5歳児クラス(年長)の3月は、卒園・就学を目前に控え、心身ともに大きく成長した姿が見られる時期です。 1年間(あるいは数年間)の園生活を振り返り、自信を持って次のステップへ進もうとする意欲や、友だちと深く結びついた関係性が観察の要となります。
3月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
卒園式に向けた活動を通して、クラスの一体感が最高潮に達します。お別れ会やプレゼント交換など、感謝の気持ちを伝え合う場面が増えます。小学校への接続を意識し、時間を見て行動したり、話を聞く姿勢を整えたりと、規律ある生活を送る時期です。
子どもにとってどんな時期?
「もうすぐ1年生」という喜びと、「お別れするのが寂しい」という感情が入り混じります。身の回りのことは完全に自立し、困っている友だちを助けたり、年下の子の世話をしたりする頼もしい姿が見られます。文字や数への関心も高まり、就学への準備が整います。
3月に特に観たい発達テーマ
- 就学への期待と自信(ランドセル、通学、学習への意欲)
- 自律的な生活習慣(時間管理、持ち物の整理、衛生)
- 協同性と社会性(対話による解決、感謝の気持ち)
- 文字・数・社会への関心(時計、カレンダー、文字の読み書き)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. 小学校を意識した食事のマナーと時間は?
- 「小学校では給食の時間があるんだよね」と自ら時計を意識し、時間内に食べ終わるよう見通しを持って食事を進める自律心が見られた。
- 椅子に深く座り、背筋を伸ばしてお椀を正しく持つなど、常に正しい姿勢を保ってきれいに食べるマナーが完全に定着している。
- 苦手な食材があっても、「給食当番さんがよそってくれたから頑張って食べる」と、友だちへの配慮や感謝の気持ちを持って完食していた。
- 箸の操作が極めて精緻になり、魚の骨を分けたり小さな豆を一粒ずつつまんだりと、食具を自在に使いこなして食事を楽しんでいた。
- 食後の牛乳パックを開いて洗ったり、食器を種類ごとに整えて片付けたりと、小学校生活を想定した始末を自分で行っていた。
Q2. 健康管理(清潔・安全)の自己判断は?
- 外遊びから戻ると、手首や指の間まで時間をかけて丁寧に洗い、自分のハンカチでしっかりと拭き取る衛生習慣が確立している。
- 鼻水が出ると不快感に気づいて自分でかみ、ゴミ箱に捨てた後に再度手を洗うなど、一連の清潔習慣を一人で行うことができていた。
- 「お外は風が強いけど、走ると暑くなるから脱いでおこう」など、気温や活動量に合わせて体温調節を適切に判断していた。
- 園庭や廊下で危険な状況を察知し、未然に避けるだけでなく、年下の子に対しても安全な遊び方を教える頼もしさが見られた。
- 「喉が少しイガイガする」「お腹が重たい感じがする」など、自分の体調の変化を具体的な言葉で保育者に伝え、早めに対応できていた。
Q3. 排泄(トイレ)の習慣と始末は?
- 小学校の休み時間を意識し、「活動が始まる前にトイレを済ませよう」と、自分から見通しを持って行動を切り替えていた。
- 排泄後の後始末を一人で完璧に行うとともに、使用後は必ずスリッパを次の人のために揃えて直す公共心が育っている。
- 小学校の環境を想定し、和式・洋式のどちらのトイレであっても戸惑うことなく、適切かつ清潔に使用することができていた。
- 失敗することは完全になくなり、自分の体のリズムを客観的に捉えて、余裕を持って排泄を済ませる安定感が見られた。
- 公共のマナーを理解し、次に使う人が気持ちよく使えるように環境を整えるという意識が自然な振る舞いとして定着している。
Q4. 身だしなみと持ち物の管理は?
- 鏡を見て、シャツの裾が出ていないか、名札が真っ直ぐついているかを確認し、自分なりに清潔感のある身だしなみを整えていた。
- ハンカチやティッシュなどのポケットの中身を自分で管理し、必要な時にサッと取り出して使う習慣が身についている。
- 脱いだ衣服を袖まで丁寧に引き出して畳み、ロッカーの決まった場所へ常に整頓して入れる身の回りの自立が完成に近づいている。
- 靴を履く際、踵を踏まずに正しく履き、「1年生になる準備はバッチリだよ」と誇らしげに保育者に伝えていた。
- 降園前に自分の持ち物をロッカーの隅々まで確認し、忘れ物がないか自ら点検する責任感を持って生活していた。
Q5. 睡眠(午睡)からの移行とリズムは?
