4歳児クラス(年中)の2月は、1年間の成長の総まとめと、次年度への期待が高まる時期です。 「もうすぐ年長さん(5歳児)」という意識が行動に表れ、年下の子への優しさや、集団のルールを守ろうとする責任感が見られるようになります。
もくじ
2月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
進級に向けて、身の回りの整理整頓や、当番活動の引き継ぎなどを意識し始めます。節分などの伝統行事を通して、日本の文化に触れるとともに、「自分の心と向き合う」経験をします。クラス全体のまとまりが強くなり、集団遊びが盛り上がります。
子どもにとってどんな時期?
「自分でできる」という自信が確信に変わり、さらに難しいことにも挑戦しようとします。友だちとの関わりでは、相手の気持ちを考えたり、ルールを自分たちで決めたりと、社会性が高度になります。寒さの中でも縄跳びやドッジボールなど、ルールのある運動遊びに熱中します。
2月に特に観たい発達テーマ
- 進級への自覚と期待(年長児への憧れ、自信)
- 社会性とルールの定着(集団遊び、話し合い)
- 行事を通した心の成長(節分、心の鬼、勇気)
- 文字や数への興味の深まり(手紙、時計、カレンダー)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. 食事のマナーや配膳の自立は?
- 箸を正しく持ち、小さな食材も器用につまんで食べていた。
- 食器に手を添え、背筋を伸ばして良い姿勢で食べていた。
- 自分の分を配膳し、こぼさないように運んでいた。
- 苦手な野菜も、「年長さんになるから」と自ら食べていた。
- 食事中の会話のボリュームを調整し、マナーを守っていた。
Q2. 寒さに負けない健康管理(衣服の調節)は?
- 遊び始めると「暑い」と言って上着を脱ぎ、調節していた。
- 脱いだ服をきれいに畳み、ロッカーに整頓していた。
- 汗をかいた後は、下着の着替えを自分で行っていた。
- 鼻水が出ると自分でかみ、鏡を見て顔を拭いていた。
- 咳エチケットを意識し、とっさに口を押さえていた。
Q3. 排泄(トイレ)の習慣と清潔は?
- 遊びの合間に自分からトイレに行き、排泄を済ませていた。
- 和式トイレの使い方や、トイレットペーパーの長さが適切だった。
- 排泄後の手洗いを丁寧に行い、ハンカチで拭いていた。
- トイレのスリッパが乱れていると、手で揃えていた。
- ズボンやシャツの乱れを、自分で直して整えていた。
Q4. 睡眠(午睡)の休息の取り方は?
- 自分の布団を敷くのを手伝い、寝る準備を整えていた。
- 布団に入ると静かに体を休め、午後の活動に備えていた。
- 咳が出る時は横向きになるなど、自分で体勢を調整していた。
- 目覚めが良く、自分で布団を畳んで片付けていた。
- 眠くない時も、他児の迷惑にならないように静かに過ごしていた。
Q5. 危険回避と安全への意識は?
- 友だちとぶつからないように、周りを見て動いていた。
- ハサミや鉛筆の持ち運び方を守り、安全に扱っていた。
- 遊具の正しい使い方を理解し、危険な遊びをしている子に注意していた。
- 紐がほどけている靴に気づき、直そうとしていた。
- 廊下を走らず、歩くことを意識していた。
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 節分(鬼)への反応と心の成長は?
- 「泣き虫鬼をやっつける」と、自分の課題に向き合っていた。
- 鬼を怖がりながらも、友だちと協力して豆を投げていた。
- 泣いている友だちをかばい、守ろうとする姿が見られた。
- 行事が終わった後、ホッとした表情で「頑張ったよ」と話していた。
- 伝統行事の意味(季節の変わり目など)を知り、関心を持っていた。
Q2. 進級への期待と自信は?
- 「もうすぐ年長さん」と言葉にし、張り切って活動していた。
- 年長児の姿を見て、「あんなふうになりたい」と憧れていた。
- 小さいクラスの子に、優しく声をかけたり手伝ったりしていた。
- 自分の荷物やロッカーを整理し、進級の準備をしていた。
- 「できるよ!」と自信を持って新しいことに挑戦していた。
Q3. 葛藤の解決と我慢は?
- 友だちと意見がぶつかった時、話し合いで解決しようとした。
- 悔し涙を流したが、気持ちを切り替えて再挑戦した。
- 自分の思い通りにならなくても、集団のルールを優先できた。
- 順番待ちでイライラせず、期待を持って待っていた。
- 相手の気持ちを聞き、譲ることができる場面が増えた。
Q4. 友だち関係の深まりは?
- 特定の友だちと共通の目的を持って、長く遊び込んでいた。
- 困っている友だちに気づき、「大丈夫?」と声をかけていた。
- 友だちの成功を自分のことのように喜んでいた。
- 秘密話をしたり、手紙交換をしたりして親密さを深めていた。
- チーム対抗戦で、仲間と作戦を立てていた。
Q5. 保育者との信頼関係(自立)は?
