【1歳児5月】月齢別(低月齢・高月齢)|今の姿を引き出す観察質問リスト&文例集

5領域メーカー

1歳児クラスの5月は、ゴールデンウィーク(GW)という長期休暇を挟むことで、4月に積み上げた生活リズムがいったん崩れる「リセット期」です。 連休明けの再適応を経て、クラス全体が落ち着きを取り戻し、気候の良さを活かした戸外活動が活発になる時期でもあります。

もくじ

5月の特徴と観察ポイント

クラスにとってどんな時期?

連休明けは「登園渋り」や「泣き声」が一時的に戻りますが、それを乗り越えることで、保育者との信頼関係(アタッチメント)がより太く強固なものになります。クラス全体のリズムを再構築する大切な時期です。

子どもにとってどんな時期?

休み明けの疲れや家庭との生活差から、体調を崩したり、甘えん坊になったりします。しかし、情緒が安定してくると、心地よい風や自然物に誘われて「自分でやってみたい!」「触ってみたい!」という探索意欲が一気に開花します。

5月に特に観たい発達テーマ

  1. 生活リズムの再構築(連休明けの不安定さからの回復)
  2. 探索範囲の拡大(歩行の安定、戸外での自然物への興味)
  3. 「自分で」の芽生え(着脱や食事への興味)
  4. 模倣の始まり(保育者の動きや言葉を真似る)

1. 前半・低月齢(1歳0ヶ月~1歳5ヶ月頃)

【特徴】 歩行が安定し始め、視界が高くなることで好奇心が増します。一方で、連休明けは特定の保育者を強く求める「後追い」が再燃しやすい時期です。

🌿養護(生活・安心感)

🩷生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康)

Q1. 連休明けの「食欲」や「食べ方」の戻り方は?

  • 連休明けすぐは食欲にムラがあったが、リズムが戻ると完食できるようになった。
  • 手づかみ食べがさらに上手になり、小さなおかずも指先でつまんで食べていた。
  • 疲れから遊び食べをする姿が見られたが、声をかけると再び食べることに集中した。
  • 好きなメニュー(麺類など)の時は、スプーンを使おうとする意欲が見られた。
  • 完食した際、空っぽのお皿を保育者に見せて満足そうにしていた。

Q2. 睡眠(午睡)の質とリズムは安定していますか?

  • 4月当初よりも入眠までの時間が短くなり、一定時間まとめて眠れるようになった。
  • 連休明けは甘えて抱っこを求めていたが、トントンだけで安心して入眠できるようになった。
  • たっぷり戸外で遊んだ日は、給食中からうとうとするほど心地よい疲れを見せていた。
  • 物音で起きても、保育者の顔を見ると安心して再入眠できていた。
  • 起きた後の機嫌が良く、自分から布団を出て遊び始めていた。

Q3. 排泄やオムツ替えへの反応は?

  • オムツが濡れると、保育者の顔を見て「アー」と声を出し、不快感を伝えようとしていた。
  • オムツ交換できれいになると、ニコニコして足をバタつかせていた。
  • 遊びを中断されるのを嫌がったが、新しいオムツを持つと喜んで横になってくれた。
  • 排便があった際、お尻を指差して保育者に知らせようとしていた。
  • 交換台の上で、保育者と「こちょこちょ」などの触れ合いを楽しんでいた。

Q4. 気温差への対応や、体調の変化は?

  • 季節の変わり目で鼻水が出ることはあったが、発熱はなく元気に登園した。
  • 汗ばむ陽気の日には水分補給を喜び、コップを持ってゴクゴクと飲んでいた。
  • 疲れが出やすい週末は、早めに休息を取るなどゆったり過ごした。
  • 気温の上昇に合わせて薄着になり、動きやすそうに活動していた。
  • 鼻水が出ると、ティッシュの箱を指差して拭いてほしいと訴えていた。

Q5. 着脱(身の回りのこと)への協力は?

  • ズボンを履く際、保育者が足を通すと、自分で引き上げようとする仕草が見られた。
  • 帽子を被せてもらうと、嬉しそうに鏡を見に行っていた。
  • 靴下を脱ごうとして、つま先を引っ張る姿が見られた。
  • 袖を通す時に、「バンザイ」の声かけに合わせて腕を伸ばしていた。
  • 食事エプロンをつけると、「マンマ」と言って食事の席に向かっていた。

💚情緒の安定(愛着・再形成)

Q1. GW明けの登園時(分離)の様子は?

