【5歳児】就学へ繋がる「10の姿」別|今の姿を引き出す観察質問リスト&文例集

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5歳児クラス(年長)の後半からは、小学校教育への円滑な接続を意識し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の視点を取り入れた観察が重要になります。 これは「できていなければならないノルマ」ではなく、子どもの育ちを多角的に捉えるためのレンズです。

このリストでは、10の視点それぞれについて、子どもの具体的な姿を引き出すための質問と記述例をまとめました。

5歳児(年長)の観察ポイント

クラスにとってどんな時期?

園生活の集大成として、クラス全員で協力して大きな行事を成し遂げたり、話し合い活動を通して自治的な雰囲気が高まったりする時期です。就学への期待感を共有しながら、社会生活のルールやマナーを再確認していきます。

子どもにとってどんな時期?

「もうすぐ1年生」という自覚が芽生え、自信と意欲に満ちています。友だちと意見をぶつけ合いながらも折り合いをつける力や、目的を持って粘り強く取り組む力が育ちます。文字や数、自然現象への知的探究心も深まります。

特に観たい発達テーマ

  1. 自立と自律(自分で考え、判断し、行動する)
  2. 協同性と対話(仲間と協力し、言葉で伝え合う)
  3. 知的関心の広がり(数量、文字、自然科学への興味)
  4. 規範意識の芽生え(社会のルール、公共心)

1. 健康な心と体

【視点】 自分の体を大切にし、健康で安全な生活を作り出す力。

Q1. 充実感を持って体を動かしていますか?

  • 鬼ごっこやドッジボールで、汗をかくほど夢中で走り回っていた。
  • 縄跳びや鉄棒など、目標を持って練習し、できた喜びを感じていた。
  • 戸外遊びを通して、寒さに負けない体力がついてきた。

Q2. 健康や生活習慣への見通しはありますか?

  • 「暑いから脱ぐ」など、気温や活動に合わせて衣服を調節していた。
  • 手洗い・うがい・排泄後の始末など、衛生習慣が定着していた。
  • 自分の体調不良を言葉で伝え、無理せず休息をとっていた。

Q3. 安全への意識と危険回避は?

  • 遊具の正しい使い方を守り、危険な遊びをしている子に注意していた。
  • 散歩中、交通ルールを守り、左右を確認して横断していた。
  • ハサミなどの道具を安全に扱い、受け渡しのマナーも身についていた。

Q4. 感情のコントロール(心の健康)は?

  • 失敗して悔し涙を流しても、気持ちを切り替えて再挑戦していた。
  • 自分の思い通りにならない時、深呼吸をしたり言葉で伝えたりして我慢できた。
  • 友だちと笑い合い、安定した情緒で過ごしていた。

Q5. 食事への関心とマナーは?

  • 姿勢良く座り、箸を正しく使って食事をしていた。
  • 「赤の食べ物は血になるんだよね」と、栄養に関心を持っていた。
  • 準備や片付けを当番活動として責任を持って行っていた。

2. 自立心

【視点】 自分でできることは自分で行い、自信を持って行動する力。

Q1. 自分で課題を見つけ、取り組んでいますか?

  • 「今日はこれを作る」と自分で目標を決め、遊び始めていた。
  • 分からないことがあると、すぐに聞かずに自分で考えたり試したりしていた。
  • 自由遊びの時間に、主体的に遊びを選択・展開していた。

Q2. 諦めずにやり遂げる力は?

  • 難しい折り紙や制作も、途中で投げ出さずに完成させていた。
  • 逆上がりができるまで、毎日根気強く練習を続けていた。
  • 失敗しても「もう一回」と言って、工夫して再挑戦していた。

Q3. 自分の行動に責任を持っていますか?

  • 自分が使った玩具だけでなく、共有スペースの片付けも進んで行っていた。
  • 係活動や当番活動を、忘れずに最後までやり遂げていた。
  • 自分の失敗を素直に認め、「ごめんね」と謝ることができた。

Q4. 身の回りの整理整頓は?

