【4歳児9月】今の姿を引き出す観察質問リスト&文例集(五領域+養護)

5領域メーカー

4歳児クラス(年中)の9月は、プール遊びが終わり、戸外での運動遊びや探索活動が本格化する「動の時期」です。 運動会ごっこなどを通して、友だちと力を合わせる楽しさや、勝敗へのこだわり(競争心)が芽生え、集団として大きく成長する月でもあります。

9月の特徴と観察ポイント

クラスにとってどんな時期?

運動会や遠足などの行事に向けた取り組みが始まります。「みんなで頑張ろう」というクラスの一体感を高めつつ、個々の子どもが自信を持って参加できるようサポートする時期です。集団遊びのルールが定着し、子どもたちだけで遊びを進める場面も増えます。

子どもにとってどんな時期?

ひと夏を越えて体力がつき、走る・跳ぶなどの動作が力強くなります。友だち意識が高まり、「チームで勝つにはどうしたらいいか」を話し合ったり、悔しがったりする姿が見られます。秋の自然(虫や草花)への関心も高まり、図鑑で調べたり収集したりする探究心が育ちます。

9月に特に観たい発達テーマ

  1. 運動機能の向上と挑戦(走力、バランス、鉄棒、縄跳び)
  2. 集団行動と協調性(ルールのある遊び、競争と協力)
  3. 秋の自然への探究心(虫探し、観察、収集)
  4. 言葉による伝え合い(作戦会議、経験画の説明)

🌿 養護(生活・情緒)

🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)

Q1. 夏の疲れや、食欲の変化はありますか?

  • 涼しくなり食欲が増し、「おかわり」と言ってよく食べていた。
  • 運動量が増えたため、給食を時間内に完食できていた。
  • 苦手な食材も、「力が出ないよ」と励ますと食べていた。
  • 箸の使い方が上達し、豆なども上手につまんでいた。
  • 食事中の姿勢(足をつく、背筋を伸ばす)を意識できていた。

Q2. 排泄(トイレ)の自立と生活リズムは?

  • 活動の合間に自分からトイレに行き、排泄を済ませていた。
  • 排泄後の始末(拭く、流す、着衣を整える)まで一人で完璧に行っていた。
  • 和式トイレの使い方にも慣れ、スムーズに排泄していた。
  • トイレットペーパーの長さを調節して使っていた。
  • 手洗い後、ハンカチで拭いてポケットにしまっていた。

Q3. 衣服の調節(季節の変わり目)は?

  • 汗をかいたことに気づき、「着替える」と自分で服を出していた。
  • 暑い時は袖をまくり、寒い時はベストを着るなど調節していた。
  • 運動会の練習着への着替えを、素早く行っていた。
  • 脱いだ服をきれいに畳み、ロッカーに片付けていた。
  • 靴の左右を確認し、かかとをトントンと合わせて履いていた。

Q4. 休息(午睡)のとり方と目覚めは?

  • 戸外でたくさん動いたため、布団に入るとすぐに熟睡していた。
  • 自分の布団を敷く手伝いをし、寝る準備を整えていた。
  • なかなか寝付けない時も、体を横にして静かに休息していた。
  • 目覚めが良く、自分で布団を畳もうとしていた。
  • 「疲れたから休む」と、遊びの合間にベンチで休憩していた。

Q5. 健康管理(手洗い・衛生)への意識は?

  • 戸外から帰ると、石鹸で手首まで丁寧に洗っていた。
  • 鼻水が出ると自分でかみ、ゴミ箱に捨てていた。
  • 咳エチケット(口を手で覆う)を意識し始めていた。
  • 運動の合間に、自分から水分補給を行っていた。
  • 怪我をした時、すぐに保育者に報告し、洗うなどの処置を受けていた。

💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)

Q1. 運動遊びや行事への意欲・自信は?

  • かけっこで「一番になりたい」と、強い意欲を見せていた。
  • ダンスの振りを覚え、自信満々で踊っていた。
  • 難しい技(鉄棒など)に挑戦し、できた時に満面の笑みを見せた。
  • 失敗しても泣かずに、「もう一回やる」と再挑戦していた。
  • 友だちに応援され、嬉しそうに張り切っていた。

Q2. 自分の気持ち(葛藤)のコントロールは?

