4歳児クラス(年中)の7月は、プール遊びが始まり、子どもたちの活気が最高潮に達する時期です。 「顔をつけられるようになりたい」「もっと泳ぎたい」といった目標を持って取り組む姿や、七夕の願い事にそれぞれの個性や成長が表れる、記録しがいのある月です。
もくじ
7月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
プール開きや七夕、夏祭りなどの行事が続き、季節感を存分に味わいます。プール遊びでは、安全のためのルール(走らない、笛が鳴ったら上がるなど)をクラス全体で共有し、集団としての規律を守る力が試される時期でもあります。
子どもにとってどんな時期?
水への恐怖心と好奇心の間で揺れ動きながらも、友だちや保育者の励ましで克服し、自信をつけていきます。着替えの工程が複雑になりますが(水着、ラップタオル等)、自分たちでやり遂げようとする意欲が高まります。暑さによる疲れが出やすいため、休息の取り方も重要になります。
7月に特に観たい発達テーマ
- 水遊びでの挑戦と達成感(顔つけ、浮く、ダイナミックな動き)
- ルールの理解と遵守(安全な遊び方、順番)
- 行事への関心と願い(七夕の短冊、伝統行事)
- 夏の生活自立(水着の着脱、所持品の管理、水分補給)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. プール前後の「着替え」の自立度は?
- 濡れて脱ぎにくい水着を、指先に力を入れて自分で脱ごうとしていた。
- 裏返しになった水着や服を、自分で表に返して畳んでいた。
- 脱いだ服をプールバックにきれいにしまい、忘れ物がないか確認していた。
- ラップタオルを使い、体を隠しながら着替えようと工夫していた。
- 友だちの着替えを手伝ったり、背中のボタンを留め合ったりしていた。
Q2. 暑さの中での食欲や食事の様子は?
- プール遊びでお腹が空き、給食を意欲的に完食していた。
- 夏野菜(トマト、キュウリなど)を進んで食べ、味の感想を言っていた。
- 暑さで食欲が落ちた時、量を減らして完食を目指していた。
- 箸の使い方が安定し、小さな食材も上手につまんでいた。
- 食事中の姿勢を保ち、お椀を持ってきれいに食べていた。
Q3. 休息(午睡)のとり方と体力の変化は?
- 水遊びの疲れから、布団に入るとすぐに深く眠っていた。
- 寝汗をかいて目覚めたが、水分をとって着替えると落ち着いた。
- 疲れが溜まっている時は、自分から「眠い」と言って横になっていた。
- 短時間でも熟睡し、目覚め後はすっきりと活動していた。
- 自分の布団を敷いたり畳んだりするのを、進んで行っていた。
Q4. 排泄(トイレ)の習慣と見通しは?
- プールに入る前に必ずトイレに行き、排泄を済ませていた。
- 遊びに夢中でも尿意に気づき、早めにトイレに行けていた。
- 排泄後の手洗いを丁寧に行い、ハンカチで拭いていた。
- スリッパを揃えるなど、次の人のことを考えたマナーが身についていた。
- 和式トイレの使い方にも慣れ、スムーズに排泄していた。
Q5. 健康管理(水分・汗)への意識は?
- 「喉が渇いた」と自分から言い、水筒のお茶を飲んでいた。
- 汗をかいたことに気づき、タオルで拭いたり着替えたりしていた。
- 鼻水が出るとプールに入れないことを理解し、我慢していた。
- 爪が伸びていることに気づき、「切らなきゃ」と話していた。
- 「疲れたから休む」と、自分で休息をとることができた。
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 水遊びに対する情緒(恐怖・自信)は?
- 最初は水を怖がっていたが、友だちの姿を見て少しずつ挑戦していた。
- 顔に水がかかっても平気になり、ダイナミックに遊んでいた。
- 「顔つけできたよ!」と、できたことを嬉しそうに報告に来た。
- できない悔しさをバネに、何度も練習する姿が見られた。
- 水への恐怖心を受け止めてもらうと、安心して足だけ水につけていた。
Q2. 七夕の願い事や行事への思いは?