  • ロッカーの中を整理し、持ち物を大切に扱っていた。
  • 脱いだ服をきれいに畳み、次の活動の準備を整えていた。
  • 必要な道具を自分で準備し、管理していた。

Q5. 自己主張と自信は?

  • みんなの前で自分の意見や考えを、堂々と発表していた。
  • 「僕に任せて」と、自信を持って役割を引き受けていた。
  • 友だちと意見が違っても、流されずに自分の考えを伝えていた。

3. 協同性

【視点】 友だちと関わり、協力して物事を成し遂げる喜び。

Q1. 共通の目標に向かって協力していますか?

  • グループで相談し、大きな段ボールハウスを完成させていた。
  • 運動会のリレーで、チームで作戦を立てて励まし合っていた。
  • 劇遊びで役割を分担し、友だちと息を合わせて演じていた。

Q2. 友だちの意見を聞き入れていますか?

  • 自分の意見を言うだけでなく、「〇〇ちゃんはどう思う?」と聞いていた。
  • 意見が対立した時、話し合いで妥協点を見つけていた。
  • 友だちのアイデアを「それいいね」と認め、遊びに取り入れていた。

Q3. 役割分担と責任感は?

  • ごっこ遊びで、自分の役割(店員、客など)を理解して果たしていた。
  • リーダー役、サポート役など、状況に応じて役割を担っていた。
  • グループ活動で、遅れている友だちを手伝っていた。

Q4. トラブル解決能力は?

  • 玩具の取り合いになっても、じゃんけんや言葉での交渉で解決していた。
  • 喧嘩をした後、自分たちで気持ちを伝え合い、仲直りしていた。
  • ルール違反について子ども同士で話し合い、注意し合っていた。

Q5. 仲間意識と共感は?

  • 友だちの成功を自分のことのように喜び、拍手を送っていた。
  • 困っている友だちに気づき、自然に声をかけたり助けたりしていた。
  • 「みんなでやると楽しいね」と、協同の喜びを言葉にしていた。

4. 道徳性・規範意識の芽生え

【視点】 良いこと悪いことの判断や、ルールを守る大切さへの気づき。

Q1. 決まりや約束を守ろうとしていますか?

  • 廊下を走らず歩くなど、園の生活の約束を守っていた。
  • 順番待ちの列に並び、割り込みをせずに待っていた。
  • 遊具の正しい使い方を守り、安全に遊んでいた。

Q2. 良いこと・悪いことの判断は?

  • 友だちが悪いことをしていると、「それはダメだよ」と教えていた。
  • 落ちているゴミを拾い、進んで環境をきれいにしていた。
  • 嘘をつかず、正直に話そうとしていた。

Q3. 相手の立場に立つ心は?

  • 小さい子(異年齢児)に対し、優しく接したり譲ったりしていた。
  • 自分がされて嫌なことは、友だちにもしないようにしていた。
  • 泣いている友だちを見て、心配そうに寄り添っていた。

Q4. 公共心(みんなのもの)への意識は?

  • 絵本や玩具を大切に扱い、乱暴に扱っている子を注意していた。
  • 水道の水を出しっぱなしにせず、節水を心がけていた。
  • 片付けの時間に、落ちているパーツまで丁寧に拾っていた。

Q5. 自分の気持ちを調整する力は?

  • まだ遊びたくても、時間になったら切り替えて片付けた。
  • 欲求が通らなくても、我慢したり譲ったりすることができた。
  • 集団活動中、私語を慎み、静かに話を聞いていた。

5. 社会生活との関わり

【視点】 家族や地域社会、情報などへの関心。

Q1. 挨拶や言葉遣いは?

  • 「おはようございます」「さようなら」と、相手を見て挨拶していた。
  • 園長先生やお客様に対し、丁寧な言葉を使おうとしていた。
  • 職員室に入る時、「失礼します」と言えていた。

Q2. 地域や社会の役割への関心は?

  • 散歩中に郵便屋さんや工事の人を見て、仕事内容に興味を持っていた。
  • 勤労感謝の日に、身近な働く人に感謝の気持ちを持っていた。
  • 「大きくなったら〇〇になりたい」と、将来の夢を話していた。

Q3. 公共施設や公共のマナーは?

