2歳児クラスの4月は、進級による環境の変化(部屋や担任が変わる)と、いわゆる「イヤイヤ期(自我の芽生え)」が重なる時期です。 不安から甘えたり、逆に「自分で!」と強く主張したりと、心の揺れ動きが激しいのが特徴です。
この記事では、**「前半(低月齢)」と「後半(高月齢)」**に分けて、この時期特有の「葛藤」や「意欲」を記録するための質問リストをまとめました。
4月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
新しい部屋、新しい担任、新しい友だち。環境が変わり、子どもたちは期待と不安の中で過ごしています。まずは「新しい先生も自分のことを分かってくれる」という安心感(信頼関係)を再構築するスタートの月です。
子どもにとってどんな時期?
「魔の2歳児」とも呼ばれるように、自我が強く表れます。「自分でやりたいけれど、甘えたい」「言葉で伝えたいけれど、うまく出ない」という葛藤の中で、保育者に気持ちを受け止めてもらうことを強く求めています。
4月に特に観たい発達テーマ
- 新しい環境への安定(泣かずに過ごせるか、自分の場所を見つけているか)
- 「自分で」の意欲と葛藤(着脱、食事などへの取り組み)
- 言葉の広がり(二語文、三語文、自分の名前)
- 友だちへの意識(並行遊びから、少しずつ関わりへ)
1. 前半・低月齢(2歳0ヶ月~2歳5ヶ月頃)
【特徴】 行動範囲が広がり活発になりますが、言葉がまだ追いつかず、手が出たり泣いたりして気持ちを表現することが多い時期です。「自分で」という気持ちを尊重しつつ、さりげない援助が必要になります。
🌿養護(生活・安心感)
🩷生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康)
Q1. 新しい環境での「食欲」や「食べ方」は?
- 環境の変化に緊張し、食が進まない様子が見られた。
- スプーンやフォークを下握りで持ち、意欲的に口に運んでいた。
- 「自分で」と主張するが、うまくいかずに保育者に助けを求めていた。
- 苦手な野菜が出ると、「イヤ」と言ってお皿の隅に寄せていた。
- コップを両手で持ち、こぼさないように慎重に飲んでいた。
Q2. 衣服の着脱(パンツ・靴下)への意欲は?
- ズボンを履こうと足を上げたが、バランスを崩して座り込んでいた。
- 靴下を引っ張って脱ぎ、「できた」と見せてくれた。
- 「やって」と甘え、保育者が手を添えると自分で引き上げていた。
- 帽子を自分で被り、鏡を見て確認していた。
- 脱いだ服をそのままにせず、自分のカゴに入れようとしていた。
Q3. 排泄(トイトレ)の現状と興味は?
- オムツが濡れると、「出た」と言葉や仕草で教えてくれた。
- トイレに誘うと嫌がらずに座り、排尿に成功することもあった。
- まだ排泄の間隔が定まらず、オムツでの排泄が中心だった。
- 友だちがトイレに行くのを見て、自分も行こうとついて行っていた。
- オムツ交換の時、自分でズボンやオムツを脱ごうとしていた。
Q4. 睡眠(午睡)の入り方と安心グッズは?
- 新しい部屋に戸惑い、入眠までに時間がかかっていた。
- 自分のタオルを握りしめ、指しゃぶりをして落ち着こうとしていた。
- 保育者に背中をトントンされると、安心して眠りについた。
- 途中で目が覚めて泣いたが、抱っこですぐに再入眠できた。
- 自分の布団の場所を覚え、自分から横になろうとしていた。
Q5. 健康状態と体調の訴えは?
- 鼻水が出ると、「ハナ」と言ってティッシュを指差していた。
- 新しい環境の疲れからか、夕方になると熱っぽくなることがあった。
- 外遊びの後、手洗いをしようと水道に向かっていた。
- 「痛い」と言って、転んだ場所を保育者に見せに来た。
- 喉が渇くと「お茶」と言って、水分を欲しがっていた。
💚情緒の安定(愛着・イヤイヤ)
Q1. 登園時(分離)や新しい担任への反応は?