- 午睡時間がなくなった後も、午後の時間は静かに読書や卒園制作に集中し、活動と休息のメリハリをつけて落ち着いて過ごしていた。
- (午睡がある場合)短時間の休息で体力を効率よく回復させ、目覚めと共に気持ちをパッと切り替えて午後の活動に意欲的に取り組んでいた。
- 自分の布団を半分に折って端をきれいに揃えて畳み、丁寧に片付けることで、自分の生活の場を自分で整える意識を高く持っていた。
- 「昨日は8時に寝たよ!」と家庭での就寝・起床時間を保育者に話し、規則正しい生活リズムを維持しようとする自覚が見られた。
- 一日を通して気力の充実が見られ、体調を大きく崩すことなく、卒園まで元気に通園しようとする意欲に満ちあふれていた。
🌿 養護(生活・情緒)
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 就学への期待と不安のバランスは?
- 「私のランドセルはピカピカの赤だよ!」と友だちと見せ合い、小学校での新しい生活を想像してはじけるような笑顔で報告してくれた。
- 就学時健康診断や学校見学を終え、「勉強が楽しみ」「広い体育館で遊びたい」と、自信に満ちた表情で未来への期待を膨らませていた。
- 別々の小学校へ行く友だちに対し、「離れても絶対にお手紙書くからね」と約束し、寂しさを抱えつつも深い絆を確認し合っていた。
- ふとした瞬間に見せる不安な気持ちも、「大丈夫だよ」という保育者の励ましを受けることで、安心感を持って前向きに捉え直していた。
- 「国語や算数も頑張るんだ」と新しい学びへの意欲を見せ、幼児期の終わりとしての自信を力に変えていた。
Q2. 友だちとの深い絆と別れへの理解は?
- 卒園が近づいていることを静かに理解し、いつもの公園や園庭での自由遊びも、一分一秒を慈しむように友だちと大切に過ごしていた。
- 些細なトラブルが起きても、お互いの言い分を言葉で尽くして伝え合い、納得いくまで話し合って自分たちで解決する逞しさが育っている。
- 友だちの逆上がりの成功や描いた絵を見て、「〇〇くんのこういうところすごいね」と、仲間の個性を素直に認めて褒め合っていた。
- 卒園制作などのグループ活動において、一つの目的のために知恵を出し合い、完成の喜びを分かち合う強い一体感が見られた。
- 困っている友だちに気づくと、保育者に促される前に自然に手を差し伸べ、助け合うことが当たり前の関係性が築かれている。
Q3. 自信と自己肯定感(成長の自覚)は?
- 入園した頃の自分の写真を見ながら、「こんなに大きくなったんだね」と、自分の心身の成長を実感して心から喜んでいた。
- 二重跳びや難しい制作など、困難な課題に直面しても「まずは自分でやってみる」と挑戦し、諦めずにやり遂げる姿勢が定着している。
- 給食当番やお世話係など、自分に任された役割を「クラスのみんなのために」という責任感を持って最後まで全うしていた。
- 交流保育で年下の子を優しくリードし、「ありがとう」と言われることで頼りにされる喜びを感じ、自己有用感を高めていた。
- 卒園式の練習では一言一言に心を込め、背筋を伸ばして堂々と歩く姿に、幼児期の集大成としての誇りが感じられた。
Q4. 感謝の気持ちの表現は?
- 卒園を前に「先生、いつもありがとう」と自ら感謝の言葉を伝え、人との繋がりの温かさを言葉にして表現していた。
- 給食室の栄養士さんや用務員さんに対しても、「いつも美味しいご飯をありがとう」と自分から挨拶に行き、感謝を伝えていた。
- お家の人へのプレゼント作りでは、「喜んでくれるかな」と思いを馳せ、指先に集中して細部まで心を込めて丁寧に仕上げていた。
- お世話になった保育室や玩具に対し、「次に使うお友だちのために」と感謝を込めて隅々まできれいに掃除をしていた。
- お別れ会では、練習してきた歌や「お別れの言葉」に想いを乗せ、全身で感謝の気持ちを表現する姿が感動を呼んでいた。
Q5. 葛藤のコントロールと自律心は?