  • 連休明けの数日は泣いて登園したが、保育者に抱かれるとすぐに落ち着いた。
  • 思い出して泣くこともあったが、窓の外や玩具に興味を向けると泣き止んだ。
  • 休み明けでも泣かずに登園し、保育者の顔を見ると笑顔を見せていた。
  • 保護者の姿が見えなくなるまで目で追っていたが、納得すると遊び始めた。
  • 「行ってきます」のバイバイができるようになった。

Q2. 特定の保育者への「後追い」や「再確認」は?

  • 姿が見えなくなると不安そうに後追いをするが、目が合うと安心して遊びに戻っていた。
  • 甘えたい時は保育者の足元にしがみつき、抱き上げられると満足そうにしていた。
  • 保育者の膝の上を「安全基地」にして、周囲の様子を観察していた。
  • 遊びの合間に何度も振り返り、保育者が見ているかを確認していた。
  • 他の保育者に抱っこされても泣かず、少しずつ人間関係が広がっている様子が見られた。

Q3. 不安な時、どうやって気持ちを立て直していますか?

  • 不安な時に指しゃぶりやタオルの匂いを嗅ぐなどして、自分で落ち着こうとしていた。
  • 泣いてしまっても、抱っこで背中をさするとすぐに呼吸が整った。
  • 好きな絵本を見せると涙が止まり、指差しをして楽しみ始めた。
  • 「お外行くよ」と誘うと、期待感から笑顔に切り替わった。
  • 友だちが遊んでいる楽しそうな声を聞いて、自然と遊びの輪に入っていった。

Q4. 自分の「快・不快」や要求をどう表現していますか?

  • 抱っこを求め、自分から両手を差し出してアピールしていた。
  • 嫌なことがあると体を反らして拒否し、全身で気持ちを伝えていた。
  • 欲しい玩具を指差し、「アー!アー!」と大きな声で要求していた。
  • 眠くなると目をこすり、自分の布団の方へ行こうとしていた。
  • 楽しい時に手を叩いたり、足を踏み鳴らしたりして全身で喜びを表していた。

Q5. ひとり遊び(没頭する時間)は増えましたか?

  • 保育者が見守る中で、お気に入りの玩具に向かって集中して遊ぶ時間が増えた。
  • ポットン落としなどの繰り返し遊びを、飽きずに何度も楽しんでいた。
  • 絵本のページを自分でめくり、じっと見入る姿が見られた。
  • 近くに保育者がいれば、少し離れた場所までハイハイや歩行で探索に行けるようになった。
  • 箱の中身を出したり入れたりして、一人で実験のような遊びをしていた。

🌸五領域(感覚・探索)

🩵健康(身体機能・運動)

Q1. 歩行の安定感やスピードはどうですか?

  • 伝い歩きから手を離して立つ時間が長くなり、一歩を踏み出そうとしていた。
  • 歩行が安定し、靴を履いて園庭の平らな場所を嬉しそうに歩き回っていた。
  • 小走りができるようになり、保育者を追いかけて楽しんでいた。
  • 転んでも手をついて身体を守り、泣かずにすぐに立ち上がっていた。
  • 手を繋いで歩くことを喜び、散歩車から降りて歩こうとしていた。

Q2. 探索の手段(ハイハイ・よじ登り)の変化は?

  • ハイハイのスピードが上がり、目的の場所まで素早く移動していた。
  • 段差のある場所では、手をついて慎重にお尻から降りようとしていた。
  • 低い巧技台によじ登り、少し高い視点からの景色を楽しんでいた。
  • マットの山を乗り越える際、手足に力を入れて踏ん張っていた。
  • 狭いトンネルの中を怖がらずに進み、出口で笑顔を見せていた。

Q3. 手指を使った微細な動きは?

  • 砂場の砂をギュッと握ったり、指の間からサラサラと落としたりして感触を楽しんでいた。
  • 小さなゴミや石を見つけると、親指と人差指で上手につまんで保育者に見せてくれた。
  • ペットボトルのキャップを掴んで、カゴに入れたり出したりしていた。
  • 摘んだ花を大事そうに持ち、潰さないように力加減をしていた。
  • シールを台紙から剥がそうと、指先を細かく動かして集中していた。

Q4. 戸外での全身運動の様子は?

  • 散歩車に乗って外気浴をし、揺れを心地よさそうに感じていた。
  • 広い芝生の上をハイハイや歩行で動き回り、開放感を味わっていた。
  • ボールを「えいっ」と投げる真似や、追いかける動作を楽しんでいた。
  • 砂場に座り込み、スコップを持って砂を叩いたり掘ったりしていた。
  • 滑り台の下から見上げ、興味深そうに観察していた。

Q5. 身体感覚(バランス・感覚)の発達は?