- 困った時だけ相談し、基本的には自分たちで進めていた。
- 楽しい出来事や発見を、具体的に報告してくれた。
- 叱られた後、理由を理解して納得し、行動を改めていた。
- 甘えたい時はスキンシップを求め、安心すると離れていった。
- 「先生、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えていた。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 縄跳びなどの調整力は?
- 縄跳び(前跳び)に挑戦し、連続で跳べる回数が増えた。
- 走り縄跳びで、手と足の動きを協調させていた。
- 大縄跳びのタイミングを見て、入り込んだり跳んだりしていた。
- 縄を結んで片付けることができていた。
- 友だちと回数を競い合い、意欲的に練習していた。
Q2. ボール運動(ドッジボール等)の動きは?
- ボールを狙った方向に投げ、相手に当てることができた。
- 転がってくるボールや飛んでくるボールを避けていた。
- キャッチボールで、胸元でボールを受け止めていた。
- ルール(当たったら外野へ)を理解し、ゲームに参加していた。
- 素早く動いて、攻守の切り替えができていた。
Q3. 遊具や用具を使った運動は?
- 鉄棒で「逆上がり」に挑戦し、蹴り上げるタイミングを掴んでいた。
- ジャングルジムや登り棒を、スイスイと登り降りしていた。
- 竹馬やポックリに乗り、バランスを取って歩いていた。
- 平均台の上で、後ろ向きに歩くなど工夫していた。
- マット運動で、前転や後転に挑戦していた。
Q4. 手指の巧緻性(道具の操作)は?
- ハサミで複雑な形を切り抜き、制作に活かしていた。
- 鉛筆を正しく持ち、筆圧を調整して書いていた。
- 折り紙の角と角をきっちり合わせて折っていた。
- 紐結び(蝶結び)に興味を持ち、練習していた。
- 細かいシールやビーズを、ピンセットのように指先で扱っていた。
Q5. 体力の向上と活動量は?
- 寒さに負けず、園庭を長時間走り回っていた。
- 鬼ごっこで、息が切れるまで全力で逃げていた。
- 散歩で長い距離を歩いても、疲れを見せずに元気だった。
- 遊び疲れると、自分で休憩をとって調整していた。
- 体幹がしっかりし、姿勢を保って活動できていた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. ルールのある遊び(集団遊び)は?
- ドッジボールや鬼ごっこのルールを守って遊んでいた。
- ルール違反をした子に、自分たちで注意し合っていた。
- 勝って喜び、負けて悔しがる体験を共有していた。
- チーム分けを自分たちで行い、遊びを始めていた。
- 作戦会議をして、協力して勝とうとしていた。
Q2. トラブルの解決能力は?
- 言い合いになっても、手を出さずに言葉で解決しようとした。
- 「どうしたらいいか」を話し合い、妥協点を見つけていた。
- 第三者が仲裁に入り、場を収める姿が見られた。
- 自分の非を認め、「ごめんね」と謝ることができた。
- 保育者に頼らず、自分たちで解決して報告に来ていた。
Q3. 協同的な活動(制作・ごっこ)は?
- 友だちと協力して、大きな積み木の家を作っていた。
- 劇ごっこで、役割分担をしてストーリーを進めていた。
- お店屋さんごっこで、店員と客のやり取りを楽しんでいた。
- 共同制作で、一つのテーマに向かって作業していた。
- 友だちのアイデアを取り入れ、遊びを発展させていた。
Q4. 年下の子や他者への関わりは?
- 散歩で年下の子と手を繋ぎ、車道側を歩いてあげていた。
- 靴が履けない子を見つけ、手伝ってあげていた。
- 泣いている子を慰め、玩具を貸してあげていた。
- 異年齢交流の場で、お兄さん・お姉さんらしく振る舞っていた。
- ありがとうと言われて、照れながらも喜んでいた。
Q5. 集団での役割と責任は?
- 当番活動の仕事内容を理解し、忘れずに行っていた。
- グループの代表として、発表や手伝いをしていた。
- 片付けの時間に、友だちにも声をかけて協力していた。
- みんなの前で話す時、大きな声で分かりやすく伝えていた。
- クラスの約束事を守り、みんなの手本になろうとしていた。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 冬の自然(氷・霜・植物)への興味は?
- バケツに水を張って氷を作り、厚さや冷たさを観察していた。
- 霜柱を踏んで音を楽しんだり、手に取って見たりしていた。
- 梅の蕾や球根の芽を見つけ、春の訪れを感じていた。
- 冬の星座や月の形に興味を持ち、話していた。
- 吐く息が白くなるのを、不思議そうに試していた。
Q2. 文字や記号への関心は?
- 自分の名前だけでなく、友だちの名前も読めるようになった。
- 絵本を自分で読み、物語を楽しんでいた。
- 手紙ごっこで、ひらがなを書こうとしていた。
- カレンダーの数字や曜日を理解し、予定を確認していた。
- 街中の看板や標識の意味を知りたがっていた。
Q3. 数量・図形・時間への関心は?