- 遊びの展開で自分のやりたいことがあっても、集団の和を考えて一旦我慢し、全体のルールを優先しようとする高い自律心が芽生えている。
- 集会でお話を聞く場面や順番待ちの際、周囲に合わせ、自分の心を落ち着かせて静かに待つことが習慣化している。
- 勝負に負けて悔し涙を流すこともあったが、すぐに「次は頑張るぞ」と前向きに気持ちを切り替え、相手の健闘を称えることができた。
- 自分の非を認めた際、言い訳をせずに「ごめんなさい」と素直に謝り、次はどうすれば良いかを冷静に考える逞しさがあった。
- 思い通りにならずにイライラした時でも、深呼吸をしたり一度座って考えたりして、自分の力で感情をコントロールしようとしていた。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 運動能力の完成度(縄跳び・鉄棒)は?
- 縄跳びでは二重跳びやあや跳びなどの難易度の高い技に挑戦し、リズムを完璧に掴んで連続で跳び続ける高い調整力を発揮していた。
- 鉄棒では「逆上がり」を軽々とこなし、さらに難度の高い「空中逆上がり」などの技も安定して披露する身体能力の高さが見られた。
- ドッジボール大会において、ボールの軌道を瞬時に察知して素早く避けたり、全身のバネを使って力強いボールを投げたりしていた。
- 登り棒やうんていにおいて、腕の力と脚の踏ん張りを連動させてスルスルと最後まで渡り切り、自分の体を支える筋力が一段と高まった。
- 跳び箱の開脚跳びでは、助走の勢いを掌でしっかりと受け止めて台を突き、空中で足をきれいに開いて軽やかに跳び越えていた。
Q2. 全身運動の調整力(走る・止まる)は?
- リレー遊びにおいて、トップスピードを保ったまま体勢を崩さずにカーブを曲がり、次の友だちへスムーズにバトンを繋いでいた。
- 信号ゲームなどの遊びで、急な「止まれ」の合図にも自分の体をピタッと静止させるなど、優れた反射神経と抑制力を示していた。
- 高い場所から飛び降りる際、着地の瞬間に膝を柔らかく曲げて衝撃を吸収し、安定した着地のポーズを美しく決めていた。
- 複雑なステップを含むダンスやリズム運動を、音楽の拍子に合わせて友だちと呼吸を合わせながらのびのびと楽しんでいた。
- 園庭で激しく動き回る際も、周囲の状況を常に把握し、友だちとぶつからないように進路を瞬時に調整する安全意識が定着している。
Q3. 手指の巧緻性(道具の熟練)は?
- 正しい持ち方で鉛筆を操り、自分の名前や「ありがとう」の文字を、はね・はらいまで意識した整った筆致で丁寧に書いていた。
- 掃除の時間には雑巾をきつく絞って床を磨き、手指の力加減をコントロールして隅々まで汚れを拭き取る力強い動作が見られた。
- 紐結び(蝶結び)を完全にマスターし、自分の靴紐や制作物のリボンを解けないようにきれいに結ぶなど、手先の自立が完成していた。
- ハサミを使い、描かれた複雑な曲線や細かな角も紙を回しながら慎重に切り抜き、卒園制作などの装飾に効果的に活用していた。
- 折り紙の角と角を寸分違わず合わせ、指の腹で丁寧に折り目をつけて、工程の多い「鶴」などの作品を美しく完成させていた。
Q4. 交通安全と通学路への意識は?
- 散歩の道中、信号の変わり目を自分で確認し、左右の安全を確かめてから真っ直ぐ手を挙げて渡るという交通ルールを確実に守っていた。
- 道路の白線の内側を一列で歩き、友だちと広がらないように互いに声を掛け合い、集団の安全を自覚して行動することができた。
- 横断歩道の前で「右、左、右」と声に出して確認し、安全を自分の目で確かめてから一歩踏み出す慎重な姿勢が身についている。
- 曲がり角や見通しの悪い場所では一旦停止し、安全を確かめる習慣が定着しており、自ら身を守る意識が非常に高まっている。
- 「私の学校はあっちなんだよ」と小学校までの通学路を話題にし、歩く練習をしている様子を保育者に意欲的に話していた。
Q5. 体力の向上と持続力は?