  • 公園や図書館などの公共施設で、マナーを守って利用していた。
  • 電車ごっこを通して、乗車マナーなどを遊びに取り入れていた。
  • 道路の歩き方や交通ルールを理解し、守っていた。

Q4. 家族や家庭生活への関心は?

  • 休日の家族との出来事を、嬉しそうに友だちに話していた。
  • ままごとで、家庭での料理や育児の様子を再現していた。
  • 家族へのプレゼント作りで、相手の喜ぶ顔を想像していた。

Q5. 情報やマークへの関心は?

  • 標識やマークの意味(トイレ、非常口など)を理解していた。
  • カレンダーの曜日や祝日に関心を持っていた。
  • おたより帳を自分で出し、連絡事項に関心を持っていた。

6. 思考力の芽生え

【視点】 物事の性質や法則に気づき、考えたり試したりする力。

Q1. 比較や分類をする力は?

  • ドングリを大きさや形、色ごとに分類して並べていた。
  • 積み木の数を数え、「こっちの方が多い」と比較していた。
  • 仲間外れ探し(クイズ)などで、共通点や相違点に気づいていた。

Q2. 予想したり仮説を立てたりしていますか?

  • 「こうしたらどうなるかな?」と考え、実験(色水など)していた。
  • 積み木が高くなると、「倒れそうだからここを支えよう」と工夫していた。
  • 明日の天気を空を見て予想していた。

Q3. 試行錯誤や工夫は?

  • 空き箱制作で、くっつかない時にテープや糊を使い分けていた。
  • コマが長く回るように、紐の巻き方を何度も試していた。
  • 遊びの中で新しいルールを考案し、試していた。

Q4. 数や図形への関心は?

  • トランプや双六で、数の合成や分解を遊びの中で経験していた。
  • 時計を見て、「長い針が6になったら」と時間を意識していた。
  • 展開図(箱を開いた形)に興味を持ち、組み立てていた。

Q5. 知識を関連付ける力は?

  • 絵本で見た知識を、実際の遊びや観察に結びつけていた。
  • 以前の経験(遠足など)を思い出し、ごっこ遊びに活かしていた。
  • 「前はこうだったから、次はこうしよう」と学習していた。

7. 自然との関わり・生命尊重

【視点】 自然に触れ、感動したり、命を大切にしたりする心。

Q1. 自然の美しさや不思議さへの感動は?

  • 夕焼けや虹を見て、「きれいだね」と感動を友だちと共有していた。
  • 霜柱や氷の冷たさ、解ける様子を不思議がっていた。
  • 桜の開花や紅葉など、季節の移ろいに気づき言葉にしていた。

Q2. 生き物への愛着と世話は?

  • 飼育当番として、ウサギやカメの世話を責任を持って行っていた。
  • 虫を捕まえても、むやみに殺さず、観察した後は逃がしていた。
  • 「お腹空いてるかな」と、生き物の気持ちを想像していた。

Q3. 植物の栽培と収穫の喜びは?

  • 夏野菜や球根の水やりを続け、生長を楽しみにしていた。
  • 収穫した野菜を味わい、命をいただく感謝を持っていた。
  • 種から芽が出る不思議さに気づき、観察していた。

Q4. 自然物を使った遊びは?

  • 落ち葉や木の実を使って、制作や見立て遊びを楽しんでいた。
  • 砂や水、泥などの感触を楽しみ、ダイナミックに遊んでいた。
  • 風や影、光などの自然現象を利用した遊び(影踏み等)をしていた。

Q5. 環境を大切にする心は?

  • 花壇の花を踏まないように気をつけていた。
  • 枝を無闇に折ったりせず、自然を大切に扱っていた。
  • ゴミが落ちていると、「かわいそう」と言って拾っていた。

8. 数量・図形、標識や文字などへの関心・感覚

【視点】 生活の中で数や文字に親しみ、活用する力。

Q1. 生活の中で数を使っていますか?

  • 人数を数えて、足りない椅子や配り物を用意していた。
  • 「あと10数えたら交代」と、数を遊びのルールに使っていた。
  • 自分の年齢や誕生日、電話番号などを言えていた。

Q2. 文字への興味と読み書きは?

