5歳児クラス(年長)の5月は、ゴールデンウィーク(GW)を挟んでリフレッシュし、初夏の爽やかな気候の中で活動が活発になる時期です。 クラスの仲間意識が育ち、共通の目的を持って遊んだり、話し合ってルールを決めたりする姿が見られ、就学に向けた社会性の土台が築かれていきます。
もくじ
5月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
連休明けは一時的に落ち着かないこともありますが、すぐに園生活のペースを取り戻します。グループ活動や当番活動が定着し、自分たちでクラスを運営しようとする意識が芽生えます。夏野菜の苗植えや生き物の飼育など、継続的な世話を通して責任感や観察力を養う時期でもあります。
子どもにとってどんな時期?
「年長さん」としての自信を持ち、小さい子の手本になろうと張り切ります。友だちとの関わりが深まる分、意見の対立も増えますが、保育者が見守る中で自分たちで解決しようとするたくましさが見られます。知的好奇心が高まり、図鑑で調べたり、実験的な遊びを楽しんだりします。
5月に特に観たい発達テーマ
- 協同性とリーダーシップ(話し合い、役割分担、小さい子への配慮)
- 探究心と科学の芽(栽培、飼育、図鑑での調べ学習)
- 基本的生活習慣の自立と見通し(時計を見て行動、衣服の調節)
- 言葉による伝え合い(経験画の発表、理由を伴う主張)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. 連休明けの生活リズムと健康状態は?
- 休み明けでも疲れを見せず、元気に登園していた。
- 久しぶりの給食を喜び、友だちと会話を楽しみながら完食していた。
- 気温の上昇に合わせて水分補給を行い、熱中症予防に努めていた。
- 鼻水が出ると自分で処理し、手洗いまで行っていた。
- 体調の変化(暑い、痛いなど)を具体的に言葉で伝えていた。
Q2. 衣服の調節(暑さ対策)と身だしなみは?
- 「暑いから半袖になる」と、気候に合わせて自分で判断していた。
- 活動の前にポケットの中身を出したり、名札を付け替えたりしていた。
- シャツがズボンからはみ出ていることに気づき、直していた。
- 脱いだ服を丁寧に畳み、崩れないようにロッカーに入れていた。
- 汗をかいた後、自分でタオルで拭いたり着替えたりしていた。
Q3. 食事のマナーと配膳の自立は?
- 姿勢を正し、食器を持ってこぼさないように食べていた。
- 箸を正しく使い、細かな食材も器用に運んでいた。
- 自分の分を配膳し、こぼさずに席まで運んでいた。
- 苦手な野菜も、「栄養があるから」と自分から食べていた。
- 食後の片付け(食器の分類など)を、丁寧に行っていた。
Q4. 排泄(トイレ)のマナーと衛生は?
- スリッパが乱れていると、次に使う人のために揃えていた。
- 排泄後の手洗いを丁寧に行い、ハンカチで拭いていた。
- 和式トイレの使い方を理解し、衣服を汚さずに排泄できていた。
- 遊びの合間に自分からトイレに行き、生活の流れを作っていた。
- トイレットペーパーの使いすぎに注意し、きれいに拭いていた。
Q5. 休息(午睡)のとり方と活動量への対応は?
- たくさん体を動かした日は、布団に入るとすぐに熟睡していた。
- 自分の布団を敷いたり畳んだりするのを、進んで行っていた。
- なかなか寝付けない時も、体を横にして静かに休息していた。
- 目覚めが良く、すぐに次の活動(着替えなど)に移れていた。
- 「疲れた」と言って、木陰やベンチで休憩をとっていた。
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. GW明けの情緒と自信は?
- 久しぶりに会った友だちや保育者に、休みの出来事を嬉しそうに話していた。
- 「年長さんだから大丈夫」と、自信を持って行動していた。
- 連休明けの不安を見せず、落ち着いて生活していた。
- 困っている年下の子を見つけ、優しく助けてあげていた。
- 新しい活動にも「やってみたい!」と意欲的に取り組んでいた。
Q2. 自分の気持ち(葛藤)のコントロールは?