  • 負けて悔し涙を流したが、「次は勝つ」と気持ちを切り替えた。
  • 友だちと意見がぶつかった時、手を出さずに言葉で伝えようとした。
  • 順番待ちでイライラしていたが、ルールを思い出して待つことができた。
  • 自分の意見が通らなくても、多数決や話し合いの結果に従っていた。
  • 興奮しすぎた時に、深呼吸をして落ち着こうとしていた。

Q3. 友だち関係での安心感は?

  • 仲良しの友だちと一緒にいることで、安心して活動に参加していた。
  • 困っている友だちに「どうしたの?」と声をかけ、助けようとしていた。
  • 集団ゲームに参加し、みんなと一緒に遊ぶ楽しさを感じていた。
  • 自分の思いを友だちに伝え、共感してもらうと喜んでいた。
  • 「一緒に頑張ろう」と声をかけ合い、励まし合っていた。

Q4. 保育者との関わり(信頼)は?

  • 嬉しい出来事を、「先生聞いて!」と真っ先に報告に来た。
  • 困った時はすぐに助けを求め、一緒に解決しようとしていた。
  • 不安なことがあると、保育者のそばに来て安心を得ていた。
  • 保育者の提案する新しい遊びに、興味を持って参加していた。
  • 叱られた後も、素直に謝って関係を修復していた。

Q5. 探索心や好奇心の広がりは?

  • 散歩先で新しい発見をし、目を輝かせて教えてくれた。
  • 「なんで?」「どうして?」と、物事の仕組みや理由を知りたがっていた。
  • 図鑑を持ってきて、見つけた虫や花の名前を調べていた。
  • 園庭の隅々まで探索し、自分だけの宝物(石や実)を見つけていた。
  • 変化する季節(風や空の色)に気づき、言葉にしていた。

🌸 五領域(遊びと活動)

🩵 健康(身体機能・運動・安全)

Q1. 走る・跳ぶなどの基本的運動能力は?

  • 腕を振って力強く走り、カーブもスピードを落とさず曲がれていた。
  • 両足ジャンプ(グーパージャンプ)が連続でスムーズにできていた。
  • 片足立ちでバランスを取り、ケンケンで進むことができた。
  • 高いところから飛び降り、膝を使って着地していた。
  • スキップやギャロップのリズムで、軽やかに移動していた。

Q2. 遊具や用具を使った運動は?

  • 鉄棒で「前回り」や「足抜き回り」を一人で行っていた。
  • ジャングルジムの頂上まで登り、慎重に降りてくることができた。
  • 平均台の上を、落ちないようにバランスを取って渡っていた。
  • 縄跳びの縄を回して、またいだり跳んだりしていた。
  • ボールを投げる時、相手の胸元を狙って投げようとしていた。

Q3. 手指の巧緻性(道具の操作)は?

  • ハサミで直線を切り、紙をパーツに分けていた。
  • 粘土を細かくちぎり、指先で丸めて小さな形を作っていた。
  • 糊を端まで丁寧に塗り、剥がれないように貼っていた。
  • パズルのピースを回し、形を合わせてはめ込んでいた。
  • ボタンを掛け違いなく留めることができた。

Q4. 集団遊びでのルール理解(運動)は?

  • 「よーいドン」の合図に合わせて、一斉にスタートしていた。
  • しっぽ取りゲームで、自分のしっぽを守りながら相手を追いかけていた。
  • リレー遊びで、バトン(リング)を友だちに渡そうとしていた。
  • 玉入れで、カゴを狙って玉を投げていた。
  • 鬼ごっこのルールを理解し、タッチされたら鬼を交代していた。

Q5. 危険回避や安全への意識は?

  • 友だちとぶつからないように、前を見て走っていた。
  • 遊具の正しい使い方を守り、安全に遊ぼうとしていた。
  • 「危ない」と声をかけると、すぐに動作を止めていた。
  • 高いところや不安定な場所を認識し、慎重に行動していた。
  • 転んだ時、すぐに手をついて顔を守っていた。

🧡 人間関係(友だち・協同)

Q1. 友だちとの関わり(協同性)は?