  • 音楽に合わせて体を揺らしたり、手を叩いたりしてリズムをとっていた。
  • 抱っこでグルグル回ると、目を回す感覚を楽しんで「キャッキャ」と笑っていた。
  • 芝生のチクチクした感触に驚いて足を縮めたが、慣れると手で触って確かめていた。
  • 風が吹くと立ち止まり、髪がなびく感触や音を感じていた。
  • スロープを上り下りし、足裏で傾斜を感じながらバランスを取っていた。

🧡人間関係(人への興味)

Q1. 保育者との「やり取り」を楽しんでいますか?

  • 名前を呼ぶと「はーい」と言わんばかりに手を挙げたり、笑顔で振り返ったりした。
  • 「どうぞ」「ありがとう」のやり取りが分かり、玩具の受け渡しを楽しんでいた。
  • 保育者と「いないいないばあ」をして、繰り返し笑い合っていた。
  • 絵本を持ってきて膝に座り、読んでもらうことを要求していた。
  • 保育者の真似をして、手を振ったりお辞儀をしたりしていた。

Q2. 友だちへの関心や接触は?

  • 友だちが泣いていると顔を覗き込み、心配そうな表情を浮かべていた。
  • 友だちが遊んでいる玩具に興味を持ち、手を伸ばして触れようとしていた。
  • 友だちの顔を触ろうとしたり、髪を引っ張ろうとしたりして興味を示していた(要仲立ち)。
  • 友だちが笑っているとつられて笑い、楽しさを共有していた。
  • 近くにいる友だちにおもちゃを「はい」と渡そうとする姿が見られた。

Q3. 集団の中での姿は?

  • 朝の会で名前を呼ばれると、保育者の方を注目していた。
  • みんなが歌っていると、手を叩いて参加しようとしていた。
  • 散歩車の中で、隣の友だちと顔を見合わせて笑い合っていた。
  • 給食の準備が始まると、自分のエプロンが配られるのを待っていた。
  • 友だちが集まっている場所に行き、何をしているのか覗き込んでいた。

Q4. 人見知りや場所見知りの変化は?

  • 散歩先で地域の人に会うと、恥ずかしそうに保育者の後ろに隠れていた。
  • 慣れない場所では固まっていたが、保育者がそばにいると少しずつ動き出した。
  • 園長先生など、部屋に入ってきた他の職員に興味を持って近づいていった。
  • 初めて会う実習生に対して、最初は警戒していたが玩具を通して打ち解けた。
  • 誰にでもニコニコと愛想よく振る舞い、手を振って挨拶していた。

Q5. 愛着対象(特定の大人)の広がりは?

  • 担任以外の保育者にも抱っこを求め、受け入れられると安心していた。
  • 早朝・延長保育の時間帯でも、馴染みの先生を見つけて落ち着いて過ごせた。
  • 困ったことがあると、一番近くにいる大人に助けを求めていた。
  • 好きな遊びを通して、いろいろな保育者と関わろうとしていた。
  • 担任の姿が見えなくても、声が聞こえると安心している様子だった。

💛環境(自然・物・安全)

Q1. 自然物(虫・草花)への気づきは?

  • アリが歩いているのを見つけると、指差しをして「あ!」と興奮して知らせてくれた。
  • タンポポの綿毛を「ふー」と吹く真似をして楽しんでいた。
  • 飛んでいる蝶を目で追い、指差しをして保育者に教えてくれた。
  • ダンゴムシを怖がらずに触ろうとし、丸まる様子をじっと見ていた。
  • 木の葉っぱをちぎって、感触や音を楽しんでいた。

Q2. 音や言葉への反応は?

  • 鳥の鳴き声や飛行機の音に気づき、空を見上げて探していた。
  • 「おいで」「ないない」などの簡単な言葉を理解し、行動に移していた。
  • 絵本に出てくる動物を指差し、「ワンワン」など知っている言葉を言っていた。
  • 自分の名前が呼ばれるのが分かり、反応するようになった。
  • 歌に合わせて「アー」「ウー」と声を出し、一緒に歌っているつもりになっていた。

Q3. 玩具の操作や探索の変化は?