- 「プリキュアになりたい」「足が速くなりたい」など、願いを込めて短冊を書いていた。
- 七夕の由来を聞き、夜空や星に興味を持っていた。
- 自分の短冊が飾られるのを喜び、友だちと見せ合っていた。
- 行事を通して、季節の移り変わりを感じていた。
- 「お願い叶うかな」と、期待感を持って空を見上げていた。
Q3. 自分の気持ち(葛藤)のコントロールは?
- もっと遊びたい気持ちを抑えて、約束の時間に上がることができた。
- 友だちと意見がぶつかった時、話し合いで解決しようとした。
- 順番待ちでイライラしたが、深呼吸をして待つことができた。
- 悔し涙を流しながらも、気持ちを立て直して次の活動に移った。
- 自分の失敗を認め、「ごめんね」と素直に謝ることができた。
Q4. 友だちとの関わりでの安心感は?
- 仲良しの友だちと一緒に活動することで、安心して力を発揮していた。
- 困っている友だちに声をかけ、助けようとしていた。
- 集団ゲームで協力し、達成感を共有して喜んでいた。
- 自分の思いを友だちに受け入れてもらい、満足そうだった。
- 友だちの成功を「すごいね」と認め、一緒に喜んでいた。
Q5. 保育者との信頼関係(自立への支え)は?
- 難しいことに挑戦する時、保育者に見守りを求めていた。
- 困った時だけ相談し、基本的には自分たちで解決しようとしていた。
- できた喜びを保育者と分かち合い、自信を深めていた。
- 甘えたい時はスキンシップを求め、安心すると離れていった。
- 注意されたことも、理由を理解して納得していた。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 水中での身体能力(顔つけ・浮く)は?
- 顔を水につけて数秒間我慢し、「ブハッ」と息継ぎをしていた。
- ワニ歩きで水の中をスムーズに進み、手足の使い方が上手になった。
- ビート板やフープを使って、体を浮かせる感覚を楽しんでいた。
- 水の中で目を開けたり、ブクブクと泡を出したりしていた。
- 水の抵抗を感じながら、走ったりジャンプしたりしていた。
Q2. 戸外での運動能力(走る・バランス)は?
- 園庭を全力で走り、友だちとの鬼ごっこを楽しんでいた。
- 片足立ちやケンケンが安定し、長く続けることができた。
- 鉄棒で「前回り」や「逆上がり」に挑戦していた。
- ジャングルジムの頂上まで登り、景色を楽しんでいた。
- ボールを投げ上げ、自分でキャッチしようとしていた。
Q3. 手指の巧緻性(制作・道具)は?
- 七夕飾りで、ハサミを使って網飾りや提灯を作っていた。
- 糊の量を調整し、端まできれいに貼ることができた。
- 折り紙を角と角を合わせて折り、複雑な形を作っていた。
- 紐結び(固結び)に挑戦し、短冊を笹に結びつけていた。
- 水鉄砲の引き金を指で引き、的を狙って当てていた。
Q4. プールの安全ルール(規律)の理解は?
- 「プールサイドは歩く」という約束を守り、慎重に移動していた。
- 笛の合図ですぐに動きを止め、保育者の話を聞いていた。
- 友だちを押したり乗ったりしないよう、気をつけて遊んでいた。
- 準備体操をしっかり行い、体をほぐそうとしていた。
- 「危ない」と友だちに注意する姿が見られた。
Q5. 自分の体の状態への気づきは?
- 「疲れたから休む」と言って、プールサイドで休憩していた。
- 寒くなると「寒い」と伝え、タオルを羽織っていた。
- 「お腹が痛い」など、体調不良を具体的に伝えていた。
- 傷口に絆創膏を貼ってほしいと、自分で言いに来ていた。
- 自分の体力を考え、無理せずに遊んでいた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. 水遊びを通じた友だちとの関わりは?
- 友だちと水を掛け合い、「冷たいね!」と笑い合っていた。
- 一列に並んで「流れるプール」を作り、協力を楽しんでいた。
- ビート板を貸し借りし、「次は〇〇ちゃんの番」と交代していた。
- 水中ジャンケンや潜りっこ競争をして、競い合っていた。
- 怖がっている友だちの手を引き、優しく誘っていた。
Q2. 集団遊びやルールの理解は?
