5歳児クラス(年長)の2月は、卒園・就学を目前に控え、1年間の、そして園生活全体の集大成となる時期です。 「もうすぐ1年生」という自覚が生活態度や言葉遣いに表れ、友だちと協力して活動する姿や、年下の子を思いやる姿に頼もしさを感じます。
2月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
卒園制作や、お別れ会などの行事に向けて、クラス一丸となって取り組む時期です。小学校への訪問や、交通安全教室などを通して、就学への具体的なイメージを持ち始めます。仲間との絆が深まり、トラブルが起きても自分たちで解決する力が育っています。
子どもにとってどんな時期?
生活習慣が確立し、自分のことはもちろん、クラスの役割(当番活動など)も責任を持って行います。学習的な要素(文字、数、時間)への関心が高まり、遊びの中に取り入れる姿が見られます。別れの寂しさと新しい世界への期待が入り混じる、心の成長期でもあります。
2月に特に観たい発達テーマ
- 就学への期待と自信(ランドセル、通学路、自立心)
- 社会性と協同性(話し合い、ルールの共有、思いやり)
- 文字・数・時間への理解(時計を読む、手紙を書く)
- 豊かな表現力(思い出画、合奏、劇遊び)
養護(生活・情緒)
勺 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. 就学を見据えた食事のマナーと時間は?
- 小学校での給食時間を意識し、「長い針が〇になるまでに食べよう」と時計を確認しながら、見通しを持って食べ進める自律心が見られた。
- 椅子に深く座り、背筋を伸ばしてお椀を正しく持つなど、進級・進学を控えたお兄さん・お姉さんとして、常に正しい姿勢で食事に向き合っていた。
- 箸の操作が極めて習熟し、滑りやすい麺類や小さな豆も、箸先を上手に使い分けて最後の一粒まできれいに食べる姿に成長が感じられた。
- 「お野菜を食べると体が強くなって、1年生になっても風邪をひかないよ」と、栄養の働きと自分の健康を関連付けて話し、意欲的に食べていた。
- 給食当番活動において、友だちと「重いから一緒に持とう」と協力して配膳し、食後の片付けまでを責任を持ってスムーズに行っていた。
Q2. 健康管理(衛生・安全)の自己判断は?
- 外遊びから戻ると、誰に言われることもなく自発的に水道へ向かい、手首や指の間まで時間をかけて丁寧に洗う衛生習慣が定着している。
- 鼻水が出ると不快感に気づいて自分でティッシュでかみ、使用済みのものを捨ててから再度手を洗うなど、一連の始末を一人で完璧に行っていた。
- 「少し頭が痛い気がする」「お外に出たら寒気がした」など、自分の体調の変化を具体的な言葉で保育者に伝え、早めに対応することができていた。
- 園庭や廊下で危険な状況(水濡れや乱れた玩具など)を自分で察知し、未然に避けるだけでなく「危ないよ」と周囲にも知らせる判断力が育っている。
- 自分の爪が伸びていることに気づき、「明日はお家で切ってくるね。お友だちに当たると危ないもんね」と、安全への配慮を口にしていた。
Q3. 衣服の調節と身だしなみは?
- 鬼ごっこなどの激しい活動の前に「走ると暑くなるから脱いでおこう」と、自分の体感を予測して主体的に衣服の脱ぎ着をして調節していた。
- 脱いだ衣服を床に置かず、袖を返して端を合わせてきれいに畳み、次に使う時に取り出しやすいようロッカーの中を常に整頓していた。
- 鏡を見てシャツの裾が出ていないか確認したり、襟の折れを直したりと、自分なりに清潔感のある身だしなみを意識して整える姿が見られた。
- ハンカチとティッシュを毎日忘れずにポケットに入れ、手洗いの後や必要な時にサッと取り出して正しく使う習慣が身についている。
- ジャンパーのファスナーの噛み合わせや、エプロンのリボン結びなどを、手元を見なくても指先の感覚だけでスムーズに行うことができていた。
Q4. 排泄(トイレ)の習慣とマナーは?
