こんな方はいませんか?
子どもの頃から、
・感情を抑えて
・相手の気持ちを優先して
・主張せず「いい子」で育ってきた大人たちがいます。
そんな背景をもつ親ほど、実はイヤイヤ期手前でつまずきやすい。
理由はとてもシンプルで、
怒り方の経験が少なく、感情を表すことや境界線を引くことに慣れていないからです。
■ “子どもを怒れない親”が抱えやすい葛藤
もくじ
怒り方が分からない。
強く言って傷つけたくない。
泣かれるのが怖い。
だから、子どもが泣かないように、機嫌を損ねないように、
最大限の気を遣いながら毎日を過ごしてしまう。
- 「こうでいい?」
- 「こっちがいい?」
- 「これで大丈夫?」
常に伺いながら育児をするのは、とても神経をすり減らします。
そして、子どもが思い通りに動いてくれたときだけ、ようやくホッと胸をなでおろす…。
でも本心では
「こうしてほしい」
「これはやめてほしい」
という親の気持ちがある。
ところが、その気持ちを強く出すと泣かれてしまう。
泣かれると大変だから、また気を遣う…。
この悪循環にはまりやすいのです。
■ 泣いても大丈夫。でも「泣いたら成功」は経験させない。
ここが最重要ポイント。
✔ 子どもが泣くことは悪いことではない
✔ でも、“泣けば状況が変わる” という学習だけは避けるべき
イヤイヤ期の対応で一番大切なのは、
「泣いてもルールは変わらない」という一貫性。
泣くのは感情の発達。
泣くこと自体はむしろ健康。
ただし、“泣いたら親が折れる” を繰り返してしまうと、
子どもはその方法を本気で学んでしまいます。
■ だからこそ基本はこれ。
● 泣いてもいいよ
● 大丈夫だよ
● でもこれはダメ
気持ちは受け止める。
行動は止める。
このセットを徹底するだけでいい。
■ 「話は聞く。言うことは聞かない。」が鉄則
子どもが不満をぶつけてきたら、話はしっかり聞く。
でも、
行動のルールは変えない。
これは親子の信頼の土台になる。
“自分は話を聞いてもらえる” という安心につながるから。
■ どうしてもやりたいなら「一回だけOK」にする方法
親にも都合があるし、体力も限界がある。
すべての場面で100%突っぱねなくてもいい。
ただし、折れる時は「折れ方」が大事。
▶ 言い方の例
- 「本当はママ(パパ)は嫌なんだよ。これはダメって思ってる。」
- 「でも、あなたがどうしてもやりたいなら 一回だけOK にするよ。」
- 「次はこうならないようにしようね。」
親が“感情”ではなく“裁量”で判断することが大事。
ここで
“泣いたら勝ち” ではなく “話して交渉すれば通ることもある”
という学びになる。
■ 必ず「次につなげる一言」を添える
ゆるめた時ほど、次回のための布石を置いておく。
- 「これは今回だけだよ。」
- 「次は無いようにしようね。」
次に同じ状況で線が引きやすくなり、
親子で“理解の積み重ね”ができる。
■ 2回目、3回目の対応は親が決めていい
同じ行動が繰り返し起きたら、
- 「次はダメって言ったのに、また同じことして困っています。」
と静かに伝えるだけで十分。
その上で、
2回目はどうするか、3回目はどうするかは、家庭のルールとして親が決める。
厳しさよりも大事なのは「一貫性」。
■ 子どもは“親を困らせようとして”しているわけではない
だからこそ、
親がハッキリ自己主張すれば、子どもは必ず少しずつ覚えていく。
親には親の生活があり、都合があり、譲れないラインがある。
子どもはそれを知ることで“世界の仕組み”を学んでいく。
■ この方法が効果的な子
- 言葉の理解がある程度できる
- 「ダメ」は分かっているが気持ちが暴走しがち
- わかってるけど感情が追いつかないタイプ
こういう子には非常に有効。
■ 言葉の理解がまだ弱い子は?
シンプルでOK。
✔ 「だめ!!」の一喝だけで十分。
長く説明すると逆に混乱してしまう。
短く・明確に・動作で止める。
■ まとめ
イヤイヤ期は、
子どもが“自分の気持ち”を取り戻す時期。
そして同時に、
親も“自分の境界線”を取り戻す時期でもある。
泣いても大丈夫。
大人の感情が揺れても大丈夫。
大切なのは、
親が親としての意思をはっきりと持つこと
そして、
その意思が一貫していること。
これだけで、親子関係は確実に変わります。


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