- チーム対抗のゲームで、「頑張れ!」と友だちを応援していた。
- 鬼ごっこや「だるまさんが転んだ」のルールを守って遊んでいた。
- リーダー役を決め、自分たちで遊びを進めようとしていた。
- ルール違反をした子に、「それはダメだよ」と教えていた。
- みんなで一つの目的に向かって協力する楽しさを感じていた。
Q3. ごっこ遊びの展開と役割は?
- 「お店屋さんごっこ」で、店員と客の言葉のやり取りを楽しんでいた。
- 家族ごっこで、それぞれの役割になりきって会話を続けていた。
- プールの中で「水族館ごっこ」や「お風呂屋さんごっこ」をしていた。
- 友だちとイメージを共有し、遊びを長時間発展させていた。
- 必要な道具や設定を自分たちで考え、準備していた。
Q4. 他者への思いやりや共感は?
- 転んだ友だちに「大丈夫?」と声をかけ、助け起こしていた。
- 泣いている子がいると、保育者に知らせたり慰めたりしていた。
- 自分が持っている玩具を、困っている友だちに貸してあげた。
- 友だちの成功を「すごいね!」と一緒に喜んでいた。
- 年下の子(3歳児未満)に対し、優しく接していた。
Q5. トラブル解決と交渉力は?
- 玩具の取り合いで、「あとで貸して」「いいよ」と交渉していた。
- 言い合いになっても、手を出さずに言葉で解決しようとした。
- 自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちも聞こうとしていた。
- 「ジャンケンで決めよう」と、公平な解決策を提案していた。
- 仲直りをした後、すぐに一緒に遊び始めていた。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 夏の自然(セミ・植物)への探究心は?
- セミの鳴き声を聞き分け、「ミンミンゼミだ」と言っていた。
- 抜け殻を集めて、服につけてブローチにしていた。
- 虫取り網を持って、トンボやチョウチョを追いかけていた。
- 図鑑を持ってきて、捕まえた虫の名前や特徴を調べていた。
- 夏野菜(トマト、ナス)の生長を観察し、収穫を楽しみにしていた。
Q2. 水の性質や変化への気づきは?
- 色水を混ぜて、「オレンジになった!」「茶色になっちゃった」と実験していた。
- 影踏み遊びをして、時間によって影の長さが変わることに気づいていた。
- 水に浮くものと沈むものを予想して、試していた。
- 霧吹きで虹ができるのを発見し、太陽との関係に気づき始めていた。
- 氷が溶けて水になる様子を、じっと観察していた。
Q3. 数量・図形・時間への関心は?
- 準備体操で「1、2、3、4」と号令をかけていた。
- 「あと5分で片付け」という言葉を聞いて、時計を確認していた。
- おやつの数を数え、友だちと同じか確認していた。
- 七夕の星を見て、「星の形だね」と話していた。
- 「長い」「短い」や「多い」「少ない」を比較していた。
Q4. 道具の操作や仕組みへの興味は?
- 水車の仕組みに気づき、水をかけて回していた。
- 磁石を持って歩き、くっつく場所を探していた。
- 楽器の鳴らし方を変えて、音色の違いを楽しんでいた。
- 鍵の開け閉めや、ドアノブの操作に関心を持っていた。
- 虫眼鏡を使って、小さな虫や葉っぱの裏を観察していた。
Q5. 整理整頓や公共心は?
- 玩具の片付け場所を理解し、種類ごとに分けてしまっていた。
- 自分のロッカーの中を整理し、持ち物を大切に扱っていた。
- 脱いだ靴を揃えて靴箱に入れていた。
- 落ちているゴミを拾い、分別して捨てていた。
- 友だちが片付けていないと、手伝ってあげていた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 会話(説明・報告)の力は?