- 朝は保護者と離れる際に泣いたが、抱っこされるとすぐに泣き止んだ。
- 新しい担任に対して人見知りをしていたが、遊びを通して笑顔が見られるようになった。
- 「ママがいい」と泣いていたが、好きな玩具を見つけると遊び始めた。
- 登園するとすぐに身支度を始め、自分のペースを作っていた。
- 不安になると、特定の保育者の後をついて回っていた。
Q2. 「イヤイヤ(自己主張)」の出方は?
- 気に入らないことがあると、床に寝転がって泣き叫んでいた。
- 「イヤ!ダメ!」と言葉で強く拒否していた。
- 自分でやりたい気持ちが強く、手伝おうとすると手を振り払っていた。
- 気持ちを受け止めると、「うん」と頷いて落ち着きを取り戻した。
- 遊びの切り替えが難しく、納得するまで時間がかかっていた。
Q3. 甘えと自立のバランスは?
- 普段は「自分で」と言うが、眠くなると「抱っこ」と甘えていた。
- 困った時だけ保育者の方を見て、助けを求めていた。
- 抱っこして十分にスキンシップをとると、満足して遊びに戻っていった。
- 不安な時に保育者の足にしがみつき、安心感を得ようとしていた。
- 着替えなど、甘えて「できない」と言う日もあった。
Q4. 自分の気持ちをどう表現していますか?
- 嬉しい時に飛び跳ねて、全身で喜びを表していた。
- 怒った時に物を投げようとしたが、目が合うと止めていた。
- 悲しい時に涙を流し、慰めてもらうのを待っていた。
- 「貸して」と言えずに、無言で手を出して取ろうとしていた。
- 楽しい時に「キャハハ」と声を上げ、友だちと顔を見合わせていた。
Q5. 落ち着ける場所や物はありますか?
- 部屋の隅の絵本コーナーに入り、一人で静かに過ごしていた。
- お気に入りのぬいぐるみを抱っこして、安心していた。
- 窓の外の景色を眺め、気持ちを切り替えていた。
- 保育者の膝の上を安全基地にして、周囲を観察していた。
- 自分のマークがついたロッカーの前に行き、持ち物を確認していた。
🌸五領域(感覚・探索)
🩵健康(身体機能・運動)
Q1. 歩行・走行の安定感は?
- 園庭の凸凹道を転ばずにしっかりと歩いていた。
- 両腕を振って小走りをし、追いかけっこを楽しんでいた。
- 転んでも手をついて体を守り、すぐに立ち上がっていた。
- 段差の前で一度止まり、足元を確認して降りていた。
- 音楽に合わせて、その場でジャンプしようとしていた。
Q2. 遊具への挑戦意欲は?
- 滑り台の階段を、手すりを持って一段ずつ慎重に登っていた。
- 砂場の中に座り込み、立ち上がったりしゃがんだりを繰り返していた。
- 太鼓橋(アーチ型遊具)に興味を持ち、触ったり登ろうとしたりしていた。
- コンビカーに乗って、両足で地面を蹴って進んでいた。
- ボールを追いかけて、方向転換しながら走っていた。
Q3. 手指の操作(つまむ・通す)は?
- 紐通しに集中し、穴に紐を通そうと真剣な表情だった。
- シールを台紙から剥がし、紙に貼ることを楽しんでいた。
- ペットボトルのキャップを回して開けようとしていた。
- クレヨンを握りしめ、力強くグルグルと描いていた。
- 洗濯バサミをつまんで、開閉する感触を楽しんでいた。
Q4. 身体感覚(リズム・バランス)は?
