4歳児クラス(年中)の12月は、クリスマスや年末年始の行事を控え、楽しい雰囲気の中で過ごす時期です。 寒さが本格化するため、健康管理や衣服の調節を自分で行う意識を高めると同時に、友だちとイメージを共有して遊ぶ楽しさが深まります。
12月の特徴と観察ポイント
クラスにとってどんな時期?
クリスマス会やお楽しみ会などの行事を通して、クラスの一体感が高まります。年末の大掃除などをみんなで行い、「場を清める」「物を大切にする」といった社会的な習慣にも触れる時期です。感染症対策として、手洗い・うがいの習慣を再確認し合います。
子どもにとってどんな時期?
サンタクロースへの手紙や飾り作りを通して、想像力を豊かに膨らませます。ごっこ遊びでは役割分担が明確になり、友だちと協力してストーリーを進める楽しさを味わいます。寒さの中でも、「鬼ごっこしよう」と誘い合い、活発に体を動かして遊ぶ姿が見られます。
12月に特に観たい発達テーマ
- 冬の健康管理と自立(うがい、衣服の調節、清潔)
- 想像力と行事への期待(サンタクロース、プレゼント)
- 社会性と協力(大掃除、ルールのある遊び、話し合い)
- 文字や数への関心(手紙、カレンダー、時計)
🌿 養護(生活・情緒)
🩷 生命の保持(食事・睡眠・排泄・健康・着脱)
Q1. 寒さに応じた衣服の調節(自立)は?
- 登園後、室内の暖かさに合わせて上着を脱いでいた。
- 「寒いからチャック閉める」と、自分で調整していた。
- 袖をまくって、手洗いや制作の準備をしていた。
- 肌着がはみ出ていることに気づき、自分で直していた。
- 裏返しになったトレーナーを、自分で表に返していた。
Q2. 健康管理(手洗い・うがい・鼻かみ)は?
- 外から帰ると、自ら進んで「ガラガラうがい」をしていた。
- 石鹸をよく泡立て、指の間や手首まで丁寧に洗っていた。
- 鼻水が出ると自分でかみ、ゴミ箱に捨てていた。
- 咳エチケット(手や腕で口を覆う)が習慣づいていた。
- 泥遊びの後、爪の間に入った泥も気にしていた。
Q3. 食事のマナーと箸の習熟度は?
- 箸を正しく持ち、小さな食材もつまんで食べていた。
- 茶碗を持って食べ、姿勢を正そうと意識していた。
- 口に物が入っている時は喋らず、飲み込んでから話していた。
- 苦手な野菜も、「風邪ひかないように」と頑張って食べていた。
- 食後、食器を種類ごとにきれいに重ねて片付けていた。
Q4. 排泄(トイレ)の自立と清潔習慣は?
- 尿意を感じて自分で行き、排泄後は水を流していた。
- トイレットペーパーを適切な長さに切り、きれいに拭いていた。
- 排泄後の手洗いを丁寧に行い、ハンカチで拭いていた。
- 冬の厚着(タイツなど)でも、スムーズに上げ下ろししていた。
- トイレのスリッパが乱れていると、手で揃えていた。
Q5. 睡眠(午睡)の質と目覚めは?
- 戸外でたくさん遊んだ日は、布団に入るとすぐに眠っていた。
- なかなか寝付けない時も、静かに横になって休息をとっていた。
- 自分のパジャマに着替え、脱いだ服をきれいに畳んでいた。
- 目覚めが良く、自分で布団を畳もうとしていた。
- 咳が出る時は横向きになるなど、自分で体勢を調整していた。
💚 情緒の安定(安心感・自己発揮)
Q1. 行事(クリスマス)への期待感は?
- 「サンタさんに手紙書く」と、期待を言葉にしていた。
- アドベントカレンダーをめくり、クリスマスまでの日数を数えていた。
- 部屋の飾り付けを見て、「きれいだね」と友だちと喜んでいた。
- プレゼントの話を友だちとし、ワクワクした様子だった。
- クリスマスソングを口ずさみ、楽しい気持ちを表現していた。
Q2. 自分の気持ち(葛藤)を言葉で伝えられますか?
