メラビアンの法則から考える、子どもに“話を聞いてもらう”ためのコツ

子どもの「なんで?」がわかる場所

「メラビアンの法則」という言葉を聞いたことがありますか?
アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが、人と人とのコミュニケーションにおいて どの情報がどれくらい相手に影響するのか を研究した結果、次のような割合が示されました。

  • 言語情報(話の内容)… 7%
  • 聴覚情報(声のトーン・話し方)… 38%
  • 視覚情報(表情・動作・しぐさ)… 55%

つまり、人が誰かの話を聞くとき、内容そのものより、表情や声のトーン、雰囲気の方を重視しているということです。


■「話の内容は7%しか伝わらない?」

「え、そんなことある?」と思った方もいるかもしれません。

でも、こんな経験ありませんか?

●校長先生の朝礼の話

とても良いことを言っていたはず。でも…聞いてました?
(すみません、私はほぼ聞いてませんでした。たぶん良い話だったと思います…知らんけど。)

●推しのどうでもいい日常の話

内容はどうでもよくても、めっちゃ聞く
むしろ、呼吸音まで聞き逃したくないレベル。

この差です。

人は、話の内容より 「誰が」「どんな雰囲気で」「どんな表情で」話すか の方を重視しています。


■子どもはさらに「言語情報の割合が低い」

メラビアンの法則では言語情報は7%ですが、
子どもたちはまだ語彙も発達段階。
もしかすると 7%すら届いていないかもしれません。

だから、保育現場でよく見られるこんな声かけ…

  • 「静かにしてー!」
  • 「大事なこと言うよ!」
  • 「ちょっと黙ってー!」

これは、残念ながら 7%の部分だけを必死に頑張っている状態なんです。


■話を聞いてほしいときに大事なのは、視覚情報と聴覚情報

言葉を強めるのではなく、
見せ方(視覚)と聞かせ方(聴覚) を工夫することがポイントです。

― 実例:誕生日会での「静かに」の作り方

たくさんのクラスが集まる誕生日会。
ザワザワしていて当然の雰囲気ですよね。

そこで、いきなり「静かに!」と言うのではなく…

  1. 重そうな紙袋を持って前に立つ
  2. そーっと手を入れて、ガサガサ…と“何かを探すような演出”
  3. ゆっくり取り出したカードに 「し」「ず」「か」「に」 の文字
  4. 最後に口元に指を当てて
     「お誕生日会を始めるよ。今日はみんなでたくさんお祝いしようね。」
     と静かな声で伝える

もう、この時点で子どもたちは自然と引き寄せられます。
これが 視覚 55% + 聴覚 38% = 93%の力 です。


■日常保育でも応用は無限大!

例えば、こんな工夫もすぐ使えます。

●人形を使って案内する

「先生の声」より、「ぬいぐるみが話す声」の方が子どもは集中します。
※不思議ですよね。

●明らかに“面白そうなもの”を持って登場する

例:袋・箱・巻物・鍵付きの箱・宝物カード
→ 視線を一気に奪えます。

●声のボリュームをあえて小さく

おもしろいほど子どもは耳を澄ませます。
(大きな声は“通知音”になりやすく、内容が届きにくい)


■まとめ:伝わるのは「言葉」ではなく「雰囲気」

  • 内容(言葉)は 7%
  • 声・話し方は 38%
  • 見た目・動きは 55%

子どもたちに何かを伝える時、
言葉だけで頑張らず、視覚と聴覚の情報をフル活用する

これだけで、子どもたちが話を聞く姿勢は大きく変わります。

ぜひ明日の保育から使ってみてくださいね◎

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