- 体操の曲が流れると、保育者の真似をして体を動かしていた。
- 平均台の上を、保育者と手を繋いで渡っていた。
- 抱っこでぐるぐる回ると、目を回して喜んでいた。
- マットの上でゴロゴロ転がり、全身運動を楽しんでいた。
- 片足立ちをしようとして、フラフラしながらも楽しんでいた。
Q5. 散歩での歩行距離や様子は?
- 友だちと手を繋ごうとするが、すぐに離してしまうことがあった。
- 散歩車には乗らず、保育者と手を繋いで目的地まで歩ききった。
- 気になるものを見つけると座り込み、動かなくなっていた。
- 「ストップ」の声かけで、立ち止まることができた。
- 帰り道は疲れて抱っこを求めたが、励ますと頑張って歩いた。
🧡人間関係(人への興味)
Q1. 友だちへの関心(並行遊び)は?
- 友だちの遊んでいる様子をじっと見て、同じ遊びを始めようとしていた。
- ブロック遊びで、友だちの隣に座ってそれぞれの作品を作っていた。
- 友だちが走ると、つられて一緒に走り出していた。
- 砂場で同じ山を作り、顔を見合わせて笑っていた。
- 「一緒」と言って、同じ玩具を持っていることを喜んでいた。
Q2. 物の取り合いやトラブルは?
- 友だちの玩具が欲しくて、無言で取ってしまいトラブルになった。
- 玩具を取られると泣いて怒り、保育者に訴えていた。
- 「貸して」と言われたが、まだ貸したくなくて背中を向けていた。
- トラブルの後、保育者が仲立ちすると「ごめんね」と頭を下げた。
- 自分の玩具を守ろうとして、「ダメ!」と強い口調で言っていた。
Q3. 保育者とのやり取りは?
- 名前を呼ぶと「はーい」と手を挙げて返事をした。
- 「見て」と何度も声をかけ、自分の行動を認めてもらおうとしていた。
- 絵本を持ってきて、膝の上で読んでほしがった。
- 追いかけっこをして、捕まえられるのを待っていた。
- 手遊びを一緒にして、楽しさを共有していた。
Q4. 他者への優しさの芽生えは?
- 泣いている友だちを見て、心配そうに顔を覗き込んでいた。
- 転んだ友だちに「大丈夫?」と声をかけようとしていた。
- 友だちに玩具を「どうぞ」と渡す姿が見られた。
- 友だちの頭をなでて、いいこいいこしていた。
- 保育者が手伝ってくれた時、ニコッと笑ってお礼をしていた。
Q5. 人見知りや場所見知りは?
- 新しいクラスの部屋に入ると、緊張して保育者にしがみついていた。
- 園長先生など、担任以外の職員にも笑顔で手を振っていた。
- 散歩先で地域の人に会うと、恥ずかしそうに隠れていた。
- 実習生に興味を持ち、玩具を渡して関わろうとしていた。
- 慣れない場所では、探索活動が慎重になっていた。
💛環境(自然・物・探索)
Q1. 春の自然(花・虫)への興味は?
- 散歩先でタンポポを見つけ、指差して教えてくれた。
- アリが歩いているのをじっと観察し、後をついて行っていた。
- 桜の花びらを拾い、「きれい」と言って見せてくれた。
- 暖かくなり、戸外で遊ぶことを全身で喜んでいた。
- ダンゴムシを触ろうとしたが、動くと驚いて手を引っ込めた。
Q2. 玩具の操作や仕組みへの関心は?
- ミニカーを走らせ、タイヤが回る様子を見ていた。
- 重ねるカップを高く積み上げ、倒れるとまた積んでいた。
- パズルがはまらない時、向きを変えて試行錯誤していた。
- 音の鳴る玩具を振り、リズムを変えて楽しんでいた。
- 蓋を開け閉めし、中身が出し入れできることを確認していた。
Q3. 探索行動の広がりは?
- 園庭の隅々まで歩き回り、石や枝を拾っていた。
- 植木鉢の下を覗き込み、何かいないか探していた。
- 鏡に映る自分の姿に興味を持ち、変な顔をして遊んでいた。
- カーテンの裏に隠れて、「ばあ」と出てくるのを楽しんでいた。
- 散歩中に飛行機の音を聞き、空を見上げて探していた。
Q4. 色や形、大きさへの気づきは?