  • 自分の名前だけでなく、友だちの名前も読み書きしていた。
  • 友だちと手紙交換をし、思いを文字で伝えようとしていた。
  • 絵本を自分で読み、文字を追うことを楽しんでいた。

Q3. 図形や標識への関心は?

  • 積み木やパズルで、図形の特徴(三角、四角)を理解して遊んでいた。
  • 街中や園内のマーク(非常口、トイレ)の意味を理解していた。
  • 地図や迷路に興味を持ち、指で辿っていた。

Q4. 時間や時計への意識は?

  • 時計を見て行動し、時間の感覚が身についていた。
  • カレンダーを見て、行事までの日数を数えていた。
  • 「昨日」「今日」「明日」などの時間経過を正しく使っていた。

Q5. 遊びの中での活用は?

  • お店屋さんごっこで、値段やメニューを書いて貼っていた。
  • スコアボードを作って、ゲームの得点を記録していた。
  • すごろく遊びで、サイコロの目と進む数を一致させていた。

9. 言葉による伝え合い

【視点】 自分の思いを言葉で伝え、相手の話も聞く力。

Q1. 経験や思いを言葉で伝えていますか?

  • 週末の出来事を、順序立てて分かりやすく話していた。
  • 自分の気持ち(嬉しい、悔しい)を適切な言葉で表現していた。
  • 「~だから、~したい」と、理由をつけて話していた。

Q2. 相手の話を聞く態度は?

  • 友だちの話を最後まで聞き、相槌を打ったり質問したりしていた。
  • 保育者の話を集中して聞き、内容を理解していた。
  • グループの話し合いで、他児の意見を受け止めていた。

Q3. 言葉によるトラブル解決は?

  • 喧嘩をした時、手を出さずに言葉で解決しようとしていた。
  • 「貸して」「いいよ」「あとでね」などの交渉がスムーズだった。
  • 相手の気持ちを考えた言葉かけ(「大丈夫?」等)ができていた。

Q4. 語彙の豊かさと使い分けは?

  • 丁寧語(です、ます)を使い、目上の人と話していた。
  • 擬音語や形容詞を使い、表現豊かに話していた。
  • しりとりやなぞなぞで、言葉遊びを楽しんでいた。

Q5. 物語の世界を楽しむ力は?

  • 絵本や紙芝居の世界に入り込み、感想を言葉にしていた。
  • 劇遊びで役になりきり、セリフの掛け合いを楽しんでいた。
  • 自分でお話を作り、友だちに聞かせていた。

10. 豊かな感性と表現

【視点】 感じたことや考えたことを、自分なりに表現する力。

Q1. 出来事や感動の表現(描画)は?

  • 経験したこと(運動会、芋掘り)を、画用紙いっぱいに描いていた。
  • 細かい描写や色使いを工夫し、自分のイメージを表現していた。
  • 描いた絵について、ストーリーを楽しそうに話していた。

Q2. 素材を活かした制作(工作)は?

  • 空き箱や廃材を組み合わせ、独創的な立体物を作っていた。
  • 必要な材料や道具を自分で選び、工夫して使っていた。
  • 友だちと協力して、大きな共同制作を作り上げていた。

Q3. 音楽やリズムによる表現は?

  • 曲の雰囲気に合わせて、体全体で自由に表現していた。
  • 歌詞の意味を考え、感情を込めて歌っていた。
  • 楽器合奏で、友だちと音を合わせる楽しさを感じていた。

Q4. ごっこ遊びや劇表現の世界観は?

  • 衣装や小道具を自分たちで作り、劇ごっこを盛り上げていた。
  • 役になりきって、表情や声色を変えて演じていた。
  • 友だちとイメージを共有し、ストーリーを展開させていた。

Q5. 美しさや心地よさの感受は?

  • 友だちの作品を見て、「上手だね」「きれいだね」と認めていた。
  • 音楽を聴いて、「楽しい感じ」「悲しい感じ」と感じ取っていた。
  • 自然の風景や花を見て、美しさを言葉や表情で表していた。

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