- 玩具を取られて怒ったが、手を出さずに「返して」と言葉で伝えた。
- 自分の思い通りにならず泣いたが、理由を聞くと話し始めた。
- 「まだ遊びたい」と主張したが、時計を見て切り替えることができた。
- 友だちと意見が合わない時、「じゃあ、こうしよう」と提案していた。
- 寂しい時に保育者に甘え、スキンシップをとると満足していた。
Q3. 友だち関係での安心感と自信は?
- 仲良しの友だちと一緒にいることで、安心して活動に参加していた。
- 困っている友だちに「どうしたの?」と声をかけ、助けようとしていた。
- 集団ゲームで勝って喜び、負けても「次は頑張る」と言っていた。
- 自分の得意なこと(走る、描くなど)を友だちに見せていた。
- 好きな友だちと同じグループになり、嬉しそうに活動していた。
Q4. 保育者との信頼関係(拠点)は?
- 困った時はすぐに保育者に相談し、解決しようとしていた。
- 楽しい出来事を、「先生、聞いて!」と報告に来ていた。
- 新しいことに挑戦する時、保育者に見守りを求めていた。
- 叱られた後も、素直に謝って関係を修復していた。
- 友だちとの秘密を、こっそり保育者に教えてくれた。
Q5. 遊びへの集中力と持続性は?
- ごっこ遊びの設定を友だちと話し合い、数日間にわたって続けていた。
- 制作活動で、最後まで丁寧に色を塗ったり貼ったりしていた。
- ブロックで複雑な形を作り、壊れないように大事にしていた。
- 図鑑を見て、興味のあるページをじっくりと眺めていた。
- 遊びの途中で片付けの時間になっても、続きをやりたがっていた(保存を求めた)。
🌸 五領域(遊びと活動)
🩵 健康(身体機能・運動・安全)
Q1. 寒さに負けない体づくり(運動)は?
- 寒い日でも「外に行こう」と誘い、元気に走り回っていた。
- 縄跳びの縄を回して、ジャンプするタイミングを計っていた。
- ボールを投げたり蹴ったりして、体を温めていた。
- 鬼ごっこで、息を切らすほど全力で走っていた。
- マラソン遊びに意欲的に取り組み、体力をつけていた。
Q2. 遊具や用具を使った運動は?
- 鉄棒で「前回り」に挑戦し、怖がらずに回ろうとしていた。
- ジャングルジムの頂上まで登り、遠くの景色を楽しんでいた。
- 平均台の上を、落ちないようにバランスを取って渡っていた。
- 三輪車をこいで、友だちと競争を楽しんでいた。
- 竹馬やポックリに挑戦し、バランスを取って歩こうとしていた。
Q3. 手指の巧緻性(道具の操作)は?
- ハサミで曲線を切ったり、丸く切ったりしようとしていた。
- 粘土を細かくちぎり、指先で丸めて小さな形を作っていた。
- 糊を端まで丁寧に塗り、剥がれないように貼っていた。
- 折り紙を角と角を合わせて折ろうと集中していた。
- 紐通しで、小さなビーズを次々と通していた。
Q4. 集団遊びでのルール理解(運動)は?
- 「しっぽ取り」で、自分のしっぽを守りながら相手を追いかけていた。
- 「だるまさんが転んだ」で、鬼の動きに合わせて止まっていた。
- 椅子取りゲームのルールを理解し、負けても応援に回っていた。
- リレー遊びで、バトン(リング)を次の友だちに渡していた。
- ドッジボール(転がし)で、ボールから素早く逃げていた。
Q5. 危険回避や安全への意識は?
- 友だちとぶつからないように、前を見て走っていた。
- 「危ない」と声をかけると、すぐに動作を止めていた。
- 遊具の順番を守り、前の人が終わるのを待っていた。
- 散歩中、白線の内側を歩く意識を持っていた。
- 転んだ時、すぐに手をついて顔を守っていた。
🧡 人間関係(友だち・協同)
Q1. 友だちとの協同的な遊びは?
