3歳児クラスの7月は、いよいよプール遊びや水遊びが始まり、子どもたちの活動が最もダイナミックになる時期です。 水の感触や冷たさに触れ、全身で夏を楽しむ姿が見られる一方で、準備や着替えの工程が増えるため、生活習慣の自立に向けたサポートも重要になります。
もくじ
7月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
プール開きや七夕などの行事を経て、季節感あふれる活動が増えます。水遊び特有の「ルール(走らない、飛び込まない等)」をクラス全体で共有し、安全に楽しむための規律が育つ時期です。開放的な雰囲気の中で、友だちとの関わりも活発になります。
子どもにとってどんな時期?
水への恐怖心を持つ子、顔にかかっても平気な子など、個差がはっきりと出ます。遊びを通して水に慣れ、自信をつけていく過程が見られます。また、汗をかいた服の着替えや水着の着脱など、指先を使って「自分で」身支度を整える機会が増えます。
7月に特に観たい発達テーマ
- 水遊びへの意欲と慣れ(ワニ歩き、顔つけ、泥んこ)
- 夏の生活習慣の自立(水着の着脱、体を拭く、水分補給)
- 夏の自然や事象への興味(セミ、夏野菜、七夕、氷)
- 友だちとの共有(「冷たいね」「見ててね」の共感)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. プール前後の「着替え」の自立度は?
- 水着の前後を確認し、一人で着ようと頑張っていた。
- 濡れた水着が肌にくっついて脱ぎにくそうにしていたが、コツを伝えると自分で脱げた。
- 脱いだ服をきれいに畳み、プールバックにしまっていた。
- 「自分でできる!」と言って、保育者の手伝いを断り最後までやり遂げた。
- バスタオルで体を拭く際、背中まで一生懸命拭こうとしていた。
Q2. 暑さの中での食欲や食事マナーは?
- 水遊びで体力を使い、お腹が空いて給食を完食していた。
- 暑さで食欲が落ち気味だったが、さっぱりしたメニューはよく食べていた。
- 箸に興味を持ち、少しずつ使い始めていた。
- お椀を持って姿勢良く食べることが定着してきた。
- 苦手な夏野菜(ピーマンなど)も、栽培した経験から一口食べていた。
Q3. 排泄(トイレ)の習慣と水遊び前の対応は?
- プールに入る前に必ずトイレに行き、排泄を済ませていた。
- 遊びに夢中でも尿意に気づき、急いでトイレに行っていた。
- パンツの上げ下ろしがスムーズになり、またがって排泄できていた。
- 失敗がほとんどなくなり、自信を持ってパンツで過ごしていた。
- スリッパを揃えるなど、マナーを意識していた。
Q4. 休息(午睡)の質とリズムは?
- プールの疲れから、布団に入るとすぐに深く眠っていた。
- 寝汗をかいて目覚めることがあったが、水分をとると落ち着いた。
- 自分から布団に入り、体を休めようとしていた。
- 短時間でも熟睡し、目覚めはすっきりとしていた。
- 友だちの寝息を気にせず、自分のペースで入眠していた。
Q5. 健康管理(水分・汗)への意識は?
- 「喉乾いた」と自分から言い、水筒のお茶を飲んでいた。
- 汗をかいたことに気づき、「着替えたい」と訴えていた。
- 鼻水が出ると、プールを休む必要があることを理解しようとしていた。
- 体調が悪い時、「頭が痛い」など具体的に伝えていた。
- 爪が伸びていることに気づき、保育者に教えてくれた。
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 水遊びに対する情緒の安定(不安・喜び)は?
- 最初は水を怖がっていたが、足元から少しずつ慣れて笑顔が出た。
- ダイナミックに水を浴び、開放感を全身で表現して喜んでいた。
- 顔に水がかかっても泣かずに手で拭い、遊び続けていた。
- 「怖い」と言って保育者のそばにいたが、友だちの様子を見て参加し始めた。
- 自分のペースで遊びを選び、無理なく水に関わっていた。
Q2. 自分の気持ち(葛藤・要求)を言葉で出せていますか?
