【5歳児2月】今の姿を引き出す観察質問リスト&文例集(五領域+養護)

5領域メーカー

5歳児クラス(年長)の2月は、卒園・就学を目前に控え、1年間の、そして園生活全体の集大成となる時期です。 「もうすぐ1年生」という自覚が生活態度や言葉遣いに表れ、友だちと協力して活動する姿や、年下の子を思いやる姿に頼もしさを感じます。

2月の特徴と観察ポイント

クラスにとってどんな時期?

卒園制作や、お別れ会などの行事に向けて、クラス一丸となって取り組む時期です。小学校への訪問や、交通安全教室などを通して、就学への具体的なイメージを持ち始めます。仲間との絆が深まり、トラブルが起きても自分たちで解決する力が育っています。

子どもにとってどんな時期?

生活習慣が確立し、自分のことはもちろん、クラスの役割(当番活動など)も責任を持って行います。学習的な要素(文字、数、時間)への関心が高まり、遊びの中に取り入れる姿が見られます。別れの寂しさと新しい世界への期待が入り混じる、心の成長期でもあります。

2月に特に観たい発達テーマ

  1. 就学への期待と自信(ランドセル、通学路、自立心)
  2. 社会性と協同性(話し合い、ルールの共有、思いやり)
  3. 文字・数・時間への理解(時計を読む、手紙を書く)
  4. 豊かな表現力(思い出画、合奏、劇遊び)

🌿 養護(生活・情緒)

🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)

Q1. 就学を見据えた食事のマナーと時間は?

  • 小学校の給食時間を意識し、時計を見ながら食べ終わるようにしていた。
  • 背筋を伸ばし、食器を持って正しい姿勢で食べていた。
  • 箸を正しく使い、小さな豆や麺類も上手に食べていた。
  • 栄養のバランスを考え、「野菜も食べると強くなる」と話していた。
  • 配膳や片付けをスムーズに行い、友だちと協力していた。

Q2. 健康管理(衛生・安全)の自己判断は?

  • 外から帰ると、丁寧に手洗い・うがいをしていた。
  • 鼻水が出ると自分でかみ、始末まで一人で行っていた。
  • 自分の体調不良(頭痛、寒気など)を、言葉で具体的に伝えていた。
  • 危険な場所や行動を判断し、自分から避けていた。
  • 爪が伸びていることに気づき、切るように家庭に伝えていた。

Q3. 衣服の調節と身だしなみは?

  • 活動量や室温に合わせて、自分で衣服の脱ぎ着をしていた。
  • 脱いだ服をきれいに畳み、ロッカーの中を整頓していた。
  • シャツの裾が出ていると、ズボンに入れて身だしなみを整えていた。
  • ハンカチとティッシュをポケットに入れ、必要な時に使っていた。
  • ボタンやファスナー、リボン結びなどをスムーズに行っていた。

Q4. 排泄(トイレ)の習慣とマナーは?

  • 学校生活を意識し、休み時間にトイレに行く習慣をつけていた。
  • 和式トイレの使い方をマスターし、失敗なく排泄できていた。
  • トイレットペーパーの芯を替えたり、スリッパを揃えたりしていた。
  • 排泄後の手洗いを丁寧に行い、ハンカチで拭いていた。
  • 尿意を感じて早めに行くことができ、失敗はなかった。

Q5. 睡眠(午睡)の調整と目覚めは?

  • 就学に向けて午睡をなくし、静かに過ごす時間を作っていた(園による)。
  • 午睡がある場合も、短時間ですっきり目覚めていた。
  • 自分の布団を敷いたり畳んだりするのを、進んで行っていた。
  • 咳が出る時は横向きになるなど、自分で体勢を調整していた。
  • 起きた後、髪の乱れや服装を鏡を見て直していた。

💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)

Q1. 就学への期待と不安は?

  • 「ランドセルは何色だよ」と、嬉しそうに友だちと話していた。
  • 小学校探検に行き、「広いね」「勉強楽しみ」と期待を膨らませていた。
  • 離れ離れになる友だちと、「手紙書くね」と約束していた。
  • 「1年生になれるかな」と不安を口にしたが、励ますと安心していた。
  • 卒園までの日数を数え、一日一日を大切に過ごしていた。

Q2. 友だちとの関係(信頼・解決)は?