- 小学校の休み時間を意識し、「今のうちにトイレを済ませておこう」と、次の活動に移る前に自分から進んで用を足す習慣がついてきた。
- 和式トイレの使用方法を完全にマスターし、衣服を汚すことなく落ち着いて排泄から後始末までを自立して行うことができている。
- トイレットペーパーがなくなっていることに気づくと自分で予備を補充したり、乱れたスリッパを揃えたりと、次に使う人のことを考えた行動が見られた。
- 排泄後の手洗いを石鹸を使って丁寧に行い、自分のハンカチでしっかりと水分を拭き取ってからポケットにしまうまでの一連の流れが定着している。
- 遊びに夢中になっていても自分の尿意を敏感に察知し、早めに切り上げてトイレに行くことができており、日中の失敗は全くなかった。
Q5. 睡眠(午睡)の調整と目覚めは?
- 就学に向けて午睡時間を短縮(または休止)する中で、机に座って静かに好きな活動をしたり休息をとったりと、落ち着いて生活のリズムを調整していた。
- 午睡をとる場合でも、入眠から目覚めまでが極めてスムーズで、短時間の休息で体力を回復させて午後の活動に意欲的に取り組んでいた。
- 自分の布団を敷く際、四隅を合わせようとしたり、起きた後に端を揃えて畳んだりと、自分の身の回りのものを大切に扱う意識が高まっている。
- 鼻詰まりや咳がある時は、自分から横向きになって呼吸を楽にしようとするなど、自分の体を心地よく保つために体勢を自ら微調整していた。
- 起床後、鏡を見て髪の乱れを整えたり、服装を直したりして、寝起きのままで活動に入らないというマナーが身についている。
養護(生活・情緒)
情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 就学への期待と不安は?
- 「私のランドセルはラベンダー色なんだよ!」と友だちと見せ合い、4月からの新しい生活を想像してはじけるような笑顔で報告してくれた。
- 近隣の小学校を訪問した際、大きな体育館や授業の様子を興味深く見つめ、「勉強楽しみだな」と未知の世界への期待を大きく膨らませていた。
- 別の小学校へ行く友だちに対し、「離れても絶対にお手紙書くからね」と約束を交わし、別れの寂しさを抱えつつも深い絆を確認し合っていた。
- 「1年生のお勉強、できるかな…」とふと不安を口にする場面もあったが、保育者に受け止められ励まされることで、安心感を持って前を向いていた。
- 日めくりカレンダーで卒園までの日数を数え、「あと〇日しかないから、みんなといっぱい遊ぼうね」と一日一日を慈しむように過ごしていた。
Q2. 友だちとの関係(信頼・解決)は?
- 遊びの展開で意見が分かれた際も、感情的にならずに「じゃあ、今回はこうしてみようよ」と話し合い、互いが納得できる妥結点を探っていた。
- 制作や着替えで困っている友だちにいち早く気づき、「どこができないの?教えてあげようか?」と自ら歩み寄って助ける優しさが定着している。
- 友だちの描いた絵や逆上がりの成功を見て、「その色使いすごいね!」「かっこよかったよ!」と、仲間の良さを素直に認め、褒め称え合っていた。
- 卒園制作などのグループ活動において、自分の役割を果たしながら周りと呼吸を合わせ、一つの目的を達成する喜びを分かち合っていた。
- トラブルになった際も、自分の非を客観的に認め、保育者の仲立ちを待たずに自ら「さっきはごめんね」と謝って仲直りする逞しさが見られた。
Q3. 自信と自立心(自己肯定感)は?