- 「赤」「青」など、色の名前を言おうとしていた。
- 丸や四角の形合わせパズルを、形を見てはめていた。
- 「大きい」「小さい」と言って、ボールのサイズを比べていた。
- 同じ色のブロックを集めて、並べて遊んでいた。
- 「いっぱい」と言って、たくさんのドングリを見せてくれた。
Q5. 身近な環境(マーク・場所)の理解は?
- 自分のマークを覚え、靴箱やロッカーを探していた。
- 「お外行くよ」と言うと、帽子のある場所へ向かっていた。
- 手洗い場の場所を知り、自分で行こうとしていた。
- 片付けの時間に、玩具を元の箱に戻そうとしていた。
- 絵本コーナーで、座って本を読む習慣がついてきた。
💚言葉(発声・理解)
Q1. 二語文の出現や語彙の広がりは?
- 「ワンワン、いた」「マンマ、ちょうだい」など、二語文を話していた。
- 「ブーブー(車)」「ニャーニャー(猫)」など、名詞が増えてきた。
- 「あった!」「ないない」など、状況に合わせて言葉を使っていた。
- 自分の名前を呼ばれると、「〇〇ちゃん」と言おうとしていた。
- 「おいしい」「痛い」など、形容詞を使って気持ちを伝えていた。
Q2. 指示の理解と行動は?
- 「おいで」と言うと、嬉しそうに近寄ってきた。
- 「ポイして」と言うと、ゴミ箱に捨てに行っていた。
- 「座って」と言うと、椅子に座ることができた。
- 「帽子持ってきて」と言うと、自分のロッカーに向かっていた。
- 「ナイナイ(片付け)」と言うと、玩具を箱に入れていた。
Q3. 指差しや身振りでのコミュニケーションは?
- 欲しいものを指差し、「これ」と要求していた。
- 「バイバイ」と言いながら、手を振っていた。
- 飛行機を見つけて指差し、「アッ!」と教えてくれた。
- 「どっち?」と聞くと、好きな方を指差して選んでいた。
- 首を振って「イヤイヤ」をし、拒否の気持ちを伝えていた。
Q4. 歌や手遊びの言葉は?
- 「チューリップ」などの歌を、語尾だけ一緒に歌っていた。
- 手遊びの歌詞に合わせて、手を動かそうとしていた。
- 絵本のフレーズを覚え、繰り返し言っていた。
- リズムに合わせて、「トントン」などと言っていた。
- 好きな歌が流れると、体を揺らして口ずさんでいた。
Q5. 模倣発語(オウム返し)は?
- 「きれいだね」と言うと、「キレー」と真似していた。
- 動物の鳴き声を真似して、「モーモー」と言っていた。
- 挨拶の言葉を聞いて、口を動かしていた。
- 友だちの名前を呼ぶ真似をしていた。
- 保育者の口癖を真似して、何か言っていた。
💜表現(感情・感性)
Q1. 音楽やリズムへの反応は?
- ピアノの音が聞こえると、手を叩いて反応していた。
- 音楽に合わせて屈伸し、リズムを感じていた。
- 「キラキラ」の手の動きを真似て、頭の上で手を振っていた。
- 楽器を鳴らして、音が出ることを喜んでいた。
- 曲が終わると、「もう一回」とリクエストしていた。
Q2. 描画(なぐり描き)の様子は?
- クレヨンを握り、力強く点を打ったり線を引いたりしていた。
- 描いた線を見て、「アー!」と声を上げていた。
- 色を変えることを楽しみ、次々と持ち替えていた。
- 紙からはみ出るほど、ダイナミックに腕を動かしていた。
- 描いたものを指差し、「ママ」と言っていた。
Q3. ごっこ遊び(見立て)の芽生えは?
