5歳児クラス(年長)の12月は、2学期の締めくくりとして、クラスの団結力がさらに深まる時期です。 クリスマスへの夢や期待を友だちと語り合ったり、年末の大掃除を通して「場を清める」心地よさを知ったりと、心身ともに充実した時間を過ごします。
もくじ
12月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
発表会やクリスマス会などの行事を通して、友だちと協力して成し遂げる喜びを味わいます。年末には大掃除を行い、自分たちの使っている部屋や道具に感謝し、新年を迎える準備をする中で、社会的な役割や規範意識が育ちます。
子どもにとってどんな時期?
サンタクロースの存在に想像を膨らませたり、年賀状ごっこで文字への関心を深めたりと、知的・文化的な興味が高まります。寒さに負けず、ドッジボールや縄跳びなどの運動遊びにも熱中します。就学に向けて、時計を見て行動するなど、生活の見通しを持つ力がさらに強まります。
12月に特に観たい発達テーマ
- 行事への取り組みと想像力(クリスマス、伝統文化)
- 社会性と協力(大掃除、グループ活動、ルール)
- 文字・数・時間への関心(手紙、カレンダー、時計)
- 冬の健康と体力作り(縄跳び、マラソン、衛生管理)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. 寒さに応じた衣服の調節(自己管理)は?
- 登園後、室温や活動に合わせて衣服を脱ぎ着していた。
- 「走ると暑くなるから」と、運動前に上着を脱いでいた。
- 脱いだ服を丁寧に畳み、袖が出ないように整えていた。
- 肌着の乱れに気づき、ズボンに入れて身だしなみを整えていた。
- ボタンやファスナー、リボン結びなどをスムーズに行っていた。
Q2. 冬の衛生習慣(手洗い・うがい・咳エチケット)は?
- 外から帰ると、自発的に「ガラガラうがい」をしていた。
- 石鹸を泡立て、手首や爪の間まで丁寧に洗っていた。
- 咳やくしゃみが出る時、腕や手で口を覆っていた。
- 鼻水が出ると自分でかみ、ゴミ箱に捨てて手を洗っていた。
- 食事の前にテーブルを拭き、清潔な環境を作っていた。
Q3. 食事のマナーと食具の扱いは?
- 箸を正しく持ち、小さな食材も器用に運んでいた。
- 姿勢を正し、食器を持ってこぼさずに食べていた。
- 口に物が入っている時は手で合図し、飲み込んでから話していた。
- 栄養のバランスを考え、「野菜も食べる」と意欲を見せていた。
- 食後、食器の種類ごとにきれいに重ねて片付けていた。
Q4. 排泄(トイレ)の習慣と見通しは?
- 活動の切れ目や外出前に、自分からトイレに行っていた。
- トイレットペーパーの使用量を調節し、きれいに拭いていた。
- スリッパの乱れに気づき、次の人のために揃えていた。
- 排泄後の手洗いを丁寧に行い、ハンカチで拭いていた。
- 遊びに夢中でも尿意を感じ、早めにトイレに行けていた。
Q5. 睡眠(午睡)の質と目覚めは?
- 戸外で体を動かした日は、布団に入るとすぐに熟睡していた。
- なかなか寝付けない時も、静かに横になって体を休めていた。
- 咳が出る時はマスクをしたり横を向いたりと、自分で調整していた。
- 目覚めが良く、自分で布団を畳んで端を揃えていた。
- 起きた後、髪の乱れや服装を鏡を見て直していた。
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 行事(クリスマス)への期待と想像力は?
- サンタクロースへの手紙を書き、期待を膨らませていた。
- 「サンタさんはどこから来るの?」と友だちと想像を語り合っていた。
- アドベントカレンダーを見て、クリスマスまでの日数を数えていた。
- 部屋の飾り付けを見て、「きれいだね」と心を躍らせていた。
- プレゼントを楽しみにしつつ、感謝の気持ちを持っていた。
Q2. 友だちとの関係(信頼・協力)は?