- 玩具の貸し借りでトラブルになったが、「貸して」「あとで」と言葉で解決しようとした。
- まだ遊びたい気持ちを我慢して、片付けの時間に従うことができた。
- 悔しくて泣いたが、理由を聞くと落ち着いて話してくれた。
- 「もっとやりたい!」と強い意欲を言葉で伝えていた。
- 友だちに意地悪を言われて悲しかったことを、保育者に訴えた。
Q3. 友だちとの関わりでの安心感は?
- 友だちと水を掛け合いっこして、信頼関係の中で楽しんでいた。
- 困っている友だちに気づき、タオルを持って行ってあげていた。
- 特定の仲良しの友だちと一緒に行動することを喜んでいた。
- 集団ゲームで負けても、友だちを応援することができた。
- 喧嘩をしても、「ごめんね」と言ってすぐに仲直りしていた。
Q4. 保育者との信頼関係(甘えと自立)は?
- 怖いことがあると保育者の後ろに隠れるが、励ますと挑戦していた。
- できたことを「先生、見て!」と誇らしげに報告に来た。
- 着替えがうまくいかない時だけ、「手伝って」と素直に頼っていた。
- 抱っこを求めて甘え、満足すると遊びに戻っていった。
- 担任の話をしっかり聞き、約束を守ろうとしていた。
Q5. 七夕などの行事への期待感は?
- 七夕の飾りを作りながら、「お願い事叶うかな」と話していた。
- 笹飾りを見て、「きれいだね」と友だちと共感していた。
- 行事食のゼリーを見て、目を輝かせて喜んでいた。
- 行事の歌を口ずさみ、当日を楽しみにしていた。
- 短冊に書く願い事を、一生懸命考えて伝えてくれた。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 水中での身体の動かし方(ワニ歩き等)は?
- ワニ歩き(四つん這い)で水の中を進み、顔を上げ下げしていた。
- 水の中でジャンプし、水しぶきが上がるのを楽しんでいた。
- バタ足の真似をして、足を激しく動かしていた。
- 保育者の背中におんぶされ、水の浮力を感じていた。
- 顔を水につけることに挑戦し、一瞬だけつけることができた。
Q2. 指先を使った遊び(制作・操作)は?
- 七夕飾りで、折り紙を三角に折ったり、糊で繋げたりしていた。
- 水鉄砲の引き金を指で引き、的を狙って飛ばしていた。
- 泥団子を作り、手のひらでコロコロと丸めていた。
- プリンカップに水をすくい、こぼさないように運んでいた。
- 洗濯バサミを使って、魚釣り遊びを楽しんでいた。
Q3. 戸外での全身運動(走る・登る)は?
- 園庭を全力で走り、スピードの調整ができるようになってきた。
- 太鼓橋に登り、高いところからジャンプして着地していた。
- ボールを投げる時、片手で上から投げようとしていた。
- ケンケンパ(片足跳び)のリズムに挑戦していた。
- 鉄棒にぶら下がり、足を振って勢いをつけていた。
Q4. 道具の扱いと身体制御は?
- ジョウロに水を入れ、花に優しく水をかけていた。
- スコップで深い穴を掘り、全身の力を使っていた。
- 三輪車をこぎ、ハンドル操作で障害物を避けていた。
- ハサミを一回切りし、線に沿って切ろうと集中していた。
- クレヨンを使い分け、力加減を調整して塗っていた。
Q5. 危険回避や安全への意識(プール等)は?
- 「プールサイドは走らない」という約束を守り、歩いていた。
- 友だちを押さないように、気をつけて遊んでいた。
- 準備体操をしっかり行い、体をほぐそうとしていた。
- 「笛が鳴ったら上がる」というルールに従っていた。
- 滑りやすい場所で、足元を確認して歩いていた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. 水遊びを通じた友だちとの関わりは?