- 鬼ごっこやサッカーにおいて、冷たい風の中でも息を切らして長時間走り回り、冬の寒さに負けない逞しい体力が定着している。
- 激しい運動の後も、「疲れたけど楽しかった!」とはじける笑顔を見せ、最後まで諦めずに活動に参加し続ける持続力が見られた。
- 縄跳び大会では、自分の設定した目標回数を目指して、息を整えながら何度も繰り返し跳び続ける集中力と体力を発揮していた。
- 遠くの公園までの散歩でも、足取り軽く友だちとの会話を楽しみ、「まだまだ歩けるよ!」と元気いっぱいに歩ききることができた。
- 自分の体の疲れ具合を客観的に把握し、喉が渇いたら水分を摂るなど、活動と休憩のバランスを自らとって過ごしていた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. 協同的な活動(卒園制作・劇)は?
- 卒園制作に向けてグループで円座になって相談し、デザインの構成や色の配分、役割分担を民主的に話し合って決めていた。
- 劇遊びの練習では、友だちのセリフのタイミングをよく聞き、絶妙な掛け合いを見せながら、一つの物語を共に作り上げる楽しさを味わっていた。
- ホールの壁面装飾を作る際、「ここは青空にしよう」とイメージを共有し、一人ひとりの描いたものが調和するように協力して作り上げた。
- 制作の工程で意見が割れた時も、「両方の案を入れてみよう」と折衷案を出し合い、お互いが納得できる妥結点を見つけていた。
- 卒園という大きな目標に向かって、クラス全員が「心を一つに」という連帯感を持ち、一つの形にする喜びを分かち合っていた。
Q2. リーダーシップと役割意識は?
- グループのリーダーとして友だちの意見を丁寧に聞き、まとめ役となって活動の見通しを立ててリードする姿が見られた。
- 毎日の当番活動において、自分の役割を忘れずに責任を持って遂行し、クラスのみんなの役に立っていることに誇りを感じていた。
- 困っている友だちにいち早く気づき、「こうやるといいよ」と優しくアドバイスをしたり、さりげなく手助けをしたりしていた。
- 交流保育において年下の子の目線に合わせ、靴を履かせてあげたり遊びの輪に誘ったりと、優しく丁寧にお世話をしていた。
- 遊びの中で新しいルールを提案し、「みんなが楽しめるにはどうすればいいか」を常に考えて工夫する姿勢が育っている。
Q3. トラブル解決と交渉力は?
- 意見の食い違いで言い合いになっても、手が出るのではなく、自分たちで納得いくまで話し合って解決策を探ろうとする自律心が見られた。
- 揉め事の際、保育者の仲立ちを待たずに自ら「さっきはごめんね」「いいよ」と言い合い、速やかに関係を修復することができていた。
- 自分の「どうしてもやりたい」という気持ちを抑え、状況を判断して友だちに譲ってあげるなど、相手の立場を思いやる余裕が生まれている。
- ルール違反をした子に対し、一方的に責めるのではなく「ルールを守らないと危ないよ」と理由を説明して注意することができていた。
- 客観的な立場で揉め事の仲裁に入り、双方の言い分を聞いてから「こうしたら公平じゃない?」と冷静に判断しようとする子がいた。
Q4. 公共心とマナーの意識は?
- 廊下を静かに右側歩行したり、挨拶を自分から元気に行ったりと、社会的なマナーが日々の自然な振る舞いとして身についている。
- みんなで使う図書室やホールを使った後は、次に使う人のことを考え、「前よりきれいにしよう」と丁寧に片付けていた。
- 順番待ちの列では割り込みをせず、ルールを守れない子がいても「みんな並んでいるよ」と優しく注意し、みんなでマナーを守ろうとしていた。
- 園庭や散歩道に落ちているゴミに気づくと自ら拾い上げ、「みんなの道だからきれいにしなきゃね」と環境美化に努めていた。
- 園の備品や玩具を「みんなで大切にするもの」と理解し、壊れた箇所を見つけると「直してあげなきゃ」と保育者に知らせ、大切に扱っていた。
Q5. 競争心とスポーツマンシップは?