- 困っている友だちに気づき、「どうしたの?」と声をかけていた。
- グループ活動で意見が割れた時、話し合いで解決しようとしていた。
- 友だちの良いところを認め、「すごいね」と褒めていた。
- 自分の思いを言葉で伝え、相手の気持ちも聞こうとしていた。
- 秘密を共有したり、相談し合ったりして絆を深めていた。
Q3. 葛藤のコントロールと自律心は?
- 負けて悔しい気持ちを堪え、「次は頑張る」と言葉にしていた。
- 遊びを中断しなければならない時、納得して切り替えていた。
- 順番待ちやルールを守る場面で、自分を律することができた。
- 友だちにきつい言い方をした後、反省して謝っていた。
- 興奮しすぎた時に、深呼吸をして落ち着こうとしていた。
Q4. 自信と意欲(就学への意識)は?
- 「もうすぐ1年生」という意識を持ち、年下の子に優しくしていた。
- 難しい課題(縄跳びや編み物)にも、諦めずに挑戦していた。
- 係活動や当番活動を、責任を持って最後までやり遂げていた。
- 自分の得意なことを友だちや保育者に披露し、自信をつけていた。
- 失敗しても「もう一回やる」と、前向きに取り組んでいた。
Q5. 保育者との関わり(対等な対話)は?
- 自分の考えや理由を、筋道立てて保育者に話していた。
- 悩みや不安な気持ちを、信頼して打ち明けていた。
- 楽しい出来事を報告し、共感してもらうと満足そうだった。
- 保育者の提案に対し、「それもいいね」と意見を言っていた。
- 甘えたい時はスキンシップを求め、安心すると活動に戻った。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 寒さに負けない体づくり(運動)は?
- 寒い日でも「外に行こう」と誘い、元気に走り回っていた。
- 縄跳び(前跳び、後ろ跳び、あや跳び)に意欲的に挑戦していた。
- ドッジボールで、ボールを素早く避けたり力強く投げたりしていた。
- マラソン遊びで、自分のペースで最後まで走りきっていた。
- 鬼ごっこで、巧みな身のこなしで逃げたり追いかけたりしていた。
Q2. 手指の巧緻性(道具の熟練)は?
- ハサミで複雑な曲線を切り抜き、制作に活用していた。
- 毛糸を使った編み物(リリアンや指編み)に集中して取り組んでいた。
- 雑巾を固く絞り、床拭き掃除を力強く行っていた。
- 折り紙の角と角をきっちり合わせ、難しい作品を折っていた。
- 鉛筆を正しく持ち、筆圧を調整して文字を書いていた。
Q3. 遊具や用具を使った運動能力は?
- 鉄棒で「逆上がり」や「連続前回」などができるようになった。
- 跳び箱の開脚跳びに挑戦し、手をついて体を押し出していた。
- 竹馬や一輪車に乗り、バランスを取って進めるようになった。
- 大縄跳び(長縄)に入って、連続で跳ぶことができた。
- ボールつき(ドリブル)を長く続けることができた。
Q4. 集団遊びでのルール理解(運動)は?
- ドッジボールの公式ルール(内野外野、ボール権)を理解していた。
- 「氷鬼」や「増え鬼」など、ルールの変化を楽しんでいた。
- リレー遊びで、チームで作戦を立てて競い合っていた。
- 審判役を自分たちで行い、公平にジャッジしようとしていた。
- ルール違反について議論し、自分たちで解決しようとしていた。
Q5. 危険回避と安全への意識は?
- 友だちとぶつからないように、周りを見て動いていた。
- 道具(彫刻刀や針など)の危険性を理解し、慎重に扱っていた。
- 散歩中、交通ルールを守り、小さい子を誘導していた。
- 危険な場所には近づかず、安全な場所を選んで遊んでいた。
- 準備体操をしっかり行い、怪我の予防を意識していた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. 協同的な活動(大掃除・制作)は?