- 新しい課題に直面しても「まずは自分でやってみるから大丈夫!」と、培ってきた力を信じて主体的に行動しようとする自立心が育っている。
- 二重跳びや難しい制作など、一度で成功しない課題に対しても、唇を噛み締めて何度も繰り返し挑戦し、克服しようとする持続力が見られた。
- 給食当番や掃除のリーダーなど、自分に任された役割を「クラスのみんなのために」という責任感を持って最後までやり遂げていた。
- 全園児の前で発表する際も、背筋を伸ばして堂々とした態度ではっきりと自分の意見を述べ、周囲に認められることで大きな自信をつけていた。
- 年下の子のお世話をする中で、「お兄さん・お姉さんだから」と頼りにされることに喜びを感じ、自己有用感を高める姿が見られた。
Q4. 葛藤のコントロールと我慢は?
- ドッジボールやリレーで負けてしまい、本気で悔し涙を流しながらも、勝利した相手チームに「おめでとう」と拍手を送る立派な態度が見られた。
- 「自分が今やりたいこと」よりも「集団の約束」を優先し、遊びを我慢して次の活動に協力するなど、高い自律心を発揮していた。
- 遊びが最高潮に盛り上がっている最中に片付けの合図があっても、状況を理解して「また明日やろうね」と納得して気持ちを切り替えていた。
- 嫌なことがあってイライラした際も、一度その場を離れたり深呼吸をしたりして、自分の力で心を落ち着かせようとする精神的な成長が見られた。
- 自分の希望が通らない理由を保育者に説明されると、その正当性を理解し、納得して待ったり代替案を受け入れたりすることができた。
Q5. 保育者との関係(対等な対話)は?
- 「私はこう思うから、こうしたい」と自分の考えやその根拠を、保育者に対しても筋道立てて論理的に話そうとする知的成長が見られた。
- 小学校への不安や友だちとのことなど、自分の内面にある繊細な悩みを信頼している保育者に打ち明け、共に考えることで安心を得ていた。
- 保育者と共通の趣味や体験談で盛り上がったり、冗談を言い合って笑い合ったりと、親愛の情を込めた対等な対話を楽しんでいた。
- 年度末を意識し、ふとした瞬間に「先生、いつもありがとう」と感謝の言葉を口にするなど、人との繋がりの大切さを実感しているようだった。
- 精神的に自立しつつも、疲れた時などには一時的に甘えを出し、保育者に受け止められることで心のバランスを保って活動に戻っていた。
五領域(遊びと活動)
健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 運動能力(縄跳び・ボール)の向上は?
- 縄跳びにおいて、脇を締めて手首で縄を回すコツを完全に掴み、あや跳びや二重跳びといった高難度の技を連続で跳べるようになった。
- ドッジボールでは、飛んでくるボールの速さを正確に見極めて素早く身をかわしたり、相手の隙を突いて力強いシュートを放ったりしていた。
- 走り縄跳びにおいても、スピードを落とさずに一定のリズムを保ちながら、園庭を何周も回り続ける高い調整能力と持久力を見せていた。
- ボールを片手でコントロールしながらドリブルで進み、目標のゴールを目がけて正確にシュートを決めるなど、目と手足の協調が著しく発達した。
- 鉄棒では「逆上がり」を軽々とこなし、さらに難易度の高い「空中逆上がり」にも果敢に挑戦し、回転の勢いと腕の引き寄せを調節していた。
Q2. 集団遊びのルール理解と作戦は?
- ドッジボールにおいて、「外野が当てたら内野に戻れる」といった複雑なルールを運用し、状況に応じた戦略的な判断を楽しんでいた。
- チーム対抗のゲーム前に「最初は〇〇くんが投げてね」と円陣を組んで作戦を立て、仲間にパスを送るなどの協力的なプレイが見られた。
- リレー遊びでは、バトンを落とさない渡し方だけでなく、次の走者が走り出すタイミングを合わせるなど、チームワークを重視して競い合っていた。
- サッカー形式の活動では、自分勝手に動くのではなく「今は僕が守るから攻めて!」と声を掛け合い、攻守の役割を分担して取り組んでいた。
- 子どもたち自身が審判役を担い、ラインクロスやタッチの有無を公平にジャッジし、自分たちの力で遊びを円滑に進行させていた。
Q3. 手指の巧緻性(道具の熟練)は?