  • くるくる回る玩具(風車やタイヤ)に興味を持ち、指で回して動きを楽しんでいた。
  • 引っ張ると動くプルトイを連れて、部屋中を歩き回っていた。
  • 箱の蓋を開け閉めすることに夢中になり、仕組みを確かめていた。
  • 積み木を2つ3つ積もうとし、崩れるとまた積むことを繰り返していた。
  • 鏡に映った自分の顔を見て、不思議そうに触ったり笑ったりしていた。

Q4. 見立て・つもり遊びの芽生えは?

  • コップを持って飲む真似をし、「プハー」と言って楽しんでいた。
  • 電話の玩具を耳に当て、「もしもし」のような喃語を話していた。
  • 布を頭に被って「いないいないばあ」を一人で楽しんでいた。
  • 人形の髪をとかす真似など、日常の動作を再現しようとしていた。
  • 食べ物の玩具を保育者の口元に運び、食べさせようとしていた。

Q5. 安全・危険への意識は?

  • 「ダメ」と強い口調で言われると、手を引っ込めて保育者の顔を見ていた。
  • 段差の前で立ち止まり、降りられるか確認するように下を見ていた。
  • 熱いものや痛いものに対して、慎重に近づく姿が見られた。
  • 転ばないように、手をついてバランスを取ろうとしていた。
  • 友だちとぶつかりそうになると、立ち止まって避けることができた。

💚言葉(発声・理解)

Q1. 意味のある言葉(一語文)は出てきましたか?

  • 「マンマ」「ブーブー」など、知っているものの名前を言おうとしていた。
  • 「バイバイ」と言いながら手を振り、言葉と動作が結びついていた。
  • 欲しいものを指差し、「これ」と言って要求していた。
  • 散歩中に犬を見つけて「ワンワン」と教えてくれた。
  • 美味しい時に「ウマウマ」と言っていた。

Q2. 喃語(なんご)や発声の変化は?

  • 「アーウー」「ダダダ」など、声のトーンを変えておしゃべりを楽しんでいた。
  • 保育者の目を見て、何かを訴えるように一生懸命声を出していた。
  • 嬉しい時に「キャー!」と大きな声を出し、感情を表現していた。
  • 独り言のように長いフレーズを喋っていることがあった。
  • 歌のリズムに合わせて声を出していた。

Q3. 大人の言葉の理解度は?

  • 「おいで」と呼ばれると、ニコニコして近づいてきた。
  • 「ないない(片付け)」と言うと、玩具を箱に入れようとしていた。
  • 「ちょうだい」と手を出すと、持っているものを渡してくれた。
  • 「ダメ」と言われると、手を止めて顔を見ていた。
  • 「ご飯だよ」と言うと、嬉しそうに手を叩いていた。

Q4. 指差しでのコミュニケーションは?

  • 遠くにある興味のあるものを指差し、保育者と共有しようとしていた。
  • 絵本の中の動物を指差し、「ワンワン」と保育者の顔を見て確認していた。
  • 欲しいおやつを指差し、自分の意思をはっきりと伝えていた。
  • 空を飛ぶ飛行機を見つけ、指を差して教えてくれた。
  • 「どっち?」と聞くと、好きな方を指差して選んでいた。

Q5. 呼名(名前を呼ばれること)への反応は?

  • 名前を呼ばれると「はーい」と手を挙げて返事をしようとしていた。
  • 自分の名前が呼ばれたことが分かり、振り向いて保育者を見ていた。
  • 友だちの名前が呼ばれると、その子の方を見る姿があった。
  • 自分のマークやロッカーを理解し、指差していた。
  • 名前を呼ばれると、嬉しそうに駆け寄ってきた。

💜表現(感情・感性)

Q1. 音楽やリズムへの反応は?

  • ピアノの音が聞こえると体を揺らし、リズムを感じて楽しんでいた。
  • 歌に合わせて「アー」「ウー」と声を出し、一緒に歌っているつもりになっていた。
  • 手遊びが始まると、保育者の動きを真似て手を動かそうとしていた。
  • 音楽が止まると動きを止め、「あれ?」という顔をしていた。
  • リトミックの音に合わせて、床を叩いたり揺れたりしていた。

Q2. 全身を使った感情表現は?

  • 楽しい時に手を叩いたり、足を踏み鳴らしたりして全身で喜びを表していた。
  • 嫌な時は体を反らして泣き、全身で拒否を表現していた。
  • 驚いた時に目を見開き、保育者の顔を見て「あっ!」と声を上げていた。
  • 悔しい時に床に寝転がり、手足をバタバタさせていた。
  • 嬉しい時に保育者に抱きつき、喜びを共有しようとしていた。

Q3. 模倣(まねっこ)遊びの始まりは?