- 友だちと意見がぶつかった時、手を出さずに話し合おうとしていた。
- 悔しい気持ちを言葉で表現し、次への意欲に変えていた。
- 遊びを切り上げる際、「続きはまた明日」と納得して片付けた。
- 順番待ちでイライラしたが、深呼吸をして落ち着こうとしていた。
- 自分の非を認め、素直に「ごめんね」と謝ることができた。
Q3. 友だち関係での安心感と信頼は?
- 特定の友だちと深い信頼関係を築き、安心して過ごしていた。
- グループ活動で、仲間の意見を聞き入れようとしていた。
- 困った時に友だちに相談し、助け合っていた。
- 自分の思いを友だちに受け入れてもらい、満足そうな表情をしていた。
- 友だちの成功を「すごいね」と心から喜んでいた。
Q4. 保育者との関わり(自立的な相談)は?
- 自分たちで解決できない時だけ、保育者にアドバイスを求めていた。
- 発見や喜びを共有しようと、「先生、来て!」と呼びに来た。
- 叱られた後、理由を理解して納得し、行動を改めていた。
- 甘えたい時はスキンシップを求め、安心すると活動に戻った。
- 保育者を信頼し、自分の考えを堂々と伝えていた。
Q5. 課題への取り組み(粘り強さ)は?
- 難しいこと(鉄棒や縄跳び)にも、諦めずに挑戦し続けていた。
- 失敗しても「もう一回やる」と前向きな言葉が出ていた。
- 最後までやり遂げた達成感を味わい、自信をつけていた。
- 友だちと励まし合いながら、課題に取り組んでいた。
- 集中して制作や活動に取り組み、満足いくまでやり込んでいた。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 戸外での運動能力(走る・跳ぶ)の向上は?
- リレーでバトンを落とさずに渡し、全力で走っていた。
- 縄跳び(走り跳び)に挑戦し、リズムよく跳べるようになった。
- 鬼ごっこで、フェイントを使ったり急停止したりして逃げていた。
- 登り棒や雲梯(うんてい)に挑戦し、腕の力で体を支えていた。
- 高いところから飛び降り、膝を使って衝撃を吸収していた。
Q2. 手指の巧緻性(道具の熟練)は?
- ハサミで複雑な線を切り抜き、制作に活用していた。
- 紐結び(蝶結び)に挑戦し、結ぼうと指先を使っていた。
- 雑巾を絞る時、手首をひねって固く絞ることができた。
- 折り紙を角と角をきっちり合わせて折り、難しい作品を作っていた。
- 鉛筆を正しく持ち、筆圧を調整して文字や絵を描いていた。
Q3. 集団遊びのルール理解と作戦は?
- ドッジボールのルール(内野・外野)を理解し、ゲームを進めていた。
- 「どうやったら勝てるか」をチームで作戦会議していた。
- ルール違反をした友だちに、理由を説明して注意していた。
- 審判役を自分たちで行い、公平に判断しようとしていた。
- 勝敗を受け入れ、「次は頑張るぞ」と意欲を燃やしていた。
Q4. 安全管理と危険予知は?
- 遊具の安全な使い方を守り、小さい子にも教えていた。
- 友だちとぶつからないように、周りを見て動いていた。
- 散歩中、交通ルール(右側通行、横断歩道)を自ら守っていた。
- 危険な場所には近づかず、安全な場所を選んで遊んでいた。
- 道具(ハサミなど)の受け渡しを、刃を自分に向けて行っていた。
Q5. 自分の体の状態への気づきは?
- 「疲れたから休む」と言って、ベンチで水分補給をしていた。
- 暑さで顔が赤くなっていることに気づき、涼しい場所に移動した。
- 怪我をした時、保育者に状況を説明し、処置を受けていた。
- 爪が伸びていることを気にしていた。
- 体調が悪い時、無理をせずに保育者に伝えていた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. 協同的な遊び(プロジェクト)の展開は?
