お子さんのために毎日頑張っている「寝る前の読み聞かせ」。
本当に頭が下がる素敵な習慣です。
でも、ちょっと待ってください。
実はこの「寝る前の読み聞かせ」、**言葉の発達(語彙力や思考力)**という観点から見ると、
「効果が薄い時間」になっているかもしれません。
「え、どういうこと?」と驚いた方もご安心ください。
ここでは、現役保育士の視点から
「寝る前の読み聞かせ」の本当の役割と、
お子さんの言葉の力を本当に伸ばす“魔法の時間”の作り方
をわかりやすく解説します。
寝る前の読み聞かせが「言葉の発達」に効果が薄い理由
もくじ
多くの親御さんが「言葉の発達のためにも」と考えて取り入れている寝る前の読み聞かせ。
しかし、この時間の主な役割は、実は“言葉”よりも“心”にあります。
●情緒の安定と愛着形成が最優先
寝る前の読み聞かせは、言葉を教える時間というよりも、
心と体をリラックスさせ、安心して眠りに入るための時間です。
- リラックス効果:優しい声やスキンシップが、高ぶった神経を落ち着かせる。
- 愛着形成:パパやママに話を聞いてもらう安心感が、自己肯定感の土台を作る。
「言葉を覚えさせなきゃ」と思って知識的な絵本を選んだり、質問攻めにしてしまうと、
子どもの脳が興奮してしまい、かえって睡眠の質が下がることもあります。
寝る前の読み聞かせは、「言葉を育てる時間」ではなく「心を育てる時間」なのです。
本当に言葉を伸ばす「魔法の時間」はいつ?
語彙力や思考力を育てたいなら、
おすすめなのは 午前中や午後の早い時間。
子どもが最も頭と体がさえていて、
五感が働いている時間帯です。
この時間帯に「体験」と「言葉」を結びつけていくと、
言葉が“生きた知識”として定着していきます。
言葉の力を伸ばすための4つの実践法
1.「見た・触った・感じた」を言葉にする
公園で遊んだり、散歩をしたりする中で、
「楽しかったね」で終わらせず、体験を言葉に変えることが大切です。
- 「風がつめたかったね!」
- 「落ち葉がカサカサしてたね」
- 「赤い葉っぱと黄色い葉っぱ、どっちが好き?」
このように、感覚と言葉をリンクさせることで、
語彙の引き出しが自然に増えていきます。
2.絵本を“思考のきっかけ”にする
読み聞かせは「内容を覚えるため」ではなく、
考えるきっかけに変えると効果的です。
読んだあとに、こんな質問をしてみましょう。
- 「もし○○だったらどうする?」
- 「この子、どうして泣いちゃったんだと思う?」
- 「自分だったらなんて言うかな?」
こうしたやりとりは、語彙だけでなく
思考力・想像力・共感力を一緒に育ててくれます。
里3.「会話のキャッチボール」を意識する
言葉の発達には、「やりとりの中で使う」ことが最も重要です。
大人が一方的に話すよりも、双方向の会話を意識しましょう。
たとえば、
- 「今日は誰と遊んだの?」
- 「どんなことが一番楽しかった?」
- 「へえ〜!それってどうやったの?」
と、続きが返ってくる質問を投げかけるのがコツです。
自然と「文を組み立てて話す力」がついていきます。
☀️4.「昼は言葉を、夜は心を」育てよう
まとめると──
- 寝る前の読み聞かせ:心を落ち着かせ、愛着を深める時間
- 昼間の体験や対話:語彙力・思考力を伸ばす時間
「夜は心を育て、昼は言葉を育てる」
このリズムを意識するだけで、
お子さんの“ことばの力”は驚くほど自然に伸びていきます。
まとめ:言葉は日常の中で育つ
「読み聞かせ=言葉の勉強」ではなく、
「体験×対話=言葉の成長」という視点が大切です。
寝る前は、安心と愛情で包みこむ時間。
そして日中は、感じたこと・考えたことを
言葉にして楽しむ時間にしていきましょう。
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