  • 保育者が手を振ると振り返し、お辞儀をするとお辞儀を返していた。
  • 電話の玩具を耳に当て、「もしもし」のような仕草をしていた。
  • 布を頭に被って「いないいないばあ」を一人で楽しんでいた。
  • 保育者が笑うとつられて笑い、表情を真似していた。
  • 手をパチパチ叩くと、真似して叩こうとしていた。

Q4. 感触や感覚の表現は?

  • 砂や水を触って「冷たい」「気持ちいい」といった表情を見せていた。
  • フワフワしたぬいぐるみを抱きしめ、頬ずりして感触を楽しんでいた。
  • 食べたものが美味しくて、ニコニコしながら体を揺らしていた。
  • 芝生のチクチクを嫌がり、足を縮めて表現していた。
  • 風船の感触を楽しみ、ギュッと握ったり叩いたりしていた。

Q5. 描画や造形への興味は?

  • クレヨンを握り、紙の上でトントンと叩いて色がつくのを楽しんでいた。
  • シールを手に取り、指にくっつく感触を不思議そうに見ていた。
  • 新聞紙をビリビリと破き、音や感触の変化を楽しんでいた。
  • 粘土を指でつんつん触り、柔らかさを確かめていた。
  • 描いた線を見て、何か言葉を発していた。

2. 後半・高月齢(1歳6ヶ月~1歳11ヶ月頃)

【特徴】 歩行が安定し行動範囲が広がります。「自分で!」という自我の芽生えや、簡単な言葉でのやり取りが出始める時期です。

🌿養護(生活・自我)

🩷生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康)

Q1. 「自分で食べたい」という意欲や、道具の使い方は?

  • スプーンを下握りで持ち、こぼしながらも自分で口に運ぼうと頑張っていた。
  • 「自分で!」と言って介助を拒否し、最後まで一人で食べきろうとしていた。
  • 食具を使うことに疲れると手づかみに戻るが、意欲的に食べている。
  • コップを片手で持ち、適量を飲んでテーブルに戻すことができた。
  • 苦手なものも、励まされると頑張って一口食べていた。

Q2. 好き嫌いや「選り好み」はありますか?

  • 苦手な野菜を指でつまみ出したり、好きなものだけ先に食べたりと選り好みが見られた。
  • 最初は警戒していたメニューも、保育者が食べて見せると口に運んでいた。
  • 「これイヤ」と皿の端に寄せ、意思表示をしていた。
  • 好きなメニューだと分かると、手を叩いて喜んでいた。
  • 友だちが食べているのを見て、自分も食べようとしていた。

Q3. 着替えや準備の時、自分でやろうとする仕草は?

  • ズボンを履く際、自分で足を入れようと一生懸命バランスを取っていた。
  • 「帽子ポン」と言うと、自分で頭に乗せようとする姿が見られた。
  • 靴のマジックテープを自分で剥がそうと指先を使っていた。
  • 脱いだ服を自分のカゴに入れようとしていた。
  • 食事の後、エプロンを外そうと引っ張っていた。

Q4. 排泄の感覚(不快感・予告)は出てきていますか?

  • オシッコが出た後、オムツを叩いて「出た」と教えてくれた。
  • トイレに興味を持ち、友だちが行くときに一緒に行こうとしていた。
  • お昼寝の前にトイレに座り、排尿に成功して喜んでいた。
  • 「チッチ」と言葉で伝え、トイレに行きたい意思を示していた。
  • オムツ交換を嫌がらず、新しいオムツを自分で履こうとしていた。

Q5. 体力や睡眠のリズムは安定していますか?

  • 午前中にたくさん体を動かしたため、給食中にウトウトするほど眠気が来ていた。
  • 体力がついてきて、午睡まで機嫌よく遊び続けることができた。
  • 自分の布団を見つけて、ゴロンと横になり休息をとっていた。
  • 目覚めが良く、起きてすぐにトイレに行ったりお茶を飲んだりしていた。
  • 疲れが見える時は、部屋の隅で静かに絵本を見て過ごしていた。

💚情緒の安定(自己主張・安心基地)

Q1. 自分の思い通りにならない時、どんな風に気持ちを出していますか?

  • 遊びを切り上げると怒ってひっくり返り、全身で拒否感を表現していた。
  • 「イヤ!」とはっきり言葉に出して、自分の意思を主張していた。
  • 物を投げようとしたが、保育者の目を見て思いとどまっていた。
  • 泣いて怒った後、抱っこを求めて気持ちを落ち着かせていた。
  • 友だちと喧嘩して泣いたが、「ごめんね」と言われると許していた。

Q2. 不安な時の「安全基地(戻る場所)」としての行動は?