- ハサミを使い、描かれた複雑な曲線や細かな角も、紙を回しながら慎重に切り抜き、卒園制作などの装飾に効果的に活用していた。
- 鉛筆を正しく持ち、書き順や文字の「はね・はらい」を意識しながら、しっかりとした筆圧で一文字ずつ丁寧に文字を書いていた。
- 掃除の時間には雑巾を両手でしっかりと持ち、手首を反対方向にひねって固く絞り、床を力強く拭くなど手指を機能的に動かしていた。
- 紐結び(蝶結び)を完全に習得し、緩まないように力を加減して自分の靴紐やエプロンの紐を一人できれいに結ぶことができた。
- 編み物や縫いさし、あるいは細かなビーズを扱う作業において、指先をピンセットのように使い分け、集中して緻密な作品を作り上げていた。
Q4. 交通安全と危険回避の意識は?
- 散歩の道中、信号の変わり目を自分で判断し、左右の安全を確認してから「手を挙げて渡る」という交通ルールを確実に守っていた。
- 道路の白線の内側を一列で歩き、友だちと広がらないように互いに声を掛け合い、集団としての安全を意識して行動することができた。
- 園庭で遊び方が乱れている子がいても、「それは危ないよ」と具体的に理由を添えて注意し、みんなの安全を守ろうとする正義感が見られた。
- 遊具の正しい使い方を遵守し、年下の子が危ない乗り方をしていると「こうやるんだよ」と優しく正しい方法を教えてあげていた。
- つまずいて転びそうになった際、とっさに掌を前について顔や頭を守り、膝で衝撃を吸収するなど、自分の身を守る身体能力が定着している。
Q5. 体力の向上と活動量は?
- 冬の冷たい風が吹く中でも、「お外は気持ちいい!」とマラソンや鬼ごっこで長時間走り回り、寒さに負けない逞しい体力がついている。
- 息を切らすほど全力で走り続けながらも、「最後まで走り抜くぞ」と強い意志を持って最後まで諦めずに活動に参加していた。
- 竹馬や一輪車といった難易度の高い用具において、体幹を使って絶妙なバランスを保ち、視線を前方に向けてスムーズに進めるようになった。
- 巧技台などの高い場所から飛び降りる際、着地の瞬間に膝を柔らかく曲げて衝撃を吸収し、ピタッと着地のポーズを決めていた。
- 自分の体調や疲れ具合を客観的に把握し、「少し喉が渇いたから休憩する」と、無理をせずに適切な休息を自らとることができていた。
李 人間関係(友だち・協同)
Q1. 協同的な活動(卒園制作・劇)は?
- 卒園制作に向けてグループで円座になって相談し、デザインや色の配分、誰がどこを担当するかを民主的に決めて取り組んでいた。
- 劇遊びの練習では、友だちのセリフのタイミングをよく聞き、絶妙な掛け合いを見せながら、一つの物語を共に作り上げる楽しさを味わっていた。
- 大きな壁面飾りを作る際、一人ひとりの描いたものが組み合わさって一つの作品になる喜びを感じ、協力して完成させていた。
- 制作の工程で意見が割れた時も、「ここは〇〇くんの案がいいと思う」と互いの良さを認め合い、妥協点を見つけて解決していた。
- 卒園という一つの大きな節目に向けて、クラス全員が「心を一つに」という連帯感を持ち、目標に向かって団結する姿が見られた。
Q2. リーダーシップとフォロワーシップは?