- 年末の大掃除で、役割分担をして教室をきれいにしていた。
- グループで協力して、大きなクリスマスツリー(壁面)を作っていた。
- 劇遊びの小道具や背景を、みんなで作っていた。
- 飼育小屋の掃除を、友だちと協力して行っていた。
- 一つの目標に向かって、声を掛け合いながら取り組んでいた。
Q2. 話し合い(会議)の力は?
- グループのリーダーを中心に、意見を出し合って決めていた。
- 友だちの意見を聞き、「それもいいね」と受け入れていた。
- 意見が対立した時、多数決や譲り合いで解決しようとしていた。
- 自分の考えだけでなく、全体の利益を考えようとしていた。
- 話し合いで決まったルールを、みんなで守ろうとしていた。
Q3. 年下の子や異年齢児への関わりは?
- 散歩で年少児の手を引き、車道側を歩いてあげていた。
- 泣いている子を慰めたり、玩具を貸してあげたりしていた。
- クリスマス会で、小さい子に手作りのプレゼントを渡していた。
- 「かわいいね」と言って、優しく接する姿が見られた。
- お兄さん・お姉さんとしての自覚を持ち、手本になろうとしていた。
Q4. 公共心とマナー(社会性)は?
- みんなで使う玩具や道具を大切にし、整理整頓していた。
- 廊下や階段での歩き方(右側通行)を守っていた。
- 挨拶を自分から進んで行い、場に応じた言葉遣いをしていた。
- 順番待ちの列を守り、割り込みなどを注意していた。
- 落ちているゴミを拾い、環境美化に努めていた。
Q5. 競争心と仲間意識は?
- チーム対抗のゲームで、作戦を立てて協力していた。
- 負けて悔しがり、「次は絶対勝つ」と闘志を燃やしていた。
- 勝ったチームを称え、拍手を送ることができた。
- 苦手な子を応援し、励まし合う姿が見られた。
- クラス全員で達成感を味わい、絆を深めていた。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 冬の自然(寒さ・植物)への興味は?
- 吐く息が白くなることに気づき、「ハァー」として楽しんでいた。
- 霜柱を見つけ、踏んだ時の音や感触を楽しんでいた。
- 冬の星座や月の形に興味を持ち、図鑑で調べていた。
- 落ち葉の下にいる虫を探し、冬越しの様子を観察していた。
- 木の葉が落ちて枝だけになった木を見て、季節の変化を感じていた。
Q2. 数量・図形・時間への関心は?
- 時計を見て、「長い針が12になったら給食」と見通しを持っていた。
- カレンダーを見て、クリスマスやお正月までの日数を数えていた。
- 「100まで数えられるよ」と、大きな数への関心を示していた。
- トランプや双六遊びで、数の合成や分解を経験していた。
- 形(円柱、立方体)を組み合わせて、立体的な作品を作っていた。
Q3. 文字や記号への関心(手紙・年賀状)は?
- サンタさんへの手紙を、ひらがなで一生懸命書いていた。
- 年賀状ごっこで、友だちの住所や名前を書こうとしていた。
- 絵本を自分で読み、物語の世界を楽しんでいた。
- 街中の看板やカレンダーの漢字に興味を持ち、読み方を聞いていた。
- 五十音表を見て、書き順を確認しながら書いていた。
Q4. 科学的な興味(観察・実験)は?
- 氷が溶ける様子や、水が凍る不思議さに興味を持っていた。
- 磁石につくものとつかないものを探し、法則性を見つけていた。
- 鏡の反射を使って、光を動かして遊んでいた。
- 静電気遊びをして、髪の毛が逆立つ様子を楽しんでいた。
- 楽器の音が出る仕組みに興味を持ち、観察していた。
Q5. 整理整頓や物の管理(大掃除)は?
- 年末の大掃除で、雑巾がけや棚の整理を丁寧に行っていた。
- 自分のロッカーの中を整理し、不要なものを処分していた。
- 玩具の片付け場所を分類し、きれいに並べていた。
- 壊れた玩具を見つけると、修理を頼んだり報告したりしていた。
- 共用の道具を大切に使い、最後まで片付けていた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 論理的な会話(説明・説得)は?