  • 意見が対立しても、話し合いで妥協点を見つけていた。
  • 困っている友だちに気づき、自分から声をかけて助けていた。
  • 友だちの良いところを認め、「すごいね」と褒め合っていた。
  • グループで協力して活動し、達成感を共有していた。
  • 自分の非を認め、素直に謝って仲直りできていた。

Q3. 自信と自立心(自己肯定感)は?

  • 「自分でできるから大丈夫」と、自信を持って行動していた。
  • 難しい課題(縄跳びや鉄棒)にも、諦めずに挑戦し続けていた。
  • 係活動や当番活動を、責任を持って最後までやり遂げていた。
  • みんなの前で発表する時に、堂々とした態度で話していた。
  • 小さい子のお世話をすることで、頼りにされる喜びを感じていた。

Q4. 葛藤のコントロールと我慢は?

  • 負けて悔しがりながらも、相手チームに拍手を送っていた。
  • 自分のやりたいことを我慢し、集団のルールを優先できた。
  • 遊びを中断しなければならない時、納得して切り替えていた。
  • イライラした時に深呼吸をするなど、自分で落ち着こうとしていた。
  • 理由を説明されると、納得して待つことができた。

Q5. 保育者との関係(対等な対話)は?

  • 自分の考えや理由を、筋道立てて保育者に話していた。
  • 悩みや相談事を、信頼して打ち明けていた。
  • 保育者と冗談を言い合ったり、共通の話題で盛り上がったりしていた。
  • 「先生、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えていた。
  • 甘えたい時はスキンシップを求め、心のバランスをとっていた。

🌸 五領域(遊びと活動)

🩵 健康(身体機能・運動・安全)

Q1. 運動能力(縄跳び・ボール)の向上は?

  • 縄跳び(あや跳び、二重跳び)に挑戦し、連続で跳べるようになった。
  • ドッジボールで、ボールを素早く避けたり、強く投げたりしていた。
  • 走り縄跳びで、スピードを落とさずに園庭を回っていた。
  • ボールをドリブルしながら進み、シュートを決めていた。
  • 逆上がりや空中逆上がりを、スムーズに行っていた。

Q2. 集団遊びのルール理解と作戦は?

  • ドッジボールのルール(外野からの復帰など)を理解し、楽しんでいた。
  • チームで作戦を立て、「パス回そう」など声を掛け合っていた。
  • リレーで、バトンパスのタイミングを合わせていた。
  • サッカーの試合形式で、ゴールを守ったり攻めたりしていた。
  • 審判役を自分たちで行い、公平にジャッジしていた。

Q3. 手指の巧緻性(道具の熟練)は?

  • ハサミで細かい曲線を切り抜き、制作に活用していた。
  • 鉛筆を正しく持ち、筆圧を調整して文字を丁寧に書いていた。
  • 雑巾を固く絞り、床拭き掃除を力強く行っていた。
  • 紐結び(蝶結び)をマスターし、靴紐やエプロンを結んでいた。
  • 編み物や縫いさしなどの細かい作業に、集中して取り組んでいた。

Q4. 交通安全と危険回避の意識は?

  • 散歩中、信号を見て左右を確認し、手を挙げて渡っていた。
  • 白線の内側を歩き、広がらないように意識していた。
  • 「危ないよ」と友だちに注意し、安全を守ろうとしていた。
  • 遊具の正しい使い方を守り、小さい子にも教えていた。
  • 転んだ時にとっさに手をつき、体を守ることができた。

Q5. 体力の向上と活動量は?

  • 寒さに負けず、マラソンや鬼ごっこで長時間走り回っていた。
  • 息を切らしながらも、最後まで諦めずに活動していた。
  • 竹馬や一輪車に乗り、バランスを取って進めるようになった。
  • 高いところから飛び降り、着地の衝撃を膝で吸収していた。
  • 自分の体力を知り、無理なく休憩をとっていた。

🧡 人間関係(友だち・協同)

Q1. 協同的な活動(卒園制作・劇)は?