- 遊びの輪の中で「今日はこれをやろう!」と魅力的な提案をし、ルールを説明してみんなをまとめようとするリーダーシップが見られた。
- リーダー役の友だちを支え、必要な準備物を運んだり後片付けを率先して行ったりと、協力して活動を支えるフォロワーシップが育っている。
- グループ活動中に困っている友だちや、話に入れないでいる子にいち早く気づき、「一緒にやろう」と自ら声をかけて手助けしていた。
- 話し合いの司会進行を自分たちで担い、反対意見も「どうしてそう思うの?」と聞き出しながら、場を円滑に進めようとしていた。
- 友だちが素敵なアイデアを出した際、「それいいね!」「やってみよう」と素直に認め、肯定的に受け止める雰囲気作りができていた。
Q3. 年下の子への関わりと優しさは?
- 交流保育の散歩では年少児の手を優しく引き、車道側を自分が歩いて守ってあげようとする頼もしいお兄さん・お姉さんの姿が見られた。
- 玄関で靴がうまく履けない年下の子を見つけると、目線を合わせて「ここを持つと履きやすいよ」と優しく丁寧に教えてあげていた。
- 泣いている小さい子を見つけると、背中をさすって慰めたり、自分の大切な玩具を貸してあげたりして、安心させようと心を砕いていた。
- お別れ会に向けて「今まで遊んでくれてありがとう」と感謝の言葉を添えて手作りプレゼントを渡し、心のこもった交流を深めていた。
- 年下の子たちから憧れられる存在であることを自覚し、常に「かっこいい姿を見せよう」と背筋を伸ばして手本を示そうとしていた。
Q4. 公共心とマナーの意識は?
- ホールや園庭など、自分たちだけでなくみんなで使う場所を使った後は、元の状態よりもきれいに整えようと心を込めて片付けていた。
- 事務室の先生や園を訪れたお客様、外部の講師の方々に対しても、自分から進んで「おはようございます」と丁寧な挨拶を行っていた。
- 給食の配膳や水道の順番など、行列を守り、割り込みをしようとする子がいても「並ぶんだよ」と優しく諭す公共心が育っている。
- 公園や散歩道に落ちているゴミに気づくと自ら拾い上げ、「みんなの道だからきれいにしなきゃね」と環境美化に努めていた。
- 図書館の本や園の備品を「みんなで大切に使うもの」と理解し、丁寧にページをめくったり優しく扱ったりしていた。
Q5. 競争心とスポーツマンシップは?
- リレーやゲームにおいて勝敗にこだわり、本気で悔しがったり飛び跳ねて喜んだりと、豊かな感情を出しながらも正々堂々と戦っていた。
- たとえ負けてしまっても、勝利した相手チームに拍手を送り「速かったね、すごいね」と健闘を称える潔いスポーツマンシップが見られた。
- チームが劣勢の時こそ「まだ時間はあるよ!」「頑張ろう!」と仲間同士で励まし合い、チームの士気を高めようとしていた。
- 決められたルールを厳格に守り、不正をせずに実力でぶつかり合うこと自体の清々しさを感じ、遊びを楽しんでいた。
- 運動が苦手な子に対しても「大丈夫だよ、一緒に練習しよう」と責めることなく応援し、クラス全体で支え合おうとする温かな心があった。
環境(自然・物・数量)
Q1. 冬から春への変化(自然)への気づきは?
- 園庭の片隅で梅の蕾が膨らんでいるのを発見し、「中にお花が入ってるね、もうすぐ春になるんだ」と季節の息吹を敏感に感じ取っていた。
- 朝の園庭で霜柱を見つけたり、バケツに張った氷を割ったりして、冬ならではの自然現象の冷たさや感触を存分に楽しんでいた。
- 日差しが柔らかく暖かくなってきたことを肌で感じ、「今日はお日様がポカポカしてるね」と薄着で活動することを好むようになってきた。
- 秋に植えた球根から小さな芽が出てきたことに気づき、「何色のお花が咲くかな」と、卒園の頃の生長を楽しみにしながら観察していた。
- 朽ち木の下などで冬越しをしている小さな虫をそっと見つけ、命が春を待っている様子を不思議そうに慈しみながら見守っていた。
Q2. 数量・図形・時間への関心は?