  • 不安になると一度保育者の所へ戻って抱っこを求め、安心するとまた遊びに出かけていった。
  • 部屋の隅で様子を伺っていたが、名前を呼ぶと笑顔で駆け寄ってきた。
  • 困った顔をして保育者の方を振り返り、助けを求めていた。
  • 知らない人が来ると、保育者の足にしがみついていた。
  • 散歩中に不安になると、強く手を握り返してきた。

Q3. 甘えたい時と遊びたい時のメリハリはありますか?

  • 眠くなると甘えん坊になり、保育者の膝の上から離れようとしなかった。
  • 遊びに集中している時は、保育者の姿が見えなくても平気で過ごしていた。
  • 「抱っこ」と言葉で甘え、十分に満たされると離れていった。
  • 登園時は泣いても、すぐに遊びに気持ちを切り替えていた。
  • 着替えを「やって」と甘えたが、次は自分でやろうとしていた。

Q4. 気持ちの切り替えはスムーズですか?

  • 泣いても「お外行くよ」の声かけでピタッと泣き止み、靴を取りに行っていた。
  • なかなか気持ちが切り替わらず、抱っこで落ち着くまでに時間がかかった。
  • 好きな手遊びが始まると、涙を拭いて参加していた。
  • 「あと一回ね」という約束をして、納得して滑り台を終わりにできた。
  • 嫌なことがあった後、一人で静かな場所に行きクールダウンしていた。

Q5. 新しい環境への慣れはどうですか?

  • 最初は緊張していたが、好きな玩具を見つけてからは笑顔が増えてきた。
  • まだ朝の別れ際は泣いてしまうが、保育者に抱かれるとすぐに遊び始めている。
  • 新しい遊具に興味を持ち、慎重に近づいて触っていた。
  • 担任以外の保育者にも慣れ、笑顔で挨拶していた。
  • 部屋の模様替えに気づき、「あ!」と指差して確認していた。

🌸五領域(行動・意欲)

🩵健康(運動・活動)

Q1. 歩行や走る動作の安定感はどうですか?

  • 安定した足取りで小走りを楽しみ、追いかけっこをして喜んでいた。
  • 転んでも手をついて身体を守り、すぐに立ち上がっていた。
  • 両足でジャンプしようと、膝を曲げてタイミングを計っていた。
  • 後ろ歩きや横歩きなど、いろいろな歩き方を試していた。
  • 音楽に合わせて、その場で足踏みをしたり回ったりしていた。

Q2. 難しい場所(段差・傾斜)への挑戦意欲は?

  • 園庭の築山(斜面)に興味を持ち、手足を使って登ろうと挑戦していた。
  • 階段の上り下りを楽しみ、慎重に足を運んでいた。
  • 低い平均台の上を、保育者と手を繋いで渡りきった。
  • 鉄棒にぶら下がり、足を浮かせてぶらぶらすることを楽しんでいた。
  • トンネルくぐりで、四つん這いになって素早く通り抜けていた。

Q3. 散歩の時、手をつないで歩けますか?

  • 保育者と手を繋ぎ、短い距離であれば列になって歩くことができた。
  • 興味のあるものを見つけると手を離そうとするが、注意されると繋ぎ直していた。
  • 友だちと手を繋ぐことを喜び、「ギュッ」と言いながら歩いていた。
  • 信号待ちで立ち止まり、「赤だね」と言って待つことができた。
  • 散歩車のふちを持って、一緒に歩こうとしていた。

Q4. 全身を使ったダイナミックな遊びを楽しんでいますか?

  • ボールを「えいっ」と言いながら投げたり、足で蹴ろうとしたりしていた。
  • マットの上でゴロゴロと転がり、全身で回転する感覚を楽しんでいた。
  • ダンボールの車に入り、足で蹴って進もうとしていた。
  • リズム体操で、腕を大きく振ったりしゃがんだりしていた。
  • 巧技台からのジャンプに挑戦し、着地できると喜んでいた。

Q5. 手指の巧緻性(道具の使用)は?

  • スコップで砂をすくい、カップに入れる動作が上手になった。
  • クレヨンをしっかり握り、力強い線を描いていた。
  • 洗濯バサミをつまんで、指先に力を入れて開こうとしていた。
  • シールを台紙から剥がし、狙った場所に貼ることができた。
  • パズルのピースを回して、形を合わせてはめ込んでいた。

🧡人間関係(他児との関わり)

Q1. お友だちへの興味や関心はどうですか?