- 友だちと水を掛け合い、「冷たい!」と笑い合っていた。
- 一緒にバケツに水を汲み、お風呂ごっこをしていた。
- 友だちの真似をして、顔つけやワニ歩きに挑戦していた。
- 水鉄砲で的当て競争をし、点数を競い合っていた。
- 怖がっている友だちに、「大丈夫だよ」と声をかけていた。
Q2. 物の貸し借りやルールの共有は?
- 「貸して」「いいよ」「あとでね」のやり取りが成立していた。
- 順番を守って、滑り台やシャワーを使っていた。
- 玩具の独占欲が出たが、保育者の言葉かけで渡すことができた。
- 友だちが使っているものを無理に取らず、待つことができた。
- ルールを破った友だちに、「ダメだよ」と注意していた。
Q3. ごっこ遊び(役割分担)の様子は?
- 「アイスクリーム屋さんです」と、色水を作って売っていた。
- 家族ごっこで、お母さん役や赤ちゃん役になりきっていた。
- 病院ごっこで、聴診器を当てて診察する真似をしていた。
- ブロックで家を作り、友だちと共同生活の真似をしていた。
- 電車ごっこで、運転手とお客さんに分かれて遊んでいた。
Q4. 他者への思いやりや協力は?
- 重いバケツを友だちと一緒に運んでいた。
- 転んだ友だちに駆け寄り、心配そうにしていた。
- 泣いている子がいると、保育者に知らせに来ていた。
- 片付けの時間に、友だちと協力してカゴを運んでいた。
- 友だちの背中を流す真似をして、触れ合いを楽しんでいた。
Q5. 集団活動への参加意欲は?
- 七夕の歌をみんなと一緒に、大きな声で歌っていた。
- 集合写真を撮る時、並んでポーズをとっていた。
- 朝の会で、名前を呼ばれると元気に返事をしていた。
- ゲーム遊びのルールを理解し、勝敗を楽しんでいた。
- 先生の話を聞く時、静かに注目することができた。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 夏の自然(セミ・植物)への興味は?
- セミの鳴き声に気づき、木の上を探していた。
- 夏野菜(キュウリ、トマト)を収穫し、重さや匂いを感じていた。
- アサガオの花を使って色水遊びをし、色の変化に驚いていた。
- ダンゴムシやアリを見つけ、住処を作ってあげようとしていた。
- 笹飾りの葉の匂いや感触を確かめていた。
Q2. 水の性質(浮く・流れる)への気づきは?
- 水に浮く玩具と沈む玩具を試し、分類していた。
- カップの底に穴を開け、シャワーのように水が出るのを楽しんでいた。
- 砂場に水を流し、川や池を作って水の流れを見ていた。
- 氷が溶けて水になる様子を、じっと観察していた。
- スポンジが水を吸って重くなる感覚を楽しんでいた。
Q3. 数量や形、色への関心は?
- 「1、2、3…」と準備体操の数を数えていた。
- 色水を混ぜて、「紫になった!」「オレンジだ!」と発見していた。
- 星の形を見て、「お星さまだ」と七夕と結びつけていた。
- 玩具の数を比べて、「こっちが多い」と判断していた。
- 「長い」「短い」などの比較言葉を使っていた。
Q4. 道具の仕組みや操作への興味は?
- 水車の玩具に水をかけ、回る仕組みを理解して遊んでいた。
- 霧吹きを使って、水が霧状に出るのを楽しんでいた。
- 魚釣りの磁石がくっつく感覚を楽しんでいた。
- 鍵の開け閉めに興味を持ち、回そうとしていた。
- 時計を見て、「長い針が6だね」と時間を意識していた。
Q5. 探索活動(発見・不思議)の様子は?
- 影踏み遊びをして、夏の強い日差しと影の関係に気づいていた。
- 雷の音を聞いて、「ゴロゴロ様だ」と空を見上げていた。
- 鏡に映る自分を見て、水着姿をチェックしていた。
- 虫眼鏡を使って、葉っぱの裏などを観察していた。
- 泥の感触の違い(ドロドロ、サラサラ)を楽しんでいた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 会話(状況説明・理由)の広がりは?