- 「昨日、花火を見たよ」と、過去の出来事を詳しく話していた。
- トラブルの状況を、「〇〇ちゃんが取ったから…」と順序立てて説明した。
- 「~だから、~したい」と、理由をつけて自分の意思を伝えていた。
- 想像したことや夢の話を、物語のように話してくれた。
- 相手の目を見て、伝わるように話そうとしていた。
Q2. 言葉の理解力(指示・物語)は?
- 複数の指示(「着替えて、タオルを持って、トイレに行ってね」)を理解していた。
- 七夕の由来の話を聞いて、内容を理解し質問していた。
- クイズやなぞなぞに興味を持ち、答えを考えていた。
- プールの約束事を聞いて、理由(危ないから)まで理解していた。
- 「どうして?」という質問に、自分なりの考えを答えていた。
Q3. 友だちとの言葉による交渉は?
- 「一緒にやろう」「ここ座って」と、言葉で遊びに誘っていた。
- ごっこ遊びの配役を、話し合いで決めようとしていた。
- 「それはダメだよ」と、友だちにルールを教えていた。
- 自分の気持ちを言葉にし、相手に分かってもらおうとしていた。
- 秘密話をして、友だちとの特別感を共有していた。
Q4. 語彙(ごい)の豊かさと表現は?
- 「冷たい」「ぬるい」「気持ちいい」など、感覚を表す言葉を使っていた。
- 色や形、大きさなどを表す形容詞を正しく使っていた。
- 虫や花の名前をたくさん知っていて、教えてくれた。
- 「ありがとうございます」「ごめんなさい」などの挨拶が適切に使えた。
- 自分の名前(フルネーム)や年齢を、はっきりと言えていた。
Q5. 歌や言葉遊びへの興味は?
- 「たなばたさま」などの季節の歌を、歌詞を覚えて歌っていた。
- しりとり遊びのルールを理解し、言葉を繋げて楽しんでいた。
- 絵本のフレーズを真似して、言葉のリズムを楽しんでいた。
- 早口言葉や面白い響きの言葉を、繰り返し言っていた。
- 自分の名前の文字(ひらがな)に興味を持ち、読もうとしていた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(イメージの表現)の充実は?
- プール遊びの様子など、経験したことを絵に描いていた。
- 人物の顔だけでなく、手足や体、服の模様まで描こうとしていた。
- 太陽を赤、水を青など、イメージに合った色を選んでいた。
- 塗り絵で、枠からはみ出さないように丁寧に塗っていた。
- 描いた絵にストーリー性を持たせ、説明してくれた。
Q2. 制作活動(七夕飾りなど)の工夫は?
- 折り紙を折って、切って、開いて模様を作る(切り紙)を楽しんでいた。
- 複数の素材(紙コップ、ストロー、毛糸)を組み合わせて作っていた。
- 糊やセロハンテープを適切に使い、パーツを組み立てていた。
- 短冊に願い事を書く時、文字に興味を持ってなぞろうとしていた。
- 完成した作品を友だちと見せ合い、認め合っていた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- 曲の雰囲気に合わせて、激しく動いたり静かに動いたりしていた。
- 友だちと手を繋ぎ、円になって回るダンスを楽しんでいた。
- 楽器(鈴、タンバリン)を使って、合奏のようなことをしていた。
- 歌詞の意味を理解し、感情を込めて歌っていた。
- 即興で歌を作り、楽しそうに口ずさんでいた。
Q4. ごっこ遊びの世界観と展開は?
- お店屋さんごっこで、「いらっしゃいませ」とやり取りを楽しんでいた。
- ヒーローになりきって、かっこいいポーズやセリフを決めていた。
- 水族館ごっこで、魚になりきって泳いでいた。
- 映画館ごっこで、チケットを作って配っていた。
- 友だちとイメージを共有し、遊びを長時間続けていた。
Q5. 感動や発見の表現は?
- 虹を見て「うわぁ!」と声を上げ、感動を伝えていた。
- セミの抜け殻を見つけ、「すごいね」「かっこいい」と喜んでいた。
- できた喜びを全身で表現し、自信に満ちた顔をしていた。
- 面白いことを見つけ、友だちと顔を見合わせて大笑いしていた。
- きれいな花や石を見つけ、宝物のように扱っていた。



コメント