子どもは、水の冷たさや砂のざらざら感、泥のぬめりなど、水や土といった様々な素材に触れて、全身でその感触を楽しむのです。
こうした感触を十分に味わい、諸感覚を働かせていくことが、子どもの感性を育みます。
子どもが何かに触れている時、その対象と、触れている子ども自身の体と心と、さらにはそれらを取り巻いている環境全体とは、それぞれが互いに結び付いて一つの経験となっている。
例えば、水の冷たさは暑い夏には心地よく、寒い冬には避けたいものとして感じられる。
同じ温度の水でも、手を浸して涼しさを味わい、気持ちが安らぐこともあれば、触れた瞬間に思わず身をすくめてしまうこともある。
同じ土でも、湿り具合によってしっとりと柔らかかったり、ぬるぬるしていて手からしたたり落ちたりと、その感触や性質は様々な条件によって異なるものとなる。
それを、時には気持ちよいと感じ、またある時には汚れて困ると感じる。
身近にある様々なものを自分の体と心の両方で感じ取る経験を一つ一つ重ねて、子どもは自分を取り巻いている世界を自分のものとしていく。
触れるということは、この時期の子どもにとって、周囲の環境と関わり外界を知るための重要な手段である。
そのため、子どもは「触って確かめる」ことを盛んにする。
乳児期からしばらくの間はものを口に入れるなどなめて触れることが多く、その後は手指や体全体を使って確かめることが中心になってくる。
様々な状態の様々な素材に自らの体で直接触れ、そのものの感触などを十分に味わい、楽しむ経験を通して、子どもは自らの感覚や感性を豊かにしていくのです!
コメント