- ドッジボール大会において、勝つためにチームで円陣を組んで作戦を立て、仲間を信じて力を合わせて戦う一体感を楽しんでいた。
- 接戦で負けてしまい、悔し涙を流しながらも、勝利した相手チームに拍手を送り「おめでとう」と称える潔い姿勢が見られた。
- 失敗した仲間に対し、「どんまい!次があるよ!」と前向きな言葉を掛け合い、チームの士気を高めようとする仲間意識が育っている。
- 決められたルールを厳守し、正々堂々と実力でぶつかり合うこと自体の清々しさを感じ、競い合いの中にある楽しさを味わっていた。
- 運動が苦手な子を責めることなく、「一緒に頑張ろう!」と応援し、クラス全員でゴールを目指そうとする温かな心があった。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 春の自然(変化)への気づきは?
- 園庭の片隅で桜の蕾が赤く膨らんでいるのを見つけ、「中にお花が入ってるね、もうすぐ春だね」と季節の息吹を敏感に感じ取っていた。
- 暖かい日差しに誘われて出てきたテントウムシや、土の中から顔を出したつくしを探し、はじける笑顔で春の訪れを喜んでいた。
- 日光が柔らかく暖かくなったことを肌で感じ、「今日はお洋服がなくてもポカポカだね」と、外気の変化に気づいて薄着を楽しんでいた。
- 秋に植えた球根の芽がぐんと伸びてきたことに気づき、「卒園式にはお花が咲くかな」と生長を楽しみにしながら観察していた。
- 朽ち木の下などで冬越しをしていた小さな虫が動き出す様子をそっと見つめ、命の神秘さに興味を持って観察していた。
Q2. 数量・時間・時計への理解は?
- 壁時計を常に確認し、「長い針が12になったらお片付けの時間」と、時間の約束を意識して見通しを持った行動ができていた。
- 「あと10分で給食だね」と時間の経過を気にかけ、限られた時間の中で何ができるかを見通して行動する力が育っている。
- 卒園カレンダーを指差しながら、「卒園式まであと〇日だね」と数字を数え、一日一日を大切に過ごそうとする時間意識が見られた。
- グループ分けや配膳の際、全体の人数を数えて「足りない分はあと3つだね」と、数量の過不足を論理的に判断して準備していた。
- トランプや双六を通じて、「合わせて10だね」「5引く2は3だね」と、簡単な足し算や引き算の概念を遊びながら理解していた。
Q3. 文字や記号への関心(読み書き)は?
- 自分の名前だけでなく友だちの名前も漢字交じりで読もうとしたり、掲示板の文字に興味を持って声に出して読んだりしていた。
- 先生や友だちへのお礼の手紙を、ひらがな表を見ずに自分の言葉を綴り、正確な文章にして感謝の気持ちを書いていた。
- 絵本コーナーで長いストーリーの絵本もスラスラと読み進め、登場人物の心情や物語の結末を深く理解して楽しんでいた。
- 街中の看板や小学校から届いた時間割表の文字に強い興味を示し、「これは何て書いてあるの?」と熱心に学ぼうとしていた。
- 自分の持ち物や卒園制作の裏に、書き順を意識しながら整った文字で名前を書き、「1年生になる準備」を楽しんでいた。
Q4. 科学的な興味(観察・実験)は?
- 磁石を持って園内を探検し、「S極とN極を合わせるとくっつくよ!」と磁石の性質を利用した面白い動きを自分で発見して遊んでいた。
- 氷が暖かい場所で溶けて水になる様子をじっくり観察し、温度の変化と物の状態の変化の関係に自分なりに気づいていた。
- 手鏡を使って太陽の光を壁に反射させ、光の粒を自由自在に動かす中で、反射の角度によって光の動きが変わることを体感していた。
- コマの回る速さや軸の安定感、凧の揚がる風の受け方などに興味を持ち、「どうすれば長く回るか」を物理的に考えて試していた。
- 昆虫図鑑や植物図鑑を使い、園庭で見つけたものの名前や生態を自分で調べようとする探究心が一段と深まっている。
Q5. 整理整頓や物の管理(就学準備)は?