- 砂場で川や山を作り、壮大な町を建設していた。
- 積み木でドミノ倒しを作り、みんなで成功を喜んでいた。
- 役割分担をして、お店屋さんごっこの準備を進めていた。
- 一つの目的に向かって、友だちと意見を出し合っていた。
- 「こいのぼり」の共同制作で、協力して作業していた。
Q2. 話し合いによるトラブル解決は?
- 意見が食い違った時、互いの言い分を聞き合っていた。
- 「じゃあ、ジャンケンで決めよう」と解決策を提案していた。
- 保育者に頼らず、自分たちで折り合いをつけようとしていた。
- 自分が悪かった時は素直に謝り、相手を許すことができた。
- 遊びのルールを自分たちで変更し、納得して遊んでいた。
Q3. リーダーシップとフォロワーシップは?
- 遊びの提案をし、みんなをまとめようとする姿が見られた。
- 友だちの意見に「いいね」と賛同し、協力していた。
- グループ活動で、自分の役割を責任を持って果たしていた。
- 困っている友だちがいると、助け舟を出していた。
- 遊びの中心になり、進行役を務めていた。
Q4. 年下の子や異年齢児への関わりは?
- 泣いている年少児を見つけ、頭をなでて慰めていた。
- 靴が履けない子を手伝い、優しく声をかけていた。
- 遊び方を教えてあげたり、玩具を貸してあげたりしていた。
- 「かわいいね」と言って、お世話を焼くことを喜んでいた。
- 異年齢交流で、お兄さん・お姉さんらしく振る舞っていた。
Q5. 公共心とマナーの意識は?
- 廊下を歩く時、静かに歩くマナーを守っていた。
- 使ったものを元の場所にきれいに片付けていた。
- 挨拶を自分から元気よく行い、気持ちの良い関係を作っていた。
- 共有の道具を大切にし、譲り合って使っていた。
- 順番待ちの列に並び、抜かさずに待てていた。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 初夏の自然(動植物)への探究心は?
- 図鑑を持って園庭に行き、見つけた虫や花の名前を調べていた。
- アリの巣の入り口を見つけ、餌を運ぶ様子を観察していた。
- 園庭の木の実や草花を使って、色水遊びやままごとをしていた。
- チョウチョの幼虫を見つけ、飼育ケースに入れて観察していた。
- 季節の変化(新緑、日差しの強さ)に気づき、言葉にしていた。
Q2. 栽培・飼育活動への責任感は?
- 夏野菜(トマト、キュウリ、ピーマン)の苗植えを丁寧に行っていた。
- 当番活動として、毎日水やりや生き物の世話をしていた。
- 「大きくなあれ」と声をかけ、生長を楽しみにしていた。
- 生き物を優しく扱い、命の大切さを感じていた。
- 野菜の花が咲いたことに気づき、友だちや保育者に知らせていた。
Q3. 数量・図形・時間への関心は?
- 時計を見て、「長い針が6になったら片付け」と分かっていた。
- グループの人数を数え、足りない椅子を用意していた。
- カレンダーを見て、「あと何日で遠足?」と数えていた。
- トランプや双六遊びで、数や数字に親しんでいた。
- 形(三角、四角)を組み合わせて、様々な形を作っていた。
Q4. 科学的な興味(観察・実験)は?
- 影踏み遊びをして、時間による影の向きや長さの変化に気づいていた。
- 鏡の反射を使って、光を動かして遊んでいた。
- 磁石につくものとつかないものを探し、分類していた。
- 砂の湿り具合による固まり方の違いに気づいていた。
- 色水を混ぜて、新しい色ができる実験を楽しんでいた。
Q5. 整理整頓や物の管理は?
- 玩具の片付け場所を正しく理解し、きれいに並べていた。
- 自分のロッカーの中を整理し、持ち物を大切に扱っていた。
- 落ちているゴミを見つけ、分別して捨てていた。
- 絵本を大切に扱い、破れているところを見つけると報告していた。
- 共有の玩具を独占せず、順番に使おうとしていた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 論理的な会話(理由・説明)は?