  • 友だちの顔を覗き込んだり、頭をなでようとしたりして関わろうとしていた。
  • 友だちが笑っているとつられて一緒に笑い、楽しさを共有していた。
  • 名前を呼んで、友だちの気を引こうとしていた。
  • 泣いている友だちがいると、心配そうに保育者に知らせに来た。
  • 友だちの持っているものを指差し、「一緒」と言って喜んでいた。

Q2. 「物の取り合い」やトラブルの時の様子は?

  • 友だちが持っている玩具を欲しがり、「あー!」と指差して主張していた。
  • 玩具を取られて泣いてしまったが、保育者が仲立ちすると代わりの玩具で納得した。
  • 「貸して」と言えず手が出てしまったが、「ごめんね」と頭をなでていた。
  • 自分の玩具を守ろうと、背中を向けて隠していた。
  • 保育者に「取られた」と言いつけに来て、助けを求めていた。

Q3. 友だちと同じ遊び(並行遊び)をしていますか?

  • 友だちが遊んでいる横に座り、同じブロックを持って遊ぶ姿が見られた。
  • 友だちの後ろをついて歩き、同じ動作をして楽しんでいた。
  • 砂場で一緒に山を作り、なんとなく協力している雰囲気だった。
  • 「まてまてー」と言いながら、友だちと追いかけっこをしていた。
  • 絵本コーナーで並んで座り、それぞれ本を読んでいた。

Q4. 保育者の真似(模倣)をしようとしますか?

  • 保育者が雑巾がけをしていると、真似をして床を拭く仕草をしていた。
  • 手洗いの手順を真似て、手をこすり合わせようとしていた。
  • ピアノを弾く真似をして、テーブルを指で叩いていた。
  • 帰りの会の歌に合わせて、お辞儀をしたり手を振ったりしていた。
  • 「シーッ(静かに)」というポーズを真似して、口に指を当てていた。

Q5. 他者への優しさや共感の芽生えは?

  • 転んだ友だちを見て「いたいいたい」と言い、心配していた。
  • 年下の子(0歳児)の頭を優しくなでようとしていた。
  • 保育者が「痛い」と言うと、心配して「大丈夫?」という顔で見ていた。
  • 自分が持っていたお菓子を「どうぞ」と渡す真似をしていた。
  • 泣いている子に、自分の好きな玩具を渡して励まそうとしていた。

💛環境(自然・物・数量)

Q1. 自然物や生き物への興味は?

  • アリやダンゴムシを見つけると、指差して保育者に知らせ、じっと観察していた。
  • 砂場遊びで、カップに砂を入れたり出したりして感触を楽しんでいた。
  • 落ち葉を拾い集め、大きさや色の違いに気づいているようだった。
  • 水たまりにわざと入り、水が跳ねる様子を楽しんでいた。
  • ちょうちょを追いかけて、飛んでいく先を目で追っていた。

Q2. 玩具の仕組みや操作への興味は?

  • 積み木を積む、型はめをするなど、目的に合わせた操作を楽しんでいた。
  • ミニカーを走らせながら、タイヤが回る様子を見ていた。
  • 蓋を開け閉めしたり、回したりして、どうなるか試していた。
  • 楽器を振ったり叩いたりして、音の違いを楽しんでいた。
  • パズルがうまくはまらない時、向きを変えて試行錯誤していた。

Q3. 数量や大きさへの気づきは?

  • 「いっぱい」と言って、たくさんの積み木を集めていた。
  • 「大きい」「小さい」と言いながら、ボールを選んでいた。
  • お菓子がなくなると「ないない」と言って、空になったことを伝えていた。
  • 階段の数を「いち、に」と数える真似をしていた。
  • 友だちと自分の靴を比べて、大きさの違いを見ていた。

Q4. 季節や天候への関心は?

  • 雨が降っているのを見て「アメ」と言い、傘を差す真似をしていた。
  • 風が吹くと「寒い」と言って、体をすくめていた。
  • 花壇の花を見て「きれい」と言い、匂いを嗅ごうとしていた。
  • 太陽が眩しくて、手で顔を覆っていた。
  • 散歩中に鳥の鳴き声を聞き、木の上を探していた。

Q5. 空間認識や場所への理解は?

  • 自分のマーク(ロッカーなど)を覚え、荷物を入れようとしていた。
  • 「トイレ行く」と言って、トイレの場所に向かっていた。
  • 狭いトンネルをくぐる際、頭をぶつけないように低くしていた。
  • 隠れん坊をして、見つからないように隠れていた。
  • 片付けの時間になると、玩具を元の場所に戻そうとしていた。

💚言葉(やりとり・理解)

Q1. 言葉で何を伝えようとしてくれますか?