- 「一緒にやろう」と声をかけ、遊びに誘っていた。
- 砂場で協力して大きな山を作り、トンネルを繋げていた。
- ブロックで一つの街を作り、イメージを共有して遊んでいた。
- ごっこ遊びで役割(店員と客など)を決め、やり取りを楽しんでいた。
- チーム対抗のゲームで、作戦を立てていた。
Q2. トラブルの解決と交渉力は?
- 「貸して」「あとでね」「いいよ」のやり取りができていた。
- 順番抜かしをした子に、「並んで」と注意していた。
- 言い合いになったが、自分たちで解決策を見つけていた。
- 「じゃあ、ジャンケンで決めよう」と提案していた。
- 謝られたら「いいよ」と許すことができた。
Q3. 他者への思いやりや共感は?
- 泣いている友だちの背中をさすり、慰めようとしていた。
- 転んだ友だちに「大丈夫?」と声をかけ、助け起こしていた。
- 困っている友だちに、やり方を教えてあげていた。
- 友だちの成功を「すごいね」と褒めていた。
- 小さい子(3歳児以下)に対して、優しく接していた。
Q4. 集団での役割意識は?
- 給食当番を張り切って行い、配膳をしていた。
- 片付けの時間に、みんなで協力して重いものを運んでいた。
- グループごとの活動で、友だちと一緒に行動していた。
- 先生の話を聞く時、静かに注目し、お喋りしている子に教えていた。
- 大掃除で、自分のロッカーや椅子をきれいに拭いていた。
Q5. 競争心と仲間意識は?
- 椅子取りゲームで負けて悔しがっていた。
- チーム対抗戦で、「頑張れ!」と友だちを応援していた。
- 勝ったチームを見て、「すごいね」と認めていた。
- 「次は勝つぞ」と意欲を燃やしていた。
- みんなで一つのことをやり遂げた時、喜びを分かち合っていた。
💛 環境(自然・物・数量)
Q1. 冬の自然(寒さ・植物)への興味は?
- 吐く息が白くなることに気づき、「ハァー」としていた。
- 落ち葉を集めて、お風呂ごっこや焼き芋ごっこをしていた。
- 木の葉が落ちて枝だけになった様子を観察していた。
- 霜柱を見つけ、踏んだ感触や音を楽しんでいた。
- 冷たい風を感じて、「寒いね」と友だちと言い合っていた。
Q2. 数量・形・色への関心は?
- クリスマスツリーの飾りの数を数えていた。
- 「赤と緑」など、クリスマスカラーに気づいていた。
- 丸、三角、四角の形を組み合わせて、家や車を作っていた。
- 「こっちの方が多い」「長い」など、比較する言葉を使っていた。
- 時計の数字に興味を持ち、「3になったらおやつ」と分かっていた。
Q3. 道具や素材の工夫は?
- 空き箱やカップを使い、見立て遊びを楽しんでいた。
- 自然物(枝、実)をごっこ遊びの食材や飾りに見立てていた。
- 廃材を使って、自分なりの楽器や乗り物を作っていた。
- 磁石がつく場所を探して、園内を探索していた。
- 虫眼鏡を使って、小さな虫や葉っぱの裏を観察していた。
Q4. 探索活動(発見・不思議)の様子は?
- 影踏み遊びをして、自分の影が伸びたり縮んだりするのを楽しんでいた。
- 氷ができている場所を探し、触って冷たさを確かめていた。
- 雲の動きを見て、「何かの形に見える」と言っていた。
- 風で木が揺れるのを見て、風の強さを感じていた。
- 土の中にいる幼虫を見つけ、何の虫になるか想像していた。
Q5. 整理整頓や物の管理(大掃除)は?
- 玩具の片付け場所を写真で確認し、正しく戻していた。
- 自分のロッカーの中を整理し、持ち物を大切に扱っていた。
- 年末の大掃除で、雑巾がけを張り切って行っていた。
- 落ちているゴミを拾い、分別して捨てていた。
- 友だちが片付けていないと、手伝ってあげていた。
💚 言葉(理解・発語・会話)
Q1. 会話(説明・報告)の力は?