- 「~だから、~したい」と、理由を明確に話していた。
- 遊びのルールを、知らない友だちに言葉で説明していた。
- 過去の経験(GWの思い出など)を順序立てて話していた。
- 「もし~だったら」と、仮定の話を楽しんでいた。
- 相手の質問に対して、的確な答えを返していた。
Q2. グループでの話し合い(対話)は?
- 円になって座り、みんなの意見を聞こうとしていた。
- 手を挙げて発言し、自分の考えを伝えていた。
- 友だちの意見に「それいいね」と共感していた。
- 異なる意見が出た時、どうするかを話し合っていた。
- 決定したことを守り、協力して活動していた。
Q3. 語彙の豊かさと表現力は?
- 形容詞や副詞を使い、状況を詳しく描写していた。
- 気持ちを表す言葉(悔しい、ワクワクする)を使い分けていた。
- しりとりで、難しい言葉や長い言葉を使っていた。
- 丁寧語(です、ます)を使い、目上の人と話していた。
- 絵本に出てくる言葉を引用して、会話に使っていた。
Q4. 物語の理解と創造は?
- 長いお話を集中して聞き、登場人物の心情を想像していた。
- 続きのお話を自分で考えて、友だちに話していた。
- 紙芝居を見て、感想を自分の言葉で表現していた。
- 自分の体験を、物語のように面白おかしく話していた。
- 素話(絵のないお話)を聞いて、イメージを膨らませていた。
Q5. 文字の読み書きへの意欲は?
- 自分の名前をひらがなで書けるようになった。
- 友だちにお手紙を書き、「大好き」などの気持ちを伝えていた。
- 好きな絵本のタイトルを読もうとしていた。
- 五十音表に興味を持ち、指でなぞって読んでいた。
- 持ち物に名前が書いてあるか確認していた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(観察画・想像画)の表現は?
- 観察した花や虫の特徴を捉え、細かく描いていた。
- 楽しかった出来事(遠足、連休)を、画用紙いっぱいに描いていた。
- 人物の動き(走る、投げる)を意識して描けるようになった。
- 背景まで丁寧に塗り込み、画面全体を使っていた。
- 混色を楽しみ、自分だけの色を作って塗っていた。
Q2. 制作活動(工夫・構成)は?
- 廃材(空き箱など)を組み合わせ、設計図なしで立体物を作っていた。
- ハサミ、糊、テープ、ホッチキスなどを使い分け、工夫して作っていた。
- 折り紙で複雑な形(兜、動物)を折れるようになった。
- 友だちと協力して、大きなこいのぼり(共同制作)を作っていた。
- 完成した作品を大切にし、お家の人に見せたがっていた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- 曲の雰囲気に合わせて、歌い方や表情を変えていた。
- 友だちと動きを合わせて、ダンスや遊戯を楽しんでいた。
- 楽器(鍵盤ハーモニカなど)に興味を持ち、音を出していた。
- 替え歌を作ったり、即興で歌ったりしていた。
- ドレミの音階に興味を持ち、歌っていた。
Q4. 劇遊びや身体表現は?
- 役になりきって、大きな声でセリフを言っていた。
- 恥ずかしがらずに、みんなの前で表現できていた。
- 動物や乗り物の動きを、体全体で表現していた。
- 友だちと掛け合いを楽しみ、劇を作り上げていた。
- 衣装や小道具を身につけ、ごっこ遊びを盛り上げていた。
Q5. 感動や発見の表現は?
- 春の花を見つけ、「いい匂い」「きれい」と感動していた。
- 友だちの作品を見て、「上手だね」「すごいね」と褒めていた。
- できた喜びを全身で表現し、自信に満ちた顔をしていた。
- 自然の不思議さ(芽が出る、虫が脱皮する)に、驚きの声を上げていた。
- 絵本や物語に感動し、感情移入していた。



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