【第1章-3】「教える」も「揃える」もNG!?指針が示す『保育の方法』はRPGに学べ!

世界一わかりやすい保育指針

【導入:あなたのクラスは「軍隊」ですか?】

「はい、みんな同じことしてー!」
「先生の言う通りに動いてー!」

もし、これが「良い保育」だと思っているなら、あなたの時計は昭和で止まっています。
それは保育園ではなく、「クローン人間の製造工場」です。

保育所保育指針の「保育の方法」には、これとは真逆のことが書かれています。
目指すのは、「自分で考えて動く、個性バラバラな子どもたち」

今日は、指針が求める「究極の保育メソッド」を、A(主体性)とB(個性)の2つの視点から攻略します。


1. 先生は「指揮官」じゃない。「ゲームクリエイター」になれ

まず、指針には「環境を通して…主体的に…」と書かれています。
これは、「先生が命令して動かすな」という意味です。

【超訳】
「やりなさい」と言うな。「やりたくてたまらないオモチャ」を、そっと置いておけ!

【マリオのステージを作れ】

スーパーマリオを思い出してください。
プレイヤーは誰に言われなくても、コインを取りに行くし、穴があればジャンプします。
なぜか?「そこにコインがあるから」です。

保育士の仕事は、子どもに「ジャンプしなさい!」と叫ぶことではありません。
「ここでジャンプしたくなるようなブロック」を配置すること(環境構成)です。

「指示待ち人間(ロボット)」を作る一番簡単な方法は、先回りして答えを言うこと。
逆に、「黒子(くろこ)」に徹して、子どもが勝手に遊び出すのを待つのが、指針流の「方法」です。


2. クラスは「RPGのパーティ」だと思え

次に、指針には「一人一人の発達過程に即した…」とあります。
これは、「みんな一緒じゃなくていい」という強力なメッセージです。

クラスの子どもたちを、RPG(ロールプレイングゲーム)のキャラクターだと思ってください。

  • Aくん: 体力無限の「戦士タイプ」。じっとしていると死ぬ。
  • Bちゃん: 知力高めの「魔法使いタイプ」。運動は苦手だけど、パズルは天才。
  • Cくん: 運と愛嬌だけの「遊び人タイプ」。いるだけで場が和む。

これを全員「戦士」にしようとするから、保育が辛くなるんです。
魔法使いに「剣を振れ(走り回れ)!」と怒ったり、戦士に「本を読んで呪文を覚えろ(じっと座れ)!」と強要するのはナンセンス。

【超訳】
サボテンとヒマワリを同じ水やりで育てたら、どっちか枯れるぞ!

「みんなと一緒」である必要はありません。
「その子のキャラ設定(ステータス)を生かしたパーティを組む」のが、プロの技です。


3. 結論:私たちは「ゲームマスター」である

「保育の方法」をまとめると、こうなります。

  1. 【環境】 子どもが自分で動きたくなるステージを用意する。
  2. 【個性】 キャラクターごとの特性(個人差)を見極める。
  3. 【黒子】 プレイヤーが動いている時は、余計な口出しをしない。

まさに、私たちはこのゲームをコントロールする「ゲームマスター」です。

クラスを見渡して、バラバラなことをしている子どもたちを見て、
「あーあ、まとまりがないなぁ」と嘆くのではなく、
「おっ、今日も個性豊かに、それぞれのクエストを攻略してるねぇ!」とニヤリと笑う。

それが、指針を理解した保育士の余裕です。

【明日の一手】

明日は、子どもに何か指示を出そうとしたら、「3秒」待ってみてください。
そして、あえて「みんなと違う動き」をしている子を見たら、「なるほど、君はそういうキャラか」と心の中で認定してあげてください。

それだけで、保育はもっと面白く、楽になります。

次回のテーマは「(4)保育の環境」。散らかった部屋は心の乱れ!?環境の秘密に迫ります!)

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