  • グループで相談し、卒園制作のデザインや役割を決めていた。
  • 劇遊びで、友だちとセリフを掛け合い、ストーリーを作り上げていた。
  • みんなで協力して、大きな壁面飾りを完成させていた。
  • 意見が割れた時、話し合いで解決策を見つけていた。
  • 一つの目標に向かって、クラス全員で団結していた。

Q2. リーダーシップとフォロワーシップは?

  • 遊びの提案をし、みんなをまとめる役割を担っていた。
  • リーダーを支え、必要な準備や片付けを進んで行っていた。
  • 困っている友だちやグループに気づき、手助けしていた。
  • 話し合いの司会進行を、自分たちで行っていた。
  • 友だちの意見を尊重し、「それいいね」と受け入れていた。

Q3. 年下の子への関わりと優しさは?

  • 散歩で年少児の手を引き、車道側を歩いてあげていた。
  • 靴の履き方や遊び方を、優しく教えてあげていた。
  • 泣いている子を慰めたり、玩具を貸してあげたりしていた。
  • お別れ会でプレゼントを渡し、「遊んでくれてありがとう」と言っていた。
  • 憧れられる存在として、かっこいい姿を見せようとしていた。

Q4. 公共心とマナーの意識は?

  • みんなで使う場所(ホール、園庭)をきれいに片付けていた。
  • 挨拶を自分から進んで行い、場に応じた言葉遣いをしていた。
  • 順番待ちの列を守り、割り込みなどを注意していた。
  • 落ちているゴミを拾い、環境美化に努めていた。
  • 図書館の本や備品を、大切に扱っていた。

Q5. 競争心とスポーツマンシップは?

  • 勝負にこだわり、本気で悔しがったり喜んだりしていた。
  • 負けても相手チームに拍手を送り、健闘を称えていた。
  • 「次は絶対勝つぞ」と、チームで励まし合っていた。
  • ルールを守って正々堂々と戦うことを楽しんでいた。
  • 苦手な子を責めず、応援して支えていた。

💛 環境(自然・物・数量)

Q1. 冬から春への変化(自然)への気づきは?

  • 梅の蕾が膨らんでいるのを見つけ、「もうすぐ春だね」と話していた。
  • 霜柱や氷の冷たさを感じ、冬の自然を楽しんでいた。
  • 日差しが暖かくなったことを感じ、薄着になりたがっていた。
  • 球根の芽が出てきたことに気づき、生長を喜んでいた。
  • 冬越しの虫を見つけ、そっと観察していた。

Q2. 数量・図形・時間への関心は?

  • 時計を見て、「長い針が12になったら給食」と行動していた。
  • カレンダーを見て、卒園までの日数を数えていた。
  • 人数を数えて、チーム分けや配り物をしていた。
  • 「100まで数えられるよ」と、大きな数への関心を示していた。
  • トランプや双六遊びで、足し算や引き算の基礎を経験していた。

Q3. 文字や記号への関心は?

  • 友だちや先生への手紙を、ひらがなで書いていた。
  • 自分の名前だけでなく、苗字や住所も書こうとしていた。
  • 絵本をスラスラと読み、友だちに読み聞かせをしていた。
  • 街中の看板やカレンダーの漢字に興味を持ち、読み方を聞いていた。
  • 五十音表を見ずに、文章を書けるようになってきた。

Q4. 科学的な興味(観察・実験)は?

  • 磁石の性質(S極・N極)を利用して遊んでいた。
  • 氷が溶ける様子を観察し、「水になった」と変化に気づいていた。
  • 鏡の反射を使って、光を動かして遊んでいた。
  • 風の強さによって、凧の上がり方が違うことに気づいていた。
  • 楽器の音が出る仕組みに興味を持ち、観察していた。

Q5. 整理整頓や物の管理は?

  • 自分のロッカーの中を整理し、持ち帰るものと置いておくものを分けていた。
  • 玩具の片付け場所を分類し、きれいに並べていた。
  • 共有の道具(マーカー、糊)の蓋を閉め、大切に使っていた。
  • 壊れた玩具を見つけると、修理を頼んだり報告したりしていた。
  • 掃除の時間に、雑巾がけや掃き掃除を丁寧に行っていた。

💚 言葉(理解・発語・会話)

Q1. 論理的な会話(説明・発表)の力は?