- 「~だから、~したい」と、理由を明確に述べていた。
- 遊びのルールを、知らない友だちに分かりやすく説明していた。
- トラブルの経緯を、順序立てて客観的に話していた。
- 相手の意見を聞き、「なるほど」と理解を示していた。
- グループの話し合いで、自分の考えを堂々と発表していた。
Q2. 文字の読み書きへの意欲は?
- 自分の名前だけでなく、友だちの名前も読み書きしていた。
- 「ありがとう」などのメッセージを文字で伝えようとしていた。
- 絵本のタイトルを読み、自分で選んでいた。
- カタカナや数字にも興味を持ち、書こうとしていた。
- 分からない字があると、保育者や友だちに聞いていた。
Q3. 語彙の豊かさと表現力は?
- 「ワクワクする」「残念だ」など、感情を表す言葉を使い分けていた。
- オノマトペや比喩を使い、臨場感たっぷりに話していた。
- ニュースやテレビで覚えた難しい言葉を使ってみていた。
- 敬語(丁寧語)を意識して、園長先生やお客様と話していた。
- しりとりで、「ん」がつかないように言葉を選んで続けていた。
Q4. 物語の創作と共有は?
- 続きのストーリーを想像し、友だちと語り合っていた。
- 自分で絵本を作り、ストーリーを書き込んでいた。
- ペープサートや人形劇で、役になりきってセリフを言っていた。
- 経験したことを日記のように話し、聞かせてくれた。
- 素話を聞いて、頭の中でイメージを映像化していた。
Q5. コミュニケーションの広がりは?
- 異年齢の子とも、相手に合わせた言葉で話していた。
- 電話ごっこで、顔が見えない相手との会話を楽しんでいた。
- なぞなぞやクイズを出し合い、言葉遊びを楽しんでいた。
- 秘密の話をして、友だちとの絆を深めていた。
- 挨拶や返事が、場に応じて適切にできていた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(イメージの表現)の充実は?
- クリスマスの楽しい雰囲気を、色使いや構図で表現していた。
- 人物の動き(走る、踊る)を意識して描けるようになった。
- 背景まで丁寧に塗り込み、画面全体を使っていた。
- 観察した冬の木や花を、特徴を捉えて描いていた。
- 描いた絵にストーリーがあり、説明しながら描いていた。
Q2. 制作活動(素材の活用・工夫)は?
- 松ぼっくりや枝を使って、クリスマスリースを作っていた。
- 廃材を組み合わせ、立体的で複雑な作品を作っていた。
- 折り紙でサンタやブーツなど、季節のものを折っていた。
- 必要な材料を自分で選び、工夫して使っていた。
- 友だちと協力して、大きな壁面制作に取り組んでいた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- クリスマスソングを、歌詞を理解して感情を込めて歌っていた。
- 楽器(ハンドベル、木琴)の合奏で、音を合わせる楽しさを感じていた。
- 曲のイメージに合わせて、即興でダンスを創作していた。
- 輪唱や合唱に挑戦し、ハーモニーを楽しんでいた。
- 複雑なリズムを手拍子や足踏みで表現していた。
Q4. 劇遊びやごっこ遊びの演出は?
- 役になりきって、抑揚をつけたセリフ回しをしていた。
- 衣装や小道具を自分たちで作り、世界観を表現していた。
- 劇のストーリーをみんなで考え、アレンジしていた。
- 観客を意識して、大きな声や動作で演じていた。
- サンタさんになりきって、プレゼントを配る真似をしていた。
Q5. 感動や美しさへの感性は?
- イルミネーションやツリーを見て、「きれいだね」と感動していた。
- 雪が降った時、静けさや白さに美しさを感じていた。
- 友だちの作品の良いところを見つけ、具体的に褒めていた。
- 音楽を聴いて、「楽しい曲」「静かな曲」と感じていた。
- みんなで力を合わせて成し遂げた瞬間に、喜びを共有していた。



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