- 「今日、新しい水着だよ」と、嬉しそうに報告していた。
- 「お腹痛いから、見学する」と理由を言えていた。
- 「〇〇ちゃんと一緒に遊びたい」と希望を伝えていた。
- 過去の出来事(昨日の夕飯など)を思い出して話していた。
- 「だって、~だもん」と、言い訳や理由を言っていた。
Q2. 友だちとの言葉によるやり取りは?
- 「貸して」「いいよ」「ありがとう」のやり取りがスムーズだった。
- ごっこ遊びの中で、役になりきって会話を続けていた。
- 「それはダメだよ」と、友だちにルールを教えていた。
- 友だちの名前を呼び合い、遊びに誘っていた。
- 喧嘩の際、言葉で言い返そうとしていた。
Q3. 言葉の理解力(指示・物語)は?
- 「タオルを持って、外に行こう」という二つの指示を理解していた。
- 七夕の由来の紙芝居を見て、内容を理解し質問していた。
- プールの約束事を聞いて、守ろうとしていた。
- 「どうして?」という質問に、自分なりの言葉で答えていた。
- 複雑な物語も、集中して最後まで聞いていた。
Q4. 語彙(ごい)の豊かさは?
- 「冷たい」「ぬるい」「気持ちいい」など、感覚を表す言葉を使っていた。
- 色の名前や形の名前を正確に言っていた。
- 虫や花の名前をたくさん知っていて、教えてくれた。
- 「キラキラ」「ジャージャー」などのオノマトペを使っていた。
- 自分の名前をフルネームではっきりと言えていた。
Q5. 挨拶や社会的な言葉は?
- 「おはようございます」「さようなら」と元気に挨拶していた。
- 何かしてもらった時に、「ありがとう」と自然に言えていた。
- ぶつかった時に、「ごめんね」と謝ることができた。
- 食事の挨拶を、手を合わせて行っていた。
- 職員室に入るとき、「失礼します」と言おうとしていた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(イメージの表現)の様子は?
- 「海」や「プール」をイメージして、青色で塗っていた。
- 顔を描き、目や口の位置が正しくなってきた。
- 閉じた丸を描き、色を塗りつぶそうとしていた。
- 経験したこと(花火など)を絵に描いて説明していた。
- 複数の色を使い分け、カラフルな絵を描いていた。
Q2. 制作活動(七夕飾りなど)への意欲は?
- 糊の量を調整しながら、丁寧に折り紙を貼っていた。
- ハサミを一回切りし、切れた紙を飾りにしていた。
- シールを規則的に並べて貼るなど、模様を作っていた。
- 完成した飾りを見て、「きれいだね」と喜んでいた。
- 短冊に願い事を書く時、嬉しそうに話していた。
Q3. 音楽やリズム遊びの表現は?
- 「たなばたさま」の歌を、歌詞を覚えて歌っていた。
- 音楽に合わせて、水の中でジャンプしたり踊ったりしていた。
- 楽器(鈴やカスタネット)をリズムよく叩いていた。
- 手遊びの振りを覚え、友だちと見せ合っていた。
- ピアノの音に合わせて、即時反応(止まる・走る)を楽しんでいた。
Q4. ごっこ遊びや劇遊びの表現は?
- ヒーローになりきって、かっこいいポーズを決めていた。
- お姫様ごっこで、スカートをひらひらさせていた。
- 魚になりきって、スイスイ泳ぐ真似をしていた。
- お店屋さんごっこで、威勢のいい声を掛けていた。
- 絵本のセリフを真似して、劇ごっこをしていた。
Q5. 感動や発見の表現は?
- 虹を見て「うわぁ!」と声を上げ、感動を伝えていた。
- 氷の冷たさに驚き、目を丸くして笑っていた。
- アサガオが咲いたのを見て、友だちに知らせていた。
- できた喜びを全身で表現し、ジャンプしていた。
- 面白いことを見つけ、友だちと顔を見合わせて大笑いしていた。



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