  • 「一緒にやろう」と声をかけ、遊びに誘っていた。
  • 砂場で協力して大きな山を作り、トンネルを繋げていた。
  • ブロックで一つの街を作り、イメージを共有して遊んでいた。
  • ごっこ遊びで役割を決め、ストーリーを展開させていた。
  • チームで作戦を立て、ゲームに参加しようとしていた。

Q2. トラブルの解決と交渉力は?

  • 玩具の貸し借りで、「貸して」「いいよ」「あとで」と言い合っていた。
  • 自分の気持ちを言葉で伝え、相手の話も聞こうとしていた。
  • 「ごめんね」と言われたら、「いいよ」と許すことができた。
  • 順番抜かしをした子に、「並んで」と注意していた。
  • 解決できない時は、保育者に状況を説明しに来ていた。

Q3. 他者への思いやりや共感は?

  • 転んだ友だちに「大丈夫?」と声をかけ、助け起こしていた。
  • 泣いている子がいると、ティッシュを持ってきてあげていた。
  • 年下の子(2歳児)に対し、優しく接したり玩具を譲ったりしていた。
  • 友だちが褒められていると、一緒になって喜んでいた。
  • 困っている友だちに、自分の持っているものを貸してあげていた。

Q4. 集団での役割意識は?

  • 給食当番やお片付け当番を、張り切って行っていた。
  • みんなの前で名前を呼ばれると、大きな声で返事をしていた。
  • グループごとの活動で、友だちと一緒に行動していた。
  • 先生の話を聞く時、静かに注目し、友だちにも促していた。
  • クラスのルールを守り、みんなの手本になろうとしていた。

Q5. 競争心と仲間意識は?

  • かけっこで「一番になりたい」と競争心を見せていた。
  • 負けて悔しがり、「次は勝つ」と意欲を燃やしていた。
  • チームの友だちを「頑張れー!」と応援していた。
  • みんなで一つのことをやり遂げた時、喜びを分かち合っていた。
  • 友だちの頑張りを認め、「すごいね」と言っていた。

💛 環境(自然・物・数量)

Q1. 秋の自然(虫・植物)への興味は?

  • バッタやコオロギを見つけ、捕まえようと追いかけていた。
  • トンボの止まる位置(高いところ等)に気づき、観察していた。
  • ドングリや松ぼっくりを拾い、種類や大きさの違いを比べていた。
  • 落ち葉を集めて、「焼き芋ごっこ」や「お風呂ごっこ」をしていた。
  • 彼岸花やコスモスを見て、季節の変化を感じていた。

Q2. 数量・形・色への関心は?

  • ドングリを数え、「1、2、3…10個ある」と言っていた。
  • 「赤い葉っぱ」「黄色い葉っぱ」と、色の違いを楽しんでいた。
  • 丸、三角、四角の形を組み合わせて、家や車を作っていた。
  • 「こっちの方が多い」「長い」など、比較する言葉を使っていた。
  • 時計の数字に興味を持ち、「3になったらおやつ」と分かっていた。

Q3. 道具や素材の工夫は?

  • 空き箱やカップを使い、見立て遊びを楽しんでいた。
  • 自然物(枝、実)をごっこ遊びの食材や飾りに見立てていた。
  • 廃材を使って、自分なりの楽器や乗り物を作っていた。
  • 磁石がつく場所を探して、園内を探索していた。
  • 虫眼鏡を使って、小さな虫や葉っぱの裏を観察していた。

Q4. 探索活動(発見・不思議)の様子は?

  • 影踏み遊びをして、時間によって影の長さが変わることに気づいた。
  • アリの巣を見つけ、餌を運ぶ様子をじっと観察していた。
  • 雲の動きを見て、「何かの形に見える」と言っていた。
  • 風で木が揺れるのを見て、風の強さを感じていた。
  • 土の中にいる幼虫を見つけ、何の虫になるか想像していた。

Q5. 整理整頓や物の管理は?

  • 玩具の片付け場所を写真で確認し、正しく戻していた。
  • 自分のロッカーの中を整理し、持ち物を大切に扱っていた。
  • 脱いだ靴を揃えて靴箱に入れていた。
  • 落ちているゴミを拾い、分別して捨てていた。
  • 友だちが片付けていないと、手伝ってあげていた。

💚 言葉(理解・発語・会話)

Q1. 会話(説明・報告)の力は?

