こども誰でも通園制度とは。どんな制度なの?一時保育との違いは?基本的な考え方(中間まとめ)

雑記

基本的な考え方

こども基本法(令和4年法律第77号)は、全てのこどもの権利を保護する基本理念を掲げており、特に保育所等に通っていないこどもを含め、全ての子育て家庭への支援を強化することが重要です。

子育て中には「孤立した育児」が発生する可能性があり、そのような家庭への適切な支援が求められています。こどもは保護者だけでなく、社会全体が関わり、子育てを支える事が望ましい。

「こども誰でも通園制度」は、月一定時間までの利用可能な枠で、就労要件を問わず利用できる仕組みとして創設されます。

一時預かり事業との違い

一時預かり事業は、家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳児又は幼児、子育てに係る保護者の負担を軽減するため、保育所等において一時的に預かることが望ましいと思われる乳児又は幼児を対象に、一時的に預かり、必要な保護を行う、いわば「保護者の立場からの必要性」に対応するもの。

誰でも通園制度は、こどもを中心に考え、こどもの成長の観点から、「全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備する」ことを目的としているもの。保護者のために「預かる」というサービスなのではなく、保護者とともにこどもの育ちを支えていくための制度。

子供の成長の観点からの意義

・ 在宅で子育てをする世帯のこどもも、こどもの育ちに適した人的・物的・空間的環境の中で、家庭とは異なる経験や、地域に初めて出て行って家族以外の人と関わる機会が得られること

・ こどもに対する関わりや遊びなどについて専門的な理解を持つ人がいる場で、同じ年頃のこども達が触れ合いながら、家庭にいるだけでは得られない様々な経験を通じて、ものや人への興味が広がり、成長していくことができること

・ こどもにとっては、年齢の近いこどもとの関わりは、社会情緒的な発達への効果的な影響など成長発達に資する豊かな経験をもたらすこと

・ こどもに対する関わりや遊びなどについて専門的な理解を持つ人からこどもの良いところや育っているところを伝えられる、こどものよさを共感してもらう、保護者自身やこどもへの温かいことばや応援の声をかけられるなど、保護者が「家族以外の人が自分たちを気にかけている」と実感できることは、こどもへの接し方が変わるきっかけとなったり、こどもについて新たな気づきを得たり、こどもの出来ていることを伝えてくれることで自信を回復することにもつながり、こどもの育ちや保護者とこどもの関係性にも良い効果があること

保護者にとっての意義

〇 こども誰でも通園制度の対象となる在宅で子育てをする世帯の保護者は、孤立感や不安感を抱えながら子育てを行っていることも多い。

・こどもに対する関わりや遊びなどについて専門的な理解を持つ人との関わりにより、ほっとできたり、孤立感、不安感の解消につながるとともに、月に一定時間でも、こどもと離れ自分のための時間を過ごすことで、育児に関する負担感の軽減につながっていく。

保育者からこどもの出来ていることを伝えてもらうことで、自信が回復することや、口頭でのアドバイスに限らず、実際に目の前で育児方法の模範を見ることにより、こどもの成長の過程と発達の現状を客観的に捉えることができ、保護者自身が親として成長していくことにつながると考えられる。

・ こどもに対する関わりや遊びなどについて専門的な理解を持つ人との関わりにより、こどもの育ちを共に喜び合えるようになることで、子育ての楽しさを実感できるようになると考えられる。

保育者にとっての制度の意義

・ これまでの保育と比べた難しさがある一方で、これまで関わることの少なかったこどもや家庭と関わることで、専門性をより地域に広く発揮できること

・ 保育所等では普段関わることの少ない、在宅で子育てする保護者とも関わっていくことができ、その保護者に対して家庭だけでは気づかないことを伝えたり、育児負担や孤立感・不安感の解消につなげていくなど、在宅で子育てをする保護者に対しても専門性を発揮することができる。

保育者が留意すべきこと

・ こども毎に在園時間が異なることを踏まえ、現場の実情に応じた職員体制等のマネジメント、リスク管理、従事者間の情報共有が適切になされることが重要となること 。

・ こどもを理解するには一定の時間がかかるため、こどもの特性等を把握するアセスメント力が求められること。

・ 保育の実施を目的とする保育所等では、こども誰でも通園制度のこどもを預かることで、保育所等に通っているこども達の保育に支障があってはならないという意識が重要であること。

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