- 壁時計を常に意識し、「長い針が12になったら給食だから、あと5分でお片付けだね」と、時間配分を考えて行動を制御できていた。
- 卒園カレンダーを指差しながら、「あと〇回寝たらお別れ会だね」と、目標の日付までの日数を正確に逆算して数えていた。
- 給食の配膳やグループ分けの際、全体の人数を数えて「足りないのは2つだね」と、過不足を論理的に判断して準備していた。
- 「100まで数えたら交代ね」と友だちと約束したり、積み木を高く積み上げながら数を数えたりして、100を超える大きな数への関心や理解を深めていた。
- トランプや双六遊びにおいて、サイコロの目を見て「あと5でゴールだから、2と3が出ればいいんだね」と、数の合成や分解を経験していた。
Q3. 文字や記号への関心は?
- 卒園する自分たちから先生や後輩たちへのお礼の手紙を、ひらがな表を見ずに自分の力ですらすらと書いていた。
- 自分の名前だけでなく、苗字まで正しく書けるようになり、さらに自分が住んでいる住所の文字にも興味を持って書こうとしていた。
- 図書コーナーにある少し長い絵本を一人で黙読したり、友だちに読み聞かせをしてあげたりと、文字を通して物語の世界を共有していた。
- 散歩中に見かける標識や、カレンダーに書かれた「祝日」などの漢字に興味を持ち、「これは何て読むの?」と熱心に知ろうとしていた。
- 自由遊びの時間に、ひらがなの「書き順」や「濁点」の位置などを友だちと教え合い、正しい文字を書こうとする意欲的な姿が見られた。
Q4. 科学的な興味(観察・実験)は?
- 磁石を持って園内を探索し、「S極とN極はくっつくけど、同じ色は逃げていくよ」と、極の性質を利用した面白い動きを発見して遊んでいた。
- 水が凍って氷になる様子や、暖かい室内で氷が溶けていく過程をじっくり観察し、「温度で形が変わるんだね」と変化の法則に気づいていた。
- 手鏡を使って太陽の光を反射させ、壁に光の粒を映して動かす遊びの中で、反射の角度によって光の動きが変わることを体感していた。
- 風の強さによって凧の上がり方や滞空時間が変わることに気づき、「風を受けてる時が一番軽いよ!」と風の力を感覚的に捉えていた。
- 弦楽器や打楽器から音が出る瞬間を観察し、「震えているから音が鳴るんだね」と、音の原理(振動)にまで関心を広げていた。
Q5. 整理整頓や物の管理は?
- 持ち帰る荷物や置いておくものなど、自分のロッカーの中を自分で判断して整理し、身の回りを常に清潔に保とうとする自律心が育っている。
- 玩具を片付ける際、種類や用途別に正確に分類し、「次に使う人が迷わないように」とラベルの通りにきれいに並べていた。
- マーカーのキャップが緩んでいないか、糊の口が汚れていないかなど、共有の道具を最後まで大切に点検して片付ける責任感が見られた。
- 玩具の一部が外れていたり、絵本が破れていたりするのを見つけると、自らセロハンテープなどで修理を試みたり保育者に報告したりしていた。
- 掃除の時間には、床の隅々の埃を見つけて掃いたり、雑巾をきつく絞って磨いたりして、自分たちの生活の場を愛おしむように整えていた。
言葉(理解・発語・会話)
Q1. 論論的な会話(説明・発表)の力は?
- クラス全員を前にして、保育園での一番の思い出や将来の夢について、自分の考えを整理して堂々とはっきりと発表していた。
- 意見を述べる際、「私は~だと思う、なぜなら~だからです」と、理由を明確に添えて論理的に話すことが定着している。
- 友だちとのトラブルの際も、「最初はこうだったけれど、次にこうなったから嫌だった」と、状況を順序立てて客観的に説明できていた。
- 保育者や友だちからの具体的な質問に対し、質問の意図を正確に捉え、相手が理解しやすい言葉を選んで的確な答えを返していた。
- 自分の頭の中にあるイメージや考えを、接続詞(だから、でも)を使って構成し、相手に伝わるように整理して話す力が見られた。
Q2. 語彙の豊かさと表現力は?