- 時計を見て、「長い針が12になったら給食」と分かっていた。
- 人数を数えて、足りない椅子を用意していた。
- トランプやカルタ遊びで、数や絵合わせを楽しんでいた。
- 積み木の数を比べて、「こっちの方が多い」と判断していた。
- 図形(三角、四角)を組み合わせて、構成遊びをしていた。
Q4. 伝承遊びや行事用具への興味は?
- 豆まきの升(マス)を工夫して作っていた。
- コマ回しで、紐の巻き方を工夫して長く回そうとしていた。
- 鬼のパンツの柄(トラ柄)などに気づき、表現していた。
- ひな祭りの人形に興味を持ち、役割や名前を知ろうとした。
- 凧揚げで、風の向きや強さを考えて走っていた。
Q5. 整理整頓や物の管理は?
- 玩具の片付け場所を正しく理解し、きれいに並べていた。
- 自分のロッカーの中を整理し、持ち物を管理していた。
- 共用の道具(マーカーなど)を、大切に扱っていた。
- 落ちているゴミを拾い、分別して捨てていた。
- 本棚の絵本を、背表紙を揃えて直していた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 論理的な会話(理由・説明)は?
- 「~だから、~したんだよ」と、理由を筋道立てて話していた。
- 遊びのルールを、知らない友だちに言葉で説明していた。
- 過去の経験と結びつけて、今の状況を話していた。
- 「もし~だったら」と、仮定の話を楽しんでいた。
- 相手の質問に対して、的確な答えを返していた。
Q2. 語彙の豊かさと表現力は?
- 形容詞や副詞を使い、状況を詳しく描写していた。
- 気持ちを表す言葉(悔しい、ドキドキする)を使い分けていた。
- しりとり遊びで、たくさんの言葉を知っていることを見せていた。
- 丁寧語(です、ます)を使おうとする姿が見られた。
- 絵本に出てくる難しい言葉の意味を質問していた。
Q3. 文字の読み書きへの意欲は?
- 自分の名前をひらがなで書けるようになった。
- 友だちにお手紙を書き、「大好き」などの気持ちを伝えていた。
- 好きな絵本のタイトルを読もうとしていた。
- カルタの読み札を読み、読み手になりきっていた。
- 五十音表に興味を持ち、指でなぞっていた。
Q4. 物語の理解と創造は?
- 長いお話を集中して聞き、登場人物の気持ちを想像していた。
- 続きのお話を自分で考えて、友だちに話していた。
- 劇遊びのセリフを覚え、感情を込めて言っていた。
- 紙芝居を見て、感想を言葉で表現していた。
- 自分の体験を、物語のように面白おかしく話していた。
Q5. コミュニケーションの広がりは?
- 異年齢の子とも、相手に合わせた言葉で話していた。
- 担任以外の職員や保護者にも、きちんと挨拶をしていた。
- 電話ごっこで、敬語を使って会話していた。
- なぞなぞを出し合い、言葉遊びを楽しんでいた。
- 話し合いの場で、手を挙げて発言していた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(イメージの表現)の充実は?
- 豆まきの様子など、経験したことをダイナミックに描いていた。
- 人物の関節や動きを意識して描けるようになった。
- 背景まで丁寧に塗り込み、画面全体を使っていた。
- 描いた絵にストーリーがあり、説明しながら描いていた。
- 観察した花や虫を、特徴を捉えて細かく描いていた。
Q2. 制作活動(工夫・構成)は?
- 空き箱などの廃材を組み合わせ、ロボットや車を作っていた。
- ハサミや糊、テープを使い分け、自分のイメージを形にしていた。
- 折り紙で複雑な形(鬼、箱)を折れるようになった。
- 友だちと協力して、大きな鬼の壁面を作っていた。
- 完成した作品を大切にし、お家の人に見せたがっていた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- 曲の雰囲気に合わせて、歌い方や表情を変えていた。
- 友だちと動きを合わせて、ダンスや遊戯を楽しんでいた。
- 楽器(鍵盤ハーモニカなど)に興味を持ち、触ってみていた。
- 替え歌を作ったり、即興で歌ったりしていた。
- 音楽鑑賞で、静かに聴き入り、感想を言っていた。
Q4. 劇遊びや身体表現は?
- 役になりきって、大きな声でセリフを言っていた。
- 恥ずかしがらずに、みんなの前で表現できていた。
- 動物や鬼の動きを、体全体で表現していた。
- 友だちと掛け合いを楽しみ、劇を作り上げていた。
- 衣装や小道具を身につけ、ごっこ遊びを盛り上げていた。
Q5. 感動や発見の表現は?
- 氷の冷たさや美しさに感動し、友だちに伝えていた。
- 梅の花の匂いを嗅ぎ、「いい匂い」と喜んでいた。
- 友だちの作品を見て、「上手だね」「すごいね」と褒めていた。
- できた喜びを全身で表現し、自信に満ちた顔をしていた。
- 自然の不思議さ(霜柱が溶ける等)に、驚きの声を上げていた。



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