【導入:養護って、地味だと思ってない?】
もくじ
ついに第2章「保育の内容」に突入です。
そのトップバッターは「養護(ようご)」。
正直なところ、心のどこかでこう思っていませんか?
- 教育 = 歌を教えたり、製作をしたりする「カッコいい仕事」
- 養護 = オムツを替えたり、鼻水を拭く「雑用っぽい仕事」
もしそう思っていたら、今すぐその考えをゴミ箱にダンクシュートしてください。
指針の第2章は、まず「養護」から始まります。
なぜか? 養護がないと、教育なんて1ミリも入らないからです。
今日は、地味に見える「養護」が、実は「人類最強の魔法」であることを証明します。
1. 養護の正体は「HP」と「MP」の回復だ
指針には、養護の理念として、以下の2つがドーンと書かれています。
- 生命の保持(せいめいのほじ)
- 情緒の安定(じょうちょのあんてい)
漢字だと難しいですね。RPG(ゲーム)で例えましょう。
- 生命の保持 = HP(体力)の管理
- 食べて、寝て、排泄して、病気にならずに生きること。
- 情緒の安定 = MP(精神力)の管理
- 「先生大好き」「ここは安心」と感じて、心が満たされること。
【超訳】
「死なせないこと(HP)」と「不安にさせないこと(MP)」。この2つのメーターを常に満タンにするのが養護だ!
HPがゼロなら死んでしまいますし、MPがゼロなら魔法(遊びや挑戦)は使えません。
つまり、養護とは「子どもというプレイヤーが、冒険に出るための絶対条件」なのです。
2. 充電切れのスマホでアプリは動かない
なぜ指針は「教育」の前に「養護」を書くのか?
それは、「充電切れのスマホに、重たいアプリをインストールしようとしても無理」だからです。
- お腹が空いている(生命の保持不足)
- 先生に怒られて不安(情緒の安定不足)
この状態で、「さあ、みんなで楽しくお歌を歌いましょう!」と言っても、子どもは歌えません。
充電が1%で画面が真っ暗なスマホに向かって、指を滑らせているようなものです。
【超訳】
まず充電(養護)しろ! アプリ(教育)を入れるのは、バッテリーが緑になってからだ!
「最近、あの子が荒れてるなあ」「話を聞かないなあ」と思ったら、だいたい「教育」のやり方が悪いのではなく、「養護(充電)」が足りていないのです。
3. 「抱っこ」はサボりじゃない。急速充電だ。
現場ではたまに、こんな悲しい言葉が聞こえます。
「〇〇先生、ずっとあの子を抱っこしてるだけで、何もしてない」
違います。
その先生は今、不安で泣いている子どもの「情緒(MP)」を急速充電しているのです。
子どもは、安心(養護)という土台があって初めて、「やってみたい!(教育)」という意欲が湧きます。
抱っこして、よしよしして、「大丈夫だよ」と伝えること。
これは、甘やかしでもサボりでもなく、「次の活動に向かうためのエネルギー注入」という、極めて専門的な技術です。
【超訳】
抱っこは「甘え」じゃない。「ガソリン給油」だ。満タンにならないと車は走らないぞ!
4. 結論:養護こそが「人」を作る
「教育」は、技術や知識を身につけさせます。
でも、「養護」は、「自分は生きていていいんだ」「自分は愛されているんだ」という根拠のない自信(自己肯定感)を作ります。
人生という長い長い冒険で、最後に子どもを支えるのは、跳び箱が飛べた経験よりも、
「どんなに泣いても、先生が受け止めてくれた」という温かい記憶(養護)です。
だから、オムツを替える時、ご飯を食べさせる時、寝かしつける時。
それは「作業」ではありません。
「あなたは大事な存在だよ」と伝える、愛のプレゼンテーションなのです。
【明日の一手】
明日、クラスで一番甘えん坊な子が「先生、抱っこ〜」と来たら。
「忙しいから後で」と言わず、10秒だけでいいのでギュッとして、心の中でこう呟いてください。
「よし、MPチャージ完了! 行ってこい勇者よ!」
養護という魔法で、子どもたちを最強の状態で送り出してあげましょう。
(次回は「第2章-2 養護に関わるねらい及び内容」。具体的にどうやってHPとMPを満タンにするの?その「技」を攻略します!)



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