- 「みんなと離れるのは寂しいけれど、小学校に行くのは誇らしい」など、相反する複雑な感情を適切な言葉で使い分けていた。
- 園を訪れたお客様や小学校の先生に対し、「おはようございます」「お世話になります」などの丁寧語(敬語)を場に応じて使い分けていた。
- 絵本や大人の会話から知ったことわざや四字熟語、慣用句に興味を持ち、「それってこういう意味?」と自分なりに使ってみようとしていた。
- しりとり遊びにおいて、「最後が『ん』にならないように…」と、自分の語彙を総動員して適切な言葉を選び、長く繋げることを楽しんでいた。
- 絵本に出てくる美しい表現や面白い言い回しを気に入り、日常の会話の中に自然に取り入れて、表現の幅を広げていた。
Q3. 文字の読み書きへの意欲は?
- 卒園文集の制作において、自分の将来の夢や好きな遊びについて、一文字ずつ書き順を確認しながら丁寧に文字を書き上げていた。
- 友だちと手紙の交換を盛んに行い、「ありがとう」や「また遊ぼう」といった自分の気持ちを正確な文字で伝えることを楽しんでいた。
- 自分の知らない文字や書き方が曖昧な文字に出会うと、五十音表や辞書を自ら開いて調べ、正しく書こうとする探究心が見られた。
- カタカナや簡単な数字、あるいは「〇・×」などの記号にも興味を持ち、制作物やゲームの記録表の中に積極的に取り入れていた。
- 鉛筆を正しく持ち、書き始めと書き終わりを意識した、整った文字を書こうとする習慣がしっかりと身についている。
Q4. 物語の創作と共有は?
- 読み聞かせが終わった後、「もしこの後主人公が魔法を使ったら…」と続きの物語を自由に想像し、友だちと劇遊びへと発展させていた。
- 自由画帳に描いた絵に沿って、自分なりに「むかしむかしあるところに…」とストーリーを書き込み、自作の絵本を完成させていた。
- 週末に経験したことを、出来事の順番だけでなく自分の心の動きも交えて「日記」のように話し、聞き手に情景が浮かぶように伝えていた。
- ペープサートや人形劇において、役になりきって声色を変えたり、感情に合わせた抑揚をつけたりして、お話の世界を豊かに表現していた。
- 保育者の語る「素話」にじっと耳を傾け、挿絵がなくても頭の中に鮮やかな映像を映し出して、物語の世界に没入して楽しんでいた。
Q5. グループ討議(話し合い)の力は?
- 卒園式の装飾について、自ら司会役を買って出て「他に意見はありませんか?」と進行し、みんなの考えをまとめようとする姿が見られた。
- 他の友だちが話している時は話を遮らずに最後まで聞き、話し終わってから手を挙げて発言する、民主的な対話のルールが確立している。
- 自分とは違う少数意見に対しても「あ、それもいいかもしれないね」と耳を傾け、多角的に物事を検討しようとする柔軟さが見られた。
- 納得いくまで粘り強く話し合い、全員で決めた決定事項には「自分たちの約束」として責任を持って守ろうとする姿勢があった。
- 友だちの意見に共感すると深く頷いたり、「私もそう思ってた!」と応答したりして、言葉による心の通い合いを大切にしていた。
表現(感性・創造)
Q1. 描画(思い出画・自画像)の表現力は?