- ブロックを耳に当て、「もしもし」と電話の真似をしていた。
- コップで飲む真似をして、「プハー」と言っていた。
- 布を被って「オバケ」になりきっていた。
- 食べ物を保育者の口に運び、食べさせる真似をしていた。
- 箱を車に見立てて、押して歩いていた。
Q4. 全身を使った感情表現は?
- 嬉しい時に飛び跳ねて、全身で喜びを表していた。
- 悔しい時に床に寝転がり、手足をバタバタさせていた。
- 驚いた時に目を見開き、口を開けていた。
- 楽しい時に保育者に抱きつき、興奮を伝えていた。
- 悲しい時に涙を流し、助けを求めていた。
Q5. 素材や感触への反応は?
- 粘土を指でつんつん触り、感触を確かめていた。
- 新聞紙をビリビリ破り、音や感触の変化に笑っていた。
- フワフワした布に顔を埋め、気持ちよさそうにしていた。
- シールが手にくっつくのを不思議そうに見ていた。
- 砂の感触を楽しみ、手で握ったり落としたりしていた。
2. 後半・高月齢(2歳6ヶ月~2歳11ヶ月頃)
【特徴】 言葉数が増え、「なんで?」「これなに?」という知的好奇心が旺盛になります。友だちとの関わりの中でルールを学んだり、イメージを共有して遊んだりする姿が見られます。
🌿養護(生活・自我)
🩷生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康)
Q1. 食事(お箸・マナー)への関心は?
- エジソン箸や箸に興味を持ち、使ってみようとしていた。
- スプーンを下握り(鉛筆持ち)に移行しようとしていた。
- 「三角食べ」を意識し、ご飯とおかずを交互に食べていた。
- 食事中、お喋りが過ぎると注意され、意識して静かにしていた。
- 食べこぼしを自分で拾い、きれいにしようとしていた。
Q2. 衣服の着脱(ボタン・前後)は?
- 大きめのボタンを、時間をかけて留めることができた。
- ズボンやシャツの前後を確認して、正しく着ようとしていた。
- 服を畳んで、自分のロッカーにしまおうとしていた。
- 靴の左右を気にして、「こっち?」と確認していた。
- 「自分でやる!」と言って、手伝いを断り最後まで頑張っていた。
Q3. 排泄(トイレトレーニング)の完了具合は?
- 日中はパンツで過ごし、尿意を感じてトイレに行けていた。
- お昼寝明けもパンツが濡れていないことが増えた。
- 排泄後、自分でお尻を拭こうとしていた(仕上げは保育者)。
- トイレットペーパーを適量取って使うことができた。
- トイレのスリッパをきれいに揃えていた。
Q4. 健康管理(うがい・鼻かみ)の自立は?
- 「ガラガラうがい」に挑戦し、上を向いてできるようになってきた。
- 鼻水が出ると自分でティッシュを取り、鼻をかんでいた。
- 汗をかいたことに気づき、「着替える」と言っていた。
- 咳エチケット(口を覆う)を意識していた。
- 遊び疲れると、自分でお茶を飲んで休憩していた。
Q5. 睡眠(午睡)の変化は?
- 体力がつき、なかなか寝付けない日もあったが、静かに横になっていた。
- 自分の布団を敷くのを手伝おうとしていた。
- 起きた後、自分で布団を畳もうとしていた。
- パジャマのボタンを自分で留めて着替えていた。
- 目覚めが良く、すぐに遊びに移行できていた。
💚情緒の安定(自己主張・葛藤)
Q1. 自我の表現とコントロールは?
- 自分の意見をはっきりと言葉で伝え、主張していた。
- 我慢が必要な場面で、少し待つことができるようになった。
- 怒りや悲しみを言葉で表現し、相手に伝えようとしていた。
- 失敗しても「もう一回」と粘り強く挑戦していた。
- 保育者に気持ちを受け止めてもらうと、すぐに落ち着いていた。
Q2. 友だちとの関係での情緒は?