- 「サンタさんに〇〇頼んだよ」と、自分の思いを話していた。
- 「お腹が痛いから、トイレに行く」と、理由を説明できていた。
- トラブルの状況を、「〇〇ちゃんが、こうして…」と順序立てて話した。
- 自分の発見や感動を、具体的な言葉で伝えようとしていた。
- 「~したい」と、自分の希望を明確に伝えていた。
Q2. 言葉の理解力(指示・物語)は?
- 「帽子を被って、水筒を持ってきて」という二つの指示を理解していた。
- 紙芝居の内容を理解し、感想を言葉で言っていた。
- クイズ遊びで、ヒントを聞いて答えを考えていた。
- 約束事やルールを言葉で聞き、守ろうとしていた。
- 「どうして?」という質問に、自分なりの考えを答えていた。
Q3. 友だちとの言葉によるやり取りは?
- 「入れて」「いいよ」などの遊びの言葉を使っていた。
- ごっこ遊びの中で、役になりきって会話を続けていた。
- 「それはダメだよ」と、友だちに優しく注意していた。
- 名前を呼び合い、楽しそうにお喋りしていた。
- 秘密話をして、友だちとの特別感を共有していた。
Q4. 文字や数への関心(手紙・カレンダー)は?
- 自分の名前の文字(ひらがな)を認識し、興味を持っていた。
- サンタさんへの手紙ごっこで、文字らしきものを書いていた。
- カレンダーの数字を見て、「あと何回寝たらクリスマス?」と聞いていた。
- 友だちの名前を文字で読み、「これ〇〇ちゃん」と言っていた。
- 絵本の中の知っている文字を指差して読んでいた。
Q5. 挨拶や社会的な言葉は?
- 朝、「おはようございます」と元気に挨拶していた。
- 帰る時、「さようなら、また明日」と言っていた。
- 何かしてもらった時、「ありがとう」と自然に言えていた。
- ぶつかった時、「ごめんね」とすぐに謝っていた。
- 食事の前後、「いただきます」「ごちそうさま」を言っていた。
💜 表現(感性・創造)
Q1. 描画(イメージの表現)の充実は?
- 楽しかったこと(クリスマス会など)を、画用紙いっぱいに描いていた。
- 頭足人(顔から手足)を描き、家族や友だちを表現していた。
- 好きな色を選び、塗り絵を枠からはみ出さないように塗っていた。
- 描いた絵にストーリー性を持たせ、説明してくれた。
- ぐるぐると丸を描き、ケーキに見立てていた。
Q2. 制作活動(工夫・構成)は?
- ハサミで切った紙を糊で貼り、クリスマスツリーを作っていた。
- 折り紙を折って、サンタクロースやブーツを作っていた。
- 廃材(箱やカップ)を組み合わせて、立体物を作っていた。
- 自然物(松ぼっくりなど)を制作に取り入れ、リースを作っていた。
- 完成した作品を友だちと見せ合い、認め合っていた。
Q3. 音楽・リズム表現の豊かさは?
- クリスマスの曲に合わせて、鈴やタンバリンを鳴らしていた。
- 友だちと手を繋ぎ、円になって回るダンスを楽しんでいた。
- 楽器を使って、合奏のようなことを楽しんでいた。
- 歌詞の意味を理解し、感情を込めて歌っていた。
- 即興で歌を作り、楽しそうに口ずさんでいた。
Q4. ごっこ遊びの世界観と展開は?
- サンタさんになりきって、プレゼントを配る真似をしていた。
- お店屋さんごっこで、「いらっしゃいませ」とやり取りを楽しんでいた。
- ヒーローになりきって、かっこいいポーズを決めていた。
- バスごっこで、運転手とお客さんに分かれて遊んでいた。
- 友だちとイメージを共有し、遊びを長時間続けていた。
Q5. 感動や発見の表現は?
- イルミネーションの写真を見て、「きれいだね」と感動していた。
- 霜柱を踏んで、「サクサクする」と音を楽しんでいた。
- 虹を見て、「渡れそうだね」と想像を膨らませていた。
- 友だちの作品を見て、「すごいね」「上手だね」と褒めていた。
- できた喜びを全身で表現し、自信に満ちた顔をしていた。



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