3年間の軌跡(1)

3年間の軌跡(ノンフィクション)

転職をしようと思った。求人サイトをあさり、内定も決まり、

次のステップに進もうと思っていた矢先の出来事だ。

来年度は、園長が変わる。そんな情報が入ってきた。

しかも、法人内で力のある園長だ。

考え方が、自分と少し似ていると思う所もある。

そんな園長が来る。

迷った。転職すれば年収は一気に下がる。

給料は良いかもしれないが、このまま残ればいばらの道。

そこで、新しく来る園長に相談する事にした。

今の現状を伝え、その環境が変わるための種を撒くために。

<登場人物>

※強すぎる主任

仕事が出来る方だった。色んな事に配慮しながら仕事が出来る人。園内のすべてを把握している程優秀な方だった。

ただし、職員の扱いはひどいものだった。

個人の事情や考え方に配慮する事は無く、自分の言った通りに物事が運ばないと機嫌が悪くなる。

相手に言う事を聞かせるための手段として、その方が良く使っていたのが、どっちでも良い2択を選ばせない。という方法だった。

例えば・・環境作り。

椅子とゴザをひいて誕生会の環境作りをしましょう。と投げかけられる。

椅子を並べてからゴザをひく。

ゴザをひいてから椅子を並べる。

ある程度位置も決まっているので、どっちでも良いこの2択。

椅子から並べ始めた時に怒号がひびく。

「何で椅子から並べんの?ゴザからいつもひいてるでしょ!!」

・・・。

こういう事が多々ある。

つまり、私に確認をしろというメッセージ。

さらに厄介な事に、機嫌が悪いと「そんなの自分で考えてよ。」と言う。

職員は身動きが取れない。

自分で考えた結果、主任が思っている事と違ったらどうしよう・・・。

こんな環境にいる職員はどうなっていくか。

他人のせいに出来るように動くのだ。

「〇〇先生がこれで良いと言った。」怒られるのが怖い子どものように。

職員間の雰囲気は最悪である。

そして、主任を慕っている人だけが優遇されていく。

こんな環境の中、職員間で大事にされていくのは・・・正解探しである。

主任の考えている事、主任の思っている事が全て。

そこからはみだす事は許されない。

正解探しで苦労している職員は多くいた。

僕も苦労した。

運動会のプログラム作り、正解を持っている主任に試作品を持って行く。

「あー。これじゃ駄目」 「こういう雰囲気じゃない」「運動会なんだからもっとパワフルな感じの」

さっぱり分からなかった。何言ってんの?どこがどう駄目なのかも言わず、なんとなくこれじゃ駄目という。

「じゃーもう一回考えてきますね。」そう伝え、別の案を持って行く。

「はぁ。全然ダメ」「何でこれで良いと思ったの?」

何言ってんだこいつ。と思いながら、

「すみません💦上手く作れなくて、忙しい所大変申し訳ないのですが、どの辺を直せばいいか教えてもらっても良いですか?」と言うと「忙しいから今は無理」と言う。

「じゃー改めてまた確認しに来ますね」と伝え、後日に何度かお伺いを立てに行く。

そうすると、機嫌のよい日に当たり、考えを教えてもらえるという流れだ。

こんな流れに限界の来る職員もいる。

涙を流して、教えを乞う。

そうすると、そんなつもりは無かったと人が変わったように優しく教えるのだ。

そう、DVのやり方である。

こんなやり方をしているため、崇拝している職員もいた。

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