- 友だちと喧嘩しても、「ごめんね」「いいよ」で仲直りできた。
- 友だちが泣いていると心配し、ティッシュを持ってきていた。
- 自分の思い通りにならず泣いたが、理由を話すと納得した。
- 友だちに優しくされて、嬉しそうな顔をしていた。
- 友だちと一緒にいることで、安心感を得ているようだった。
Q3. 進級への意識と期待は?
- 「もうすぐ3歳(お兄さん)になる」と張り切っていた。
- 新しいクラスの部屋に行き、憧れの眼差しで見ていた。
- 年下の子(1歳児)に対して、お世話をしようとしていた。
- 「自分でできるもん」と言って、自信を持って行動していた。
- 進級を楽しみにする反面、甘える姿も見られた。
Q4. 甘えと自立のバランスは?
- 基本的には自分でやるが、甘えたい時は「やって」と言っていた。
- 抱っこしてほしい時に、素直に言葉で伝えていた。
- 困った時は保育者を頼り、解決しようとしていた。
- 登園時の別れ際、笑顔で手を振っていた。
- 遊びに夢中になり、保育者から離れて長時間過ごしていた。
Q5. 自信や達成感の表現は?
- 難しいパズルが完成した時、「見て!」と大喜びしていた。
- 鉄棒にぶら下がれた時、得意げな顔をしていた。
- 褒められると照れながらも、やる気を見せていた。
- 友だちに「すごいでしょ」と自分の作品を見せていた。
- 「私がやったの」と、自分の行動に責任を持っていた。
🌸五領域(行動・意欲)
🩵健康(運動・活動)
Q1. 走る・跳ぶなどの調整能力は?
- スピードを調節して走り、友だちとぶつからないように避けていた。
- 両足ジャンプ(グーパージャンプ)ができるようになった。
- 片足立ちで数秒間バランスを取ることができた。
- 音楽に合わせてスキップのような動きをしていた。
- 高いところから飛び降りて、膝を使って着地していた。
Q2. 遊具を使った運動遊びは?
- ジャングルジムのてっぺんまで登れるようになった。
- 三輪車をこいで、スピードを出して走っていた。
- 鉄棒で「豚の丸焼き」のポーズをとっていた。
- 砂場で山を作り、トンネルを掘って貫通させていた。
- ボールを上投げしたり、キャッチしようとしていた。
Q3. 散歩での歩行や交通ルールは?
- 友だちと手を繋ぎ、列を崩さずに歩くことができた。
- 横断歩道で手を挙げ、左右を確認していた。
- 長い距離を歩いても、「疲れた」と言わずに頑張っていた。
- 「白い線の中を歩くよ」という約束を守っていた。
- 信号の色を見て、「青だから進めるね」と言っていた。
Q4. 手指の巧緻性(道具の使用)は?
- ハサミを一回切りし、線に沿って切ろうとしていた。
- 箸を使って、スポンジなどの玩具を掴む遊びをしていた。
- 粘土を小さくちぎり、丸めて団子を作っていた。
- ボタンを掛け違えずに留めることができた。
- 折り紙を角と角を合わせて折ろうとしていた。
Q5. 危険回避や安全への意識は?
- 友だちが危ないことをしていると、「ダメだよ」と注意していた。
- ハサミを使う時、座って集中して扱っていた。
- ドアの開閉時に、指を挟まないように確認していた。
- 遊具の順番を守り、安全に遊んでいた。
- 転んだ時、すぐに手をついて顔を守っていた。
🧡人間関係(他児との関わり)
Q1. 友だちとの協同的な遊びは?
- 「鬼ごっこしよう」と誘い合い、ルールのある遊びを楽しんでいた。
- 砂場で大きな山を作り、役割分担をして協力していた。
- ブロックで一つの街を作り、イメージを共有していた。
- 「だるまさんが転んだ」を、友だち同士で楽しんでいた。
- 手を繋いで輪になり、「かごめかごめ」をしていた。
Q2. 言葉による解決(貸し借り・トラブル)は?