  • クラスのみんなの前で、思い出や夢を発表していた。
  • 「~だから、~だと思う」と、理由を明確に述べていた。
  • トラブルの経緯を、順序立てて客観的に話していた。
  • 相手の質問に対して、的確な答えを返していた。
  • 自分の考えを整理して、相手に伝わるように話していた。

Q2. 語彙の豊かさと表現力は?

  • 「感動した」「寂しい」など、複雑な感情を表す言葉を使っていた。
  • 敬語(丁寧語)を意識して、園長先生やお客様と話していた。
  • ことわざや四字熟語に興味を持ち、意味を知ろうとしていた。
  • しりとり遊びで、語彙の豊富さを見せていた。
  • 絵本に出てくる言葉を引用して、会話に使っていた。

Q3. 文字の読み書きへの意欲は?

  • 卒園文集などに、自分の名前や夢を文字で書いていた。
  • 友だちと手紙交換をし、気持ちを文字で伝えていた。
  • わからない字があると、辞書や表で調べていた。
  • カタカナや数字にも興味を持ち、書こうとしていた。
  • 書き順を意識して、丁寧に文字を書いていた。

Q4. 物語の創作と共有は?

  • 続きのストーリーを想像し、友だちと劇遊びに発展させていた。
  • 自分で絵本を作り、ストーリーを書き込んでいた。
  • 経験したことを日記のように話し、聞かせてくれた。
  • ペープサートや人形劇で、役になりきってセリフを言っていた。
  • 素話を聞いて、頭の中でイメージを映像化し楽しんでいた。

Q5. グループ討議(話し合い)の力は?

  • 司会役になり、「他に意見はありますか?」と進行していた。
  • 人の話を遮らずに最後まで聞き、手を挙げて発言していた。
  • 少数意見にも耳を傾け、「それもいいかも」と検討していた。
  • 結論が出るまで粘り強く話し合い、決定事項を守っていた。
  • 友だちの意見に共感し、頷きながら聞いていた。

💜 表現(感性・創造)

Q1. 描画(思い出画・自画像)の表現力は?

  • 園生活の思い出を、細かい描写で表現豊かに描いていた。
  • 自分の顔(自画像)を、鏡を見ながら特徴を捉えて描いていた。
  • 遠近法や重なりを意識して、空間を描いていた。
  • 背景まで丁寧に塗り込み、画面全体を使っていた。
  • 混色を楽しみ、自分だけの色を作って塗っていた。

Q2. 制作活動(卒園制作・プレゼント)は?

  • 感謝の気持ちを込めて、保育者や親へのプレゼントを作っていた。
  • 卒園制作で、友だちと協力して大きな作品を作り上げた。
  • 廃材を組み合わせ、工夫して立体的な作品を作っていた。
  • 必要な材料を自分で選び、設計図を描いてから作っていた。
  • 丁寧に仕上げようと、根気強く取り組んでいた。

Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?

  • 卒園式の歌を、歌詞の意味を理解して心を込めて歌っていた。
  • 楽器の合奏で、指揮を見てリズムを合わせようとしていた。
  • 曲の雰囲気に合わせて、強弱をつけて歌っていた。
  • 友だちと声を合わせ、ハーモニーを楽しんでいた。
  • 即興で歌を作り、楽しそうに口ずさんでいた。

Q4. 劇遊びや身体表現は?

  • 役になりきって、大きな声でセリフを言い、演じていた。
  • 友だちと掛け合いを楽しみ、劇を作り上げていた。
  • 衣装や小道具を自分たちで作り、世界観を表現していた。
  • 恥ずかしがらずに、みんなの前で堂々と表現できていた。
  • 感情を込めて、身体全体で表現していた。

Q5. 感動や美しさへの感性は?

  • 梅の花の匂いを嗅ぎ、「春の匂いがする」と言っていた。
  • 友だちの作品の素晴らしい点を、具体的に褒めていた。
  • 音楽を聴いて、「悲しい気持ちになる」「元気になる」と感じていた。
  • 卒園式の練習で、厳粛な雰囲気を感じ取っていた。
  • みんなで力を合わせて成し遂げた瞬間に、喜びを共有していた。

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