- 持ち帰る荷物や置いておくものなど、自分のロッカーの中を自分で判断して整理し、小学校生活を見据えて身の回りをきれいに整えていた。
- 玩具を片付ける際、種類別に分類された場所を正確に守り、「次に使う年中さんが迷わないように」ときれいに並べていた。
- マーカーのキャップが緩んでいないか、糊の口が汚れていないかなど、共有の道具を最後まで大切に点検して片付ける責任感が見られた。
- 道具箱の中身を自分で確認し、「鉛筆が短くなったから新しいのを持ってこなきゃ」と、足りないものを保育者に自発的に伝えていた。
- 掃除の時間には、床の隅々まで雑巾がけをしたり、掃き掃除をしたりと、自分たちの過ごした場所を感謝を込めて丁寧に清めていた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 論理的な会話(発表・説明)の力は?
- クラス全員の前で、この一年間の思い出や将来の夢を、堂々とはっきりとした声で、聞き手に伝わる構成で発表していた。
- 意見を述べる際、「私は~だと思う、なぜなら~だからです」と、理由を明確に添えて論理的に筋道立てて話すことが定着している。
- 友だちとのトラブルの際も、一方的に責めるのではなく「最初にああなったから、こう思ったんだよ」と経緯を順序立てて説明できていた。
- 相手からの具体的な質問に対し、質問の意図を正確に捉え、相手が理解しやすい言葉を選んで的確に答えを返していた。
- 自分の頭の中にあるイメージや考えを、接続詞を使って整理し、相手に伝わるように論理的に話す力が見られた。
Q2. 語彙の豊かさと表現力は?
- 「みんなと離れるのは寂しいけれど、卒園するのは誇らしい気持ちだよ」と、複雑な内面の心情を適切な言葉で使い分けていた。
- 園を訪れた園長先生やお客様に対し、「おはようございます」「お世話になります」などの丁寧語(敬語)を場に応じて正しく使い分けていた。
- 絵本や会話から学んだことわざや四字熟語を気に入り、日常の会話の中で「それって〇〇っていうことだね」と適切に引用していた。
- しりとり遊びにおいて、「最後が『ん』にならないように…」と、自分の語彙を総動員して適切な言葉を選び、長く繋げることを楽しんでいた。
- 絵本の中の美しい表現や面白い言い回しを会話に取り入れ、語彙の豊かさを感じさせる生き生きとしたお喋りを楽しんでいた。
Q3. 文字の読み書きへの意欲は?
- 卒園文集の制作において、自分の将来の夢や好きな言葉について、一文字ずつ書き順を確認しながら丁寧に文字を書き上げていた。
- 友だちと手紙の交換を盛んに行い、「今までありがとう」「学校が楽しみだね」と自分の気持ちを文字で伝えることを楽しんでいた。
- 自分の知らない文字や書き方が曖昧な文字に出会うと、五十音表や辞書を自ら開いて調べ、正しく書こうとする探究心が見られた。
- カタカナや数字、簡単な漢字の読み書きにも挑戦し、生活の中にある文字情報を主体的に獲得しようとする意欲が見られた。
- 鉛筆を正しく持ち、トメ・ハネ・ハライを意識した整った文字を書こうとする習慣がしっかりと身についている。
Q4. 物語の創作と共有は?
- 絵本の読み聞かせの後、「もしこの続きがあったら…」と友だちと物語の続きを想像し、さらに劇遊びへと発展させていた。
- 自由画帳に描いた絵に沿って、自分なりに「むかしむかしあるところに…」とストーリーを書き込み、自作の絵本を完成させていた。
- 週末に経験したことを、出来事の順番だけでなく自分の心の動きも交えて「日記」のように話し、聞き手に情景が浮かぶように伝えていた。
- ペープサートや人形劇において、役になりきって声色を変えたり、感情に合わせた抑揚をつけたりして、お話の世界を豊かに表現していた。
- 保育者の語る「素話」にじっと耳を傾け、挿絵がなくても頭の中に鮮やかな映像を映し出して、物語の世界に没入して楽しんでいた。
Q5. グループ討議(話し合い)の力は?
- 卒園制作の内容について、自ら司会役を買って出て「他に意見はありませんか?」と進行し、みんなの考えをまとめようとする姿が見られた。
- 他の友だちが話している時は話を遮らずに最後まで聞き、話し終わってから手を挙げて発言する、民主的な対話のルールが確立している。
- 自分とは違う少数意見に対しても「あ、それもいいアイデアだね」と一旦受け入れ、多角的に物事を検討しようとする柔軟さが見られた。
- 納得いくまで粘り強く話し合い、全員で決めた決定事項には「自分たちの約束」として責任を持って守ろうとする姿勢があった。
- 友だちの意見に共感すると深く頷いたり、「私もそう思ってた!」と応答したりして、言葉による心の通い合いを大切にしていた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(思い出画・自画像)の表現力は?
