子どもたちの前に立って話をしても、なかなか聞いてもらえないことってありませんか?
「どうしたら子どもたちは話を聞いてくれるんだろう…」
「先輩の話は聞くのに、私の話は全然聞いてくれない…」
「責任実習でちゃんと話を聞いてくれるか不安…」
そんなあなたに向けて、今日は“話を聞いてもらうためのちょっとしたコツ”をお伝えします。
話を聞いてもらうために必要なのは「期待感の演出」
もくじ
実は、話を聞かせるために怒ったり、大きな声を出したり、面白い話をしたりする必要はありません。
必要なのはたった一つ——**『期待感の演出』**です。
子どもたちが「なにが始まるんだろう?」とワクワクするような雰囲気を作れたら、自然と耳と目があなたに向きます。
期待感を高める“紙袋の魔法”——導入の一例
では、どうやって期待感を作るのか?
簡単にできる具体例をご紹介します。
① 紙袋を1つ持って子どもたちの前に立つ
このときはまだザワザワしていて構いません。
② 「あれ?おかしいな…」とつぶやく
紙袋の中をのぞきこんだり探したりしながら、
「あれ?あれ?おかしいな……ここに入れたんだけど…」
と言ってみましょう。
すると、何人かの子が興味を示して、
「何入れたの?」「どうしたの?」と聞いてくるでしょう。
③ 声をかけてくれた子に話しかける
「いや、大事なものを入れたんだけどさ…」
と話しながら探し続けます。
④ 「あ!あった!」で一気に注目を集める
少し間をおいてから、
「あ!あった、あった!」
と顔を上げてください。
この瞬間、子どもたちの視線はあなたに釘付けになります。
これが、“期待感の演出”です。
応用編:制作の導入にもつなげてみよう!
紙袋の中に制作物を入れておきましょう。
上の①〜④の流れをしたあと、紙袋から出す前に一言添えます。
「今日は、みんなと一緒におもしろいことをやりたいなと思って、これを持ってきたんだけど…一緒にやってくれる?」
「今日は制作をします!」と言うよりも、
「一緒にやってくれる?」と聞くことで、子どもたちは“自分で選んだ”気持ちになります。
💡人は「自分で選んだこと」に責任を持つ
人は、強制されたことよりも、自分で選んだことに責任を持つ傾向があります。
この聞き方をすると、ほとんどの子が「いいよー!」と答えてくれます。
「やだー!」という子がいたら?
無理に反応しなくて大丈夫です。
その場ではスルーして、配る時にもう一度声をかけましょう。
「どう?一緒にやってくれる?」
それでもやらない場合は、無理に誘わず尊重してあげてください。
「じゃあ、やりたくなったら一緒にやろうね。」
と伝えておくのがポイントです。
さらに期待を高めるコツ
紙袋から制作物を取り出すときは、一気にバッ!と見せず、少しずつ少しずつ出してみましょう。
子どもたちは、
「え?なに?」「まだ出てくるの?」
と、どんどん引き込まれていきます。
これも立派な「期待感の演出」です。
行動を促すのは「叱る」よりも「具体的に褒める」
子どもは、叱られるよりも“褒められた方向”へ行動します。
褒めるときは、何がどう良かったのかを具体的に伝えましょう。
- 「静かに聞いてくれたから嬉しかったよ、ありがとう」
- 「先生の顔を見て聞いてくれてたね!」
- 「椅子の座り方が背筋ピンとしてて素敵だったよ」
一人でもできている子を見つけたら、その子に声をかけてください。
他の子も真似して動き出します。
褒め方で信頼を失わないために
よく「みんなを動かすため」に褒めを使う人がいますが、それは注意が必要です。
「〇〇ちゃんの座り方が良いね!みんなも真似して!」
このような誘導目的の褒めは、子どもに意図が伝わると信頼を失います。
褒めるときは、心からその子のために言葉を届けましょう。
まとめ:聞いてもらうには“演出力”を育てよう
子どもが話を聞いてくれないとき、
必要なのは大きな声でも、無理な指示でもなく——**“期待感をつくること”**です。
紙袋ひとつでも、あなたの見せ方次第で子どもたちは一瞬で引き込まれます。
そして、具体的な褒め言葉で子どもたちとの信頼を深めていきましょう。
「話を聞いてくれない」を、「目を輝かせて聞いてくれる」に変えるのは、あなたの**“演出力”**です。


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