▶️ 手と足、右と左を交互に使うことで「協調した動き」がスムーズになります。


④ 順序立てができていない

✏️原因

・どの服から着るか迷う
・途中で順序を忘れる
・行動の見通しが立てにくい

🚫その結果どうなる?

・服を上下逆に着る
・ズボンの上からシャツを着ようとする
・途中で別の服を触って混乱して泣いてしまう
・「次どうするの?」と毎回大人に聞く

🪄対策:順番あそびで育てよう

  • 絵カードで「何からするか」を並べる
  • リズムあそび(順番通りに動く)
  • 積み木やおままごと(順序のある遊び)

▶️ 「順番にやる」経験が、着替えの流れを理解する力になります。


⑤ 空間認知が育っていない

✏️原因

・服の前後や裏表が分からない
・靴を左右逆に履く
・位置関係をつかむのが苦手

🚫その結果どうなる?

・Tシャツを後ろ前に着る
・ズボンを裏返しのまま履く
・靴を左右逆に履く
・ランドセルやバッグの位置をうまく背負えない

🪄対策:向きや位置を感じるあそび

  • 電車ごっこ(前・後ろを意識)
  • トンネルくぐりやくぐり抜け
  • 模倣ダンス(左右・前後を意識)
  • お手玉やボール転がし

▶️ 「上下・左右・前後」を感じる感覚が整うと、服の向きも理解しやすくなります。


🌱まとめ:あそびが“できる力”をつくる

着替えができない=発達が遅れている、ではありません。
それは、まだ「体の準備中」というだけ。

遊びながらこの5つの力を育てていけば、
いつの間にか、着替えも靴履きもスムーズにできるようになります。

子どもの「できた!」は、遊びの中でこそ育ちます。


🧡保育士からのひとこと

「やらせる」より「育てる」。
焦らず、遊びの中で少しずつ“できる体”を育てていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました