保育士として勉強をしよう!と思った一つのきっかけ
一人旅が好きで色々と出かけていた時期がありました。 一人で出かけ、だれを気にすることなく過ごすことができるのが最大の魅力で いろんな人に出会えるのも楽しかったんです。
名古屋に行った時、名古屋城の前を通ったので、お城に興味があるわけでも無かったけど、 せっかく来たし見ておこうーって軽い気持ちで立ち寄ることにしました。
もうすぐ名古屋城に着こうかというときに、路上販売をしている80代くらいのおばあさんがいました。
木を彫刻して作った素敵な小物や色鮮やかな鳥の置物などを売っていたんです。
「これ可愛いですね。自分で作ったやつですか?」と聞くと
「そうよ。ありがとう。お兄ちゃんはどこから来たの?」と返してくれたので少し会話を楽しむことにしました。
そのおばあさんは、夫が旅立って一人になってしまったことや子どもたちは都会に働きに出てることなどを話してくれました。
いろんな話をする中で、職業の話になりお兄ちゃんは何をしてる人?と聞かれたので、「 保育士をしています。」と伝えたのですが、
それを聞いたおばあさんは、「私は、あまり良い思い出がないのよね。」とぼそりと答えました。
「保育園の思い出ですか?」と聞くと
「私は幼稚園に通っていたんだけどね。今はこうやって色んなものを作って売ってるけど、本当は何かを作るってとっても苦手で大っ嫌いだったのよ。」と、教えてくれました。
「こんなに上手に作れるのに??何でですか??」と聞くと、「何故大っ嫌いになったかというとね。私が幼稚園だった頃、造形の時間に粘土で動物を作ろうという授業があってね。私は 象を一生懸命つくったのよ。 それでね。出来上がって、嬉しくて、先生にできたよ!って見せに行ったのよ。
すると・・・先生は私に「ん~象はもっと鼻が長いわ。ここをこうしてこうやったらいいわ。あと、耳はもう少しここをおおきくして、、はい。出来上がり。」と手を加えたのよ。
私には衝撃だった。じぶんが一生懸命がんばって作った象。 その象はそこには無かった。
先生の手を加えたものが正解で、私の作った象は駄目だったんだと思い、とっても悲しかった。
自分は思った通りの物を作ってはいけないのだとも思った。 その日から私は絵をかくのも何かを作るのもとっても嫌いになったのよ。
そこから色々あってこんな小物を作ろうと思ったのは60歳の時。
嫌いだと思いこんでいた創作が楽しく感じたのよ。
自分が作った物を「素敵ですね。」とうれしい言葉もたくさんいただけたの。
物作りが楽しいんだ!と気が付けたのは60歳になってからよ。
作り始めてから何回か賞もいただいたことがあるのよ。
私は幼稚園の先生を恨んだわ。
あの時から物作りに目覚めていればもっとすごいものが出来たかもしれないのに。
もっと違う人生が歩めたのにってね。
お兄ちゃんはそんな先生にならないようにね。
大人のちょっとした一言でその子の人生をおおきく左右してしまう職業だとしっかり胸に刻んでね。
そんな話だった。
僕にも思い当たる節がある。。
絵が嫌いになったきっかけが確かにある。
それも大人の何気ない一言が原因だった。
どんな言葉や言動がその子の胸をえぐるかはわからない。
でも、そうならないように気を付けようと思うことは出来る。
子供の心をえぐらないように
その子が輝けるように
日々保育をしていきたい。
そのために僕はたくさん勉強をしようと決意しました。
保育園の誰よりもたくさん研修に行くようになりました。
いいきっかけです!
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