- 保育園での一番の思い出を、人物の配置や重なり、奥行きなどを意識した高度な描写で、画用紙いっぱいに力強く描いていた。
- 鏡をじっくりと見つめ、目や鼻の形、髪の毛の流れなどの特徴を捉えた「自画像」を描き、自分の存在を客観的に表現していた。
- 遠近法や重なりを意識して、「お庭の木が後ろにあるんだよ」と空間を意識した構図を自分なりに工夫して描いていた。
- 空のグラデーションや地面の複雑な色を表現するために、複数の色を混ぜ合わせて自分だけの色を作り、丁寧に塗り込んでいた。
- 描き上げた自分の絵に対して、「ここはこうやって描いたんだよ」と工夫した点や込めた思いを、誇らしげに説明してくれた。
Q2. 制作活動(卒園制作・プレゼント)は?
- お世話になった保育者や家族に向けて、「ありがとう」の気持ちを込めた手作りプレゼントを、細部まで丁寧に心を込めて制作していた。
- 卒園制作において、「ここはみんなで繋げよう」と友だちと相談しながら、大きな共同作品を力を合わせて作り上げた。
- 空き箱やペットボトルなどの廃材を「これは土台にする」「こっちは屋根」と計画的に組み合わせ、立体的で頑丈な作品を工夫して作っていた。
- 制作を始める前に「どんな形にするか」という簡単な設計図を自分で描き、必要な材料を自分で選んでから取り掛かる計画性が見られた。
- 丁寧に仕上げようという意志が強く、糊の量やテープの貼り方、色の塗り方などを最後まで根気強く丁寧に取り組んでいた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- 卒園式で歌う歌の歌詞を一言ずつ丁寧に噛み締め、情景を思い浮かべながら、心を一つに合わせて感情豊かに歌い上げていた。
- 複数の楽器による合奏において、指揮者の動きをよく見てリズムを合わせ、自分のパートが全体の音と調和する心地よさを感じていた。
- 曲の雰囲気に合わせて歌声に強弱をつけたり、表情を変えたりして、音楽から受ける感動を心で表現していた。
- 友だちとパートに分かれて歌う合唱に挑戦し、自分たちの声が重なり合って一つの美しいハーモニーになることを楽しんでいた。
- 遊びの最中にその時の嬉しい気持ちを即興のメロディに乗せて歌い、音楽を自己表現の手段として自在に楽しんでいた。
Q4. 劇遊びや身体表現は?
- 劇ごっこでは役になりきり、舞台の端まで届く大きな声とはっきりとした滑舌で、感情を込めたセリフ回しを披露していた。
- 友だちと視線を合わせ、セリフに合わせた身振り手振りや間を大切にするなど、絶妙な掛け合いを楽しみながら劇を作り上げていた。
- 役に必要な衣装や小道具を自分たちで工夫して自作し、物語の世界観を自分たちの手で演出していた。
- 恥ずかしがらずに、みんなの前で堂々と、これまで培ってきた力を出し切って表現することができていた。
- 喜びや驚きといった感情を、顔の表情だけでなく身体全体を使った大きな動きでダイナミックに表現していた。
Q5. 感動や美しさへの感性は?
- 庭に咲き始めた梅の花をそっと覗き込み、「春の匂いがするね」とはじける笑顔で、季節の訪れを五感を通して喜んでいた。
- 友だちが描いた絵や作った作品の素晴らしい点を具体的に見つけ、「この色使いがすごく素敵だね」と、仲間の表現を心から褒めていた。
- 音楽を聴いて、「なんだか寂しい気持ちになる曲だね」「元気が出るね」と、音楽から受ける情動を素直に言葉にしていた。
- 卒園式の練習を通じて、静まり返ったホールの中にある厳かな雰囲気を感じ取り、身を引き締めて臨むなど、状況に応じた感性が見られた。
- クラス全員で大きな卒園制作や合唱をやり遂げた瞬間に、仲間と顔を見合わせて、「みんなで力を合わせたからだね!」と、共鳴し合う喜びを分かち合っていた



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