- 「貸して」「いいよ」「あとでね」のやり取りがスムーズだった。
- 玩具を取られても、言葉で「返して」と言っていた。
- 順番を守れない友だちに、「並んで」と教えていた。
- 自分の気持ちを言葉で伝え、相手の話も聞こうとしていた。
- 喧嘩の後、「ごめんね」と言って仲直りしていた。
Q3. ごっこ遊び(役割)の発展は?
- 「私はお母さん」「僕はお父さん」と役割を決めて遊んでいた。
- 病院ごっこで、「お腹痛いですか?」「薬飲みましょう」と会話していた。
- お店屋さんごっこで、レジスターを使って会計の真似をしていた。
- 電車ごっこで、車掌とお客さんになりきっていた。
- 友だちのアイデアを取り入れ、遊びを展開させていた。
Q4. 他者への思いやりや共感は?
- 泣いている友だちに「どうしたの?」と声をかけ、頭をなでていた。
- 年下の子が転んだ時、助け起こしてあげていた。
- 友だちが褒められていると、一緒に喜んでいた。
- 自分の大切なお菓子(玩具)を、友だちに分けてあげていた。
- 困っている友だちがいると、保育者に知らせに来ていた。
Q5. 集団でのルール理解は?
- 「よーいドン」の合図で走り出し、フライングせずに待てていた。
- 椅子取りゲームのルールを理解し、負けても泣かずに応援していた。
- 順番待ちの列に並び、抜かさずに待てていた。
- 片付けの時間になると、みんなで協力して片付けていた。
- 話を聞く時に、お喋りを止めて注目していた。
💛環境(自然・物・数量)
Q1. 春の訪れ(自然)への気付きは?
- つくしやオオイヌノフグリを見つけ、「春だね」と言っていた。
- 桜の蕾が膨らんでいるのに気づき、開花を楽しみにしていた。
- テントウムシを見つけ、手のひらに乗せて観察していた。
- 暖かくなり、影が濃くなっていることに気づいていた。
- 風の匂いや温度の変化を感じ、言葉にしていた。
Q2. 数量・形・色への認識は?
- 「1、2、3…」と10まで数えることができた。
- 「3個ちょうだい」と言うと、数えて渡してくれた。
- 「赤い車」「青い服」など、色と物を組み合わせて言っていた。
- 三角と四角を組み合わせて、「お家」を作っていた。
- 時計の針を見て、「長い針が上になったら」と時間を意識していた。
Q3. 文字やマークへの関心は?
- 自分の名前の文字(ひらがな)を認識し、指差していた。
- 絵本の中の知っている文字を見つけて読んでいた。
- 友だちのマークを覚え、「これ〇〇ちゃんの」と教えてくれた。
- 街中の看板を見て、「あれ何て書いてあるの?」と聞いていた。
- 自分の持ち物に名前が書いてあるか確認していた。
Q4. 道具の操作や仕組みへの興味は?
- ハサミや糊などの道具を、目的に合わせて使っていた。
- 鍵の開け閉めに興味を持ち、仕組みを理解しようとしていた。
- 時計の針が動く様子をじっと観察していた。
- 楽器の鳴らし方を工夫し、音色の変化を楽しんでいた。
- 磁石がつく場所とつかない場所を探して遊んでいた。
Q5. 整理整頓や物の管理は?
- 玩具の片付け場所を理解し、種類ごとに分けてしまっていた。
- 自分のロッカーの中をきれいに整頓しようとしていた。
- 脱いだ靴を揃えて靴箱に入れていた。
- 落ちているゴミを拾い、ゴミ箱に捨てていた。
- 友だちが片付けていないと、手伝ってあげていた。
💚言葉(やりとり・理解)
Q1. 会話(多語文)の広がりは?