  • 「昨日、〇〇へ行って、△△したよ」と、過去の出来事を話していた。
  • 「お腹が痛いから、トイレに行く」と、理由を説明できていた。
  • トラブルの状況を、「〇〇ちゃんが、こうして…」と順序立てて話した。
  • 自分の発見や感動を、具体的な言葉で伝えようとしていた。
  • 「~したい」と、自分の希望を明確に伝えていた。

Q2. 言葉の理解力(指示・物語)は?

  • 「帽子を被って、水筒を持ってきて」という二つの指示を理解していた。
  • 紙芝居の内容を理解し、感想を言葉で言っていた。
  • クイズ遊びで、ヒントを聞いて答えを考えていた。
  • 約束事やルールを言葉で聞き、守ろうとしていた。
  • 「どうして?」という質問に、自分なりの考えを答えていた。

Q3. 友だちとの言葉によるやり取りは?

  • 「入れて」「いいよ」などの遊びの言葉を使っていた。
  • ごっこ遊びの中で、役になりきって会話を続けていた。
  • 「それはダメだよ」と、友だちに優しく注意していた。
  • 名前を呼び合い、楽しそうにお喋りしていた。
  • 秘密話をして、友だちとの特別感を共有していた。

Q4. 語彙(ごい)の豊かさと表現は?

  • 「ふわふわ」「チクチク」などのオノマトペを使っていた。
  • 色や形、大きさなどを表す形容詞を正しく使っていた。
  • 虫や花の名前をたくさん知っていて、教えてくれた。
  • 「ありがとうございます」「ごめんなさい」などの挨拶が適切に使えた。
  • 自分の名前(フルネーム)や年齢を、はっきりと言えていた。

Q5. 歌や言葉遊びへの興味は?

  • 季節の歌(トンボのメガネ等)を、歌詞を覚えて歌っていた。
  • しりとり遊びのルールを理解し、少しずつ繋げられるようになった。
  • 絵本のフレーズを真似して、言葉のリズムを楽しんでいた。
  • 自分の名前の文字(ひらがな)に興味を持っていた。
  • 面白い響きの言葉を見つけ、繰り返し言って笑っていた。

💜 表現(感性・創造)

Q1. 描画(イメージの表現)の充実は?

  • 経験したこと(虫取り、かけっこ)を、画用紙いっぱいに描いていた。
  • 頭足人(顔から手足)を描き、家族や友だちを表現していた。
  • 好きな色を選び、塗り絵を枠からはみ出さないように塗っていた。
  • 描いた絵にストーリー性を持たせ、説明してくれた。
  • ぐるぐると丸を描き、食べ物に見立てていた。

Q2. 制作活動(工夫・構成)は?

  • ハサミで切った紙を糊で貼り、形を作っていた。
  • 折り紙を折って、ドングリやキノコを作っていた。
  • 廃材(箱やカップ)を組み合わせて、立体物を作っていた。
  • 自然物(落ち葉など)を制作に取り入れ、季節感を出していた。
  • 完成した作品を友だちと見せ合い、認め合っていた。

Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?

  • 曲の雰囲気に合わせて、速く動いたりゆっくり動いたりしていた。
  • 友だちと手を繋ぎ、円になって回るダンスを楽しんでいた。
  • 楽器(鈴、タンバリン)を使って、合奏のようなことをしていた。
  • 歌詞の意味を理解し、感情を込めて歌っていた。
  • 即興で歌を作り、楽しそうに口ずさんでいた。

Q4. ごっこ遊びの世界観と展開は?

  • お店屋さんごっこで、「いらっしゃいませ」とやり取りを楽しんでいた。
  • ヒーローになりきって、かっこいいポーズやセリフを決めていた。
  • 病院ごっこで、聴診器や注射器を使って診察していた。
  • 遠足ごっこで、リュックを背負って歩き回っていた。
  • 友だちとイメージを共有し、遊びを長時間続けていた。

Q5. 感動や発見の表現は?

  • 夕焼けを見て、「空が赤いね」「きれいだね」と感動していた。
  • 虫の鳴き声を聞いて、「何の音?」と耳を澄ませていた。
  • きれいな落ち葉を見つけ、「見て!」と嬉しそうに見せてくれた。
  • 友だちの作品を見て、「すごいね」「上手だね」と褒めていた。
  • できた喜びを全身で表現し、自信に満ちた顔をしていた。

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