  • 「ワンワン、いた」「ママ、ブーブー」などの二語文で、発見した喜びを共有しようとしていた。
  • 「お茶、ちょうだい」と言って、具体的な要求を伝えていた。
  • 「痛い」と言って、怪我をした場所を指差していた。
  • 「抱っこ」と言葉で甘え、安心感を求めていた。
  • 「バイバイ」と言いながら手を振り、挨拶をしていた。

Q2. 大人の言葉(指示)の理解度は?

  • 「ゴミないないして」「靴持ってきて」などの簡単な指示を理解して動けていた。
  • 「お片付けだよ」と言うと、玩具を箱に入れようとしていた。
  • 「座ってね」と言うと、椅子に座って待つことができた。
  • 「帽子かぶろう」と言うと、自分の帽子を取りに行っていた。
  • 名前を呼ばれると、「はーい」と返事をしたり手を挙げたりしていた。

Q3. 語彙(ごい)の広がりは?

  • 絵本を見て、知っているものの名前を言ったり指差したりしていた。
  • 友だちの名前を呼び、一緒に遊ぼうとしていた。
  • 食べ物の名前を覚え、「バナナ」「パン」などと言っていた。
  • 乗り物の名前を詳しく言い、「救急車」「バス」などを区別していた。
  • 色の名前(赤、青)を言おうとしていた。

Q4. オウム返しや模倣発語は?

  • 大人の言葉をオウム返し(真似して発音)しようとしていた。
  • 「おいしい?」と聞くと「おいしい」と答えていた。
  • 歌の歌詞の一部を覚え、一緒に歌おうとしていた。
  • 挨拶の言葉「おはよう」「さようなら」を真似して言っていた。
  • 動物の鳴き声を真似して、「ニャーニャー」と言っていた。

Q5. 非言語的なコミュニケーションは?

  • 自分の気持ちを表情や身振りで伝えようとしていた。
  • 首を振って「イヤ」という気持ちを表していた。
  • 嬉しい時に飛び跳ねたり、拍手をしたりしていた。
  • 指差しをして、共感を求めていた。
  • 保育者の顔色を伺い、行動を決めているようだった。

💜表現(創造・感性)

Q1. 歌やリズム遊びへの反応は?

  • 知っている歌の語尾やフレーズを一緒に歌おうとしていた。
  • 曲に合わせて体を揺らし、楽しそうに踊っていた。
  • 手遊びの振りを覚え、保育者と一緒にやっていた。
  • リズムに合わせてジャンプしたり、止まったりしていた。
  • 楽器を鳴らし、音が出ることを楽しんでいた。

Q2. 描画や制作活動への興味は?

  • クレヨンを持って、点や線を描く(なぐり描き)ことを楽しんでいた。
  • 「アンパンマン描いた」と言って、描いたものに意味づけをしていた。
  • シール貼りに集中し、指先を使って貼ることを楽しんでいた。
  • 糊の感触を楽しみ、紙に塗って貼っていた。
  • 新聞紙をビリビリと破り、音や感触の変化を楽しんでいた。

Q3. ごっこ遊び(見立て遊び)の広がりは?

  • 「あった」「これ何?」と、発見したものへの興味を大人と共有しようとしていた。
  • おままごとの道具に見立てて(飲む真似など)遊ぶ姿があった。
  • ブロックを電話に見立てて、「もしもし」と話していた。
  • 人形をおんぶして、あやす真似をしていた。
  • 車の玩具を走らせ、「ブーン」と効果音をつけていた。

Q4. 感情の表現方法は?

  • 「できた!」と保育者にアピールして共感を求めた。
  • 嬉しい時に満面の笑みで、体全体で喜びを表現していた。
  • 悔しい時に地団駄を踏み、全身で感情を出していた。
  • 驚いた時に目を見開き、「あっ!」と声を上げていた。
  • 悲しい時に涙を流し、慰めてもらうのを待っていた。

Q5. 感触や素材への反応は?

  • 砂や泥の感触を楽しみ、手でこねたり握ったりしていた。
  • フワフワした布を顔に当て、気持ちよさそうにしていた。
  • 水の冷たさに驚きながらも、何度も触ろうとしていた。
  • プチプチ(気泡緩衝材)を潰す感触を楽しんでいた。
  • 粘土の柔らかさを感じ、指で押したりちぎったりしていた。

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