- 「今日、ママと公園行ったよ」など、過去の出来事を話していた。
- 「これ、どうやってやるの?」と、方法を尋ねていた。
- 「だって、〇〇だから」と、理由を説明しようとしていた。
- 友だちとのお喋りが弾み、楽しそうに笑い合っていた。
- 大人びた口調を真似して話し、周囲を笑わせていた。
Q2. 「なんで?」「どうして?」の質問期は?
- 「なんで空は青いの?」「これなあに?」と頻繁に質問していた。
- 知らない言葉を聞くと、「それどういう意味?」と聞いていた。
- 物の名前だけでなく、機能や理由を知りたがっていた。
- 納得するまで質問を繰り返し、知識を深めていた。
- 保育者の説明を聞いて、「そうなんだ」と頷いていた。
Q3. 自分の名前や相手の名前は?
- フルネームで自分の名前をはっきり言えるようになった。
- クラス全員の名前を覚え、呼ぶことができた。
- 家族の名前(パパ、ママ以外)も言えるようになった。
- 「僕」「私」という一人称を使い始めていた。
- 先生の名前を呼び、「先生、見て」と言っていた。
Q4. 物語やイメージの言語化は?
- 絵本の内容を覚えて、自分なりの言葉で読んでいた。
- 描いた絵について、「ここは〇〇で…」と詳しく説明していた。
- ごっこ遊びの設定を言葉で説明し、友だちと共有していた。
- 自分の作った物語を、楽しそうに話していた。
- 歌の歌詞を間違えずに歌えるようになった。
Q5. 挨拶や社会的な言葉は?
- 朝、「おはようございます」と元気に挨拶していた。
- 帰る時、「さようなら、また明日」と言っていた。
- 何かしてもらった時、「ありがとう」と自然に言えていた。
- ぶつかった時、「ごめんね」とすぐに謝っていた。
- 食事の前後、「いただきます」「ごちそうさま」を言っていた。
💜表現(創造・感性)
Q1. 描画(見立てから描写へ)の変化は?
- 顔から手足が出る「頭足人」を描けるようになった。
- 家族の顔を描き、特徴を捉えようとしていた。
- 閉じた丸を描き、その中に色を塗ろうとしていた。
- 「チューリップ」など、具体的な形を描こうとしていた。
- 複数の色を使って、カラフルな絵を描いていた。
Q2. 制作活動(ハサミ・糊)の様子は?
- ハサミで一回切りした紙を、糊で貼って「ピザ」を作っていた。
- 折り紙を折って、「犬」や「飛行機」を作ろうとしていた。
- 廃材(空き箱など)を使って、立体的な作品を作っていた。
- 粘土で「お弁当」を作り、具材を細かく表現していた。
- 完成した作品を大事にし、壊れないように扱っていた。
Q3. 音楽やリズム表現は?
- 曲に合わせて、友だちと列になって行進していた。
- 歌詞の意味を理解し、感情を込めて歌っていた。
- 楽器を使って、合奏のようなことを楽しんでいた。
- 自分で振付を考え、曲に合わせて踊っていた。
- リトミックで、即時反応(音が止まったら止まる)ができていた。
Q4. 劇遊び・表現遊びへの興味は?
- 「大きなカブ」ごっこで、友だちと繋がって引っ張っていた。
- 動物になりきって、「ガオー」と鳴きまねをしていた。
- ヒーローのポーズを決め、なりきって遊んでいた。
- 絵本の登場人物になりきり、セリフを言っていた。
- お遊戯会の曲を覚えて、友だちと見せ合っていた。
Q5. 感情や感性の深まりは?
- 綺麗な花を見て「かわいいね」と感動していた。
- 友だちが泣いていると、悲しい顔をして寄り添っていた。
- できた喜びを全身で表現し、自信に満ちた顔をしていた。
- 悔し涙を流し、「次は負けない」という気持ちを見せていた。
- 面白いことを見つけ、友だちと共有して大笑いしていた。



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