- 保育園での一番の思い出を、人物の配置や重なり、奥行きなどを意識した高度な描写で、画用紙いっぱいに力強く描いていた。
- 鏡をじっくりと見つめ、目や鼻の形、髪の毛の流れなどの特徴を捉えた「自画像」を描き、自分の存在を客観的に表現していた。
- 遠くのものは小さく、近くのものは大きく描くなど、空間を意識した構図を自分なりに工夫して、表現の幅を広げていた。
- 空のグラデーションや地面の複雑な色などを表現するために、複数の色を混ぜ合わせて自分だけの色を作り、丁寧に塗り込んでいた。
- 描き上げた自分の絵に対して、「ここはこうやって描いたんだよ」と工夫した点や込めた思いを、誇らしげに保育者に説明してくれた。
Q2. 制作活動(卒園制作・プレゼント)は?
- お世話になったお家の人や保育者へ向けて、「ありがとう」の気持ちを込めた手作りプレゼントを、細部まで丁寧に心を込めて制作していた。
- 卒園制作において、「ここはみんなで繋げよう」と友だちと相談しながら、一人ではできない大きな共同作品を力を合わせて作り上げた。
- 空き箱やペットボトルなどの廃材を「これは土台にする」「こっちは屋根」と計画的に組み合わせ、立体的で頑丈な作品を工夫して作っていた。
- 制作を始める前に「どんな形にするか」という簡単な設計図を自分で描き、必要な材料を自分で選んでから取り掛かる計画性が見られた。
- 糸を針に通して縫いさしをしたり、細かなパーツをボンドで接着したりする作業において、最後まで諦めずに根気強く丁寧に取り組んでいた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- 卒園式で歌う歌の歌詞を一言ずつ丁寧に噛み締め、情景を思い浮かべながら、心を一つに合わせて感情豊かに歌い上げていた。
- 複数の楽器による合奏において、指揮者の動きをよく見てリズムを合わせ、自分のパートが全体の音と調和する心地よさを感じていた。
- 曲の明るいイメージや、ゆったりとした優しさに合わせて、歌声に強弱をつけたり表情を変えたりして、音楽を心で表現していた。
- 友だちとパートに分かれて歌う合唱に挑戦し、自分たちの声が重なり合って一つの美しいハーモニーになることを楽しんでいた。
- 遊びの最中にその時の嬉しい気持ちを即興のメロディに乗せて歌い、音楽を自己表現の手段として自在に楽しんでいた。
Q4. 劇遊びや身体表現は?
- 劇ごっこでは役になりきり、舞台の端まで届く大きな声とはっきりとした滑舌で、感情を込めたセリフ回しを披露していた。
- 友だちと視線を合わせ、セリフに合わせた身振り手振りや間を大切にするなど、絶妙な掛け合いを楽しみながら劇を作り上げていた。
- 役に必要な衣装や小道具を「キラキラにしたい」と自分たちで工夫して自作し、物語の世界観を自分たちの手で演出していた。
- お客さんの前で発表することに誇りを持ち、緊張しながらも物怖じせずに、堂々とした態度で自分を表現することができていた。
- 喜びや驚きといった抽象的な感情を、顔の表情だけでなく身体全体を使った大きな動きでダイナミックに表現していた。
Q5. 感動や美しさへの感性は?
- 庭に咲き始めた梅の花をそっと覗き込み、「春の匂いがするね」とはじける笑顔で、季節の訪れを五感を通して喜んでいた。
- 友だちが描いた絵や作った作品の素晴らしい点を具体的に見つけ、「この色使いがすごく素敵だね」と、仲間の表現を心から褒めていた。
- クラシックや季節の歌を聴き、「この曲を聴くと元気が出るね」「少し寂しい気持ちになる」と、音楽から受ける情動を素直に言葉にしていた。
- 卒園式の練習を通じて、静まり返ったホールの中にある厳かな雰囲気を感じ取り、身を引き締めて臨むなど、状況に応じた感性が見られた。
- クラス全員で大きな卒園制作や合唱をやり遂げた瞬間に、仲間と顔を見合わせて、「みんなでするとすごいね!」と、共鳴